vol.2 23区から高尾山の麓へ 自然とふれあう子育て（後編）
パパ、ママ、ゆうちゃんの3人で高尾山の麓の街に暮らすファミリー。"子どもに自然を日常的なものとして感じてもらたい"という思いから、この地に引っ越してきてもうすぐ1年が経ちます。前編では、都会暮らしでは味わえなかった、自然豊かな暮らしの中で子どもと過ごす時間についてお聞きしました。後編では、家族3人で楽しむ休日の過ごし方や、高尾エリアの子育ての魅力を中心に、お話を伺いました。
休日の定番、川遊び
ママに家族のお気に入りの休日の過ごし方をお聞きすると、開口一番に「川遊び」という答えが返ってきました。
この辺りはきれいな川が多いので、6月の終わりから10月初めまでは、よく川に行っていました。ジャブジャブと思いきり水遊びを楽しんで、お弁当を食べて過ごします。息子は夕方になると疲れて寝てしまって、その間に夫婦でゆっくりと『今日のゆうちゃんはこうだったね』『こんなことがあったね』などと話をしながらお茶を飲むような休日が好きです
おにぎりを家族3人分握って、家族それぞれのお弁当箱へ。青空の下で食べるお弁当は格別でしょう。家族3人、川べりに座って楽しそうにおにぎりをほおばる姿が目に浮かびます。
川遊びと並んで鉄板の休日おでかけスポットが、水族館だそうです。
息子は水の中に生きる生物がなんでも大好きなので、車で1時間弱で行ける、相模川ふれあい科学館にもよく出かけます。相模川とその周辺に生息する淡水魚が見られるんです。ほかにも、山梨が近いので、晩夏から初秋にかけてぶどう狩りに行ったり、温泉プールに遊びに行ったりすることもあります
ほかにも、高尾山や近所の公園にもよく遊びに行くのだとか。
陵南公園、小宮公園は敷地も広く、川の生き物や山の樹木などの自然がそのまま残っていて家族のお気に入りの場所です。幼児園のお友達ファミリーと誘い合わせてもよく行きます
大好きなパパとの時間
平日は朝早く家を出て、夜遅くに帰宅するパパ。お仕事がお休みの日は、ゆうちゃんにとって、パパとたっぷり遊んでもらえる楽しいひとときです。
仕事が忙しく通勤時間も長いので、もう少し休んでくれてもいいと思うのですが、休日は本当によく遊んでくれています
その言葉通り、ママのスマホの写真フォルダには、父と子の写真がいっぱいでした。
夫は、毎日都心からこちらに電車で帰ってくると、凛とした空気に変わる瞬間が心地いいと言っています。夫も川が好きで、夏はよく息子と川に遊びに行っていました。往復3時間の通勤時間には『もう少し慣れないとな』と言っていますが、私や息子がのんびり気ままにやっている様子を見て、『こっちに来てよかった』と話しています
自然に囲まれた環境で叶った、豊かな子育て
23区から高尾に移り住んで最も良かったことは？とお聞きすると、息子を自然の中で遊ばせることができること、さらに自然を享受できることだと、答えてくれました。
都会暮らしをしてきた感覚でいうと、ここは本当に贅沢な環境だと思います。近くに遊べる川や緑豊かな登山道があるだけでなく、木イチゴ摘みや梅とり、ブルーベリー摘み、栗拾い、クルミ拾いなど、季節を通じて自然の恵みをいただく体験ができます。春はこの付近でたくさん取れる梅で、梅ジュースや梅干しを作って楽しみました
夏には、こんな立派なカブトムシにも遭遇。
こちらにきて、たくさんの生物に出会うようになりました。ヘビやカエルもよく見ます。息子は爬虫類や両生類が大好きなので、喜んでいますね（笑）。周りは自然がいっぱいですが、駅のほうに行けば大型ショッピングモールやスーパー、家電量販店などがあり、便利です。生活に必要なものはすぐに揃えられるので、そういう意味でも、子育てしやすい環境だと感じています
周りには子育て世代も多く、交流も盛んなのだとか。
息子の通っている幼児園のお母さん同士はみんな仲が良く、この辺の情報共有をするなど困ったときは助け合える環境なので、不安なく楽しく子育てすることができます
23区から高尾山の麓へに引っ越してきて、大きく生活が変わったゆうちゃんファミリー。
最初は不安もありましたが、豊かな自然も、そこに住まう人びとも、一家をあたたかく迎え入れてくれました。今後も「子ども目線で楽しむこと・食べ物を大切にすること・一緒に楽しむこと」を大切にしながら子育てしていきたいと話すママ。来年は、家族でキャンプに挑戦したり、自然農を教えてくれる畑に月2回、家族で通う予定なのだとか。
自然を身近に感じる環境下で、ゆうちゃんはこれからも、ますますたくましく育っていくことでしょう。
撮影／矢部ひとみ 取材・文／羽田朋美（Neem Tree）
