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多摩地域の歴史を感じて学べるスポット3選

 

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話題の最新スポットもいいけれど、歴史ある建物は子どもの好奇心を刺激し、学べることがたくさん。
多摩地域には、文化遺産として大切に歴史を伝えている施設が残されています。
今回は、その中でも親子で一緒に歴史を感じられるおすすめの建物3ヵ所をご紹介!
ぜひ楽しみながら歴史を味わって、地元がもっと好きになる時間を過ごしてみませんか? tama-rekishi-map-2.jpg

1. 江戸時代の日野を学べる貴重な文化遺産 日野宿本陣

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本陣とは、江戸時代に置かれた天皇のおつかいである勅使や、公家、大名、公用で旅をする幕府の役人などが宿泊するための旅館のこと。甲州道中に今でも残っている本陣建物は、日野宿本陣を含めて三箇所のみとなっており、大変貴重な文化遺産です。日野宿本陣は、2010年に、東京都指定史跡として指定されています。

新選組の稽古に使われた「佐藤道場」もあった 日野宿本陣の歴史

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江戸時代、日野宿は多摩川の渡し場を管理するなど、甲州道中の重要拠点であり、2人の名主と配下の組頭たちによる農民自治の伝統が長く続きました。
日野宿には、本陣と脇本陣(本陣よりも一段格が下がる宿)が軒を連ねていました。
現存する建物は、1849年(嘉永2年)の大火によって古くからの主屋が燃失した後、1863年(文久3年)に本陣として建てられたものです。
木造平屋建(ひらやだて)、切妻造瓦葺(きりづまづくりかわらぶき)屋根で、当時は約100坪の広さがありました。
日野宿本陣には、のちの新選組局長となる近藤勇や副長の土方歳三、沖田総司、井上源三郎たちが稽古に励んだ「佐藤道場」があったことでも有名。
歴史好きな人にはたまらないスポットです。

歴史を感じられる見所は?

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一番の見所は、大名など位の高いお客さまを迎えた玄関回り。
「式台」という上り口が付いた格式の高いものです。当時は、建物の西側(門から向かって右)がお客さまをもてなす空間、東側(向かって左)は日常生活の空間として使われていました。
もう一つの見所は、太い大黒柱。150年前の建物を、今も変わらずしっかり支えています。

子どもと一緒に行ったときの楽しみ方は?

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梁には「こうもり」と「うさぎ」の釘隠しがあったり、奥の部屋の柱には「鯉」が彫られていたりと、建物内のあちこちに生き物が隠れています。それらを探しながら進んでみると、親子で楽しく建物内を観察することができます。そして、この建物を建てた人がどのような思いでそれらを残したのか想像してみると、より歴史が身近なものになりそうですね。

日野宿本陣
開館時間:9:30〜17:00(入館は16:30まで)
休館日:月曜日(祝日にあたる日はその翌平日)、年末年始(12月29日〜1月3日)
住所:東京都日野市日野本町2-15-9

2.酒づくりの歴史を見て感じて味わえる 石川酒造

石川酒造は、国の登録有形文化財に指定された建造物を6棟有する歴史ある酒造。
「酒飲みのテーマパーク」というキャッチフレーズの通り、お酒づくりの歴史を楽しく身近に感じられる場所です。

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「多満自慢」が醸造されている本蔵は、1880年(明治13年)の建築の国登録有形文化財。
約25m×28m の規模をもち、高さは約13m。
300坪の瓦が敷き詰められている。

160年ほど前から続く酒づくりの歴史

石川酒造の酒造りは1863年(文久3年)、13代当主であった和吉が多摩川の対岸、小川村(現在のあきる野市)の森田酒造の蔵を借りたことが始まり。その後、1880年(明治13年)に熊川の地に酒造を建ててから140年余りが経ち、土蔵にはさまざまな歴史が刻まれています。

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1887年(明治20年)にビール醸造に使用していたビール釜

石川酒造史料館には、江戸・明治・昭和の酒造り、石川家、ビールづくりの歴史がわかる資料がたくさん。
季節労働者たちの酒造り、明治期からの清酒ラベルや酒器、熊川の村民と多摩川のつながりや、当時のビール製造について学ぶことができます。

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石川酒造史料館(開館時間:11:30〜20:00、定休日:水曜日、入場無料)

歴史を感じられる見所は?

