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多摩地域で巡るジブリアニメの聖地

 

ジブリパークが愛知県にオープンし、今また話題となっているジブリ作品。
多摩地域は「三鷹の森ジブリ美術館」があり、多くのファンが訪れるジブリにとってゆかりの深い場所です。

「千と千尋の神隠し」「耳をすませば」などの名作を世に送り出し続けているスタジオジブリの本拠地が多摩地域の小金井市にあることは有名ですが、ジブリ作品の舞台のモデルとなった名所が多摩地域内に数々存在しているのです。 ここでは、気軽に訪れることができる、ジブリアニメの聖地をご紹介します。

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「可愛くて勇敢な狸たちを思いながら」

平成狸合戦ぽんぽこ

『平成狸合戦ぽんぽこ』(1994年公開)は、多摩地域のニュータウン開発に立ち向かうタヌキたちの物語です。都市開発に抗うタヌキたちの助っ人として四国から招かれた「三長老」が人間に化けて降り立った駅は、「京王線 聖蹟桜ケ丘駅(多摩市)」がモデルになっていると言われています。

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▷「三長老」が人間に化けて降り立った「聖蹟桜ヶ丘駅」

そしてタヌキたちが抵抗運動の拠点とした「菩提餅山万福寺」は、八王子市の「龍生寺阿弥陀堂」から着想を得て描かれたと言われています。

tama-02ghibli.jpeg▷タヌキたちが抵抗運動の拠点とした「龍生寺阿弥陀堂」

●京王線 聖蹟桜ヶ丘駅
アクセス:東京都多摩市関戸1丁目
URL:https://www.keio.co.jp/train/station/ko27_seiseki-sakuragaoka/index.html

●龍生寺阿