敷地全体が見所です。江戸時代に建てられた長屋門や、明治期に建築した酒造り用の蔵本蔵、向蔵などが敷地に立ち並んでいます。直売店「酒世羅」でもらえるQRコード付きパンフレットを見ながら敷地内をまわると、さらに酒蔵散歩を楽しめます。

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国登録有形文化財の長屋門。
江戸時代の建築で、石川家が造り酒屋を営む以前のものと言われています。

子どもと一緒に行ったときの楽しみ方は?

直売店「酒世羅」には、アルコールの他に仕込み水サイダーや限定グッズ、直売店商品が当たるガチャガチャなどもあり、大人も子どもも楽しめます。今でも水の湧いている井戸のまわりには、樹齢700余年の御神木や熊川分水があり、自然を感じる憩いの場所となっています。

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直売所「酒世羅(さけせら)」(営業時間:10:00〜18:00、定休日:火曜日(12月を除く))

敷地内には、出来立てクラフトビールや地酒「多満自慢」をはじめとしたお酒と、地元福生産のソーセージ盛り合わせや季節の食材を使用した釜焼きピッツァなどが堪能できるレストラン「福生のビール小屋」も。
酒蔵散歩の後の休憩に立ち寄るのにぴったりです。

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「福生のビール小屋」(営業時間:11:30〜21:30(L.O 20:30)、定休日:月曜日・火曜日)

石川酒造
営業時間・定休日:施設ごとに異なる
住所:東京都福生市熊川1

3.昭和初期にタイムスリップしたような空間 カフェおきもと

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2020年10月、国立駅から徒歩8分ほどの住宅街にオープンしたカフェおきもと。
雑木林と竹林に囲まれた600坪の別荘庭園のような敷地の中に建つ洋風建築「沖本邸」では、ゆったりとした時間が流れます。食事を楽しみながら、親子でゆっくり昭和初期の雰囲気を味わいたいご家族におすすめです。

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代々の想いが受け継がれた洋館 沖本邸の歴史

洋館は1932年(昭和7年)、貿易商を営んでいた土井内蔵(くら)さんの別荘として、アメリカで西洋建築を学んだ川崎忍さんの設計によって建てられたもの。1937年(昭和12)、海軍小将だった沖本至さんが譲り受け、洋館の隣に木造平屋建ての和館が建設されました。その後は長年にわたり、沖本家の姉妹が暮らしていましたが、没後は近所で親交の深かった久保さんが沖本さんの想いを受け継ぎ、国指定有形文化財を目指しながらカフェを営み始めました。

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子どもと一緒に行ったときの楽しみ方は?

春には、軍手やスコップを借りて、たけのこ堀りを体験できます。
都内でたけのこ狩りができる場所があるのはとても貴重。春に限らず、自然豊かで広々とした庭は季節を感じることができますよ。虫好きなお子さんにもおすすめです。店主こだわりのランチやデザートを満喫した後は、庭をのんびりと散策してみると、親子でリラックスした時間を過ごせることでしょう。

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カフェおきもと
営業時間:ランチ11:00〜14:00、カフェ14:00〜16:00
定休日:火・水・木曜日
住所:東京都国分寺市内藤2-43-9

歴史を感じられる見所は?

一番の見所は、外装の塗り替えとキッチンの施工をしただけで、あとは昭和初期に建てられたまま残してある建物そのもの。長い年月を経てきた木材や壁、ガラスの一つ一つに歴史が刻まれているのを感じられます。
また、カフェを始める前から家に置いてあったものが店内のところどころに飾ってあります。
古いラジオや黒電話、蓄音機など、昭和初期に使われていたものに囲まれながら、当時の生活をありありと想像して過ごすことができます。

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本やインターネットなどで知識として歴史を学ぶだけでなく、実際に歴史ある建物に足を運んでみると、体で感じることがあるはず。たまには、親子で一緒に昔の人の生活に想いを馳せるひとときを過ごしてみてはいかがでしょうか。

取材・文/池田好(Neem Tree)

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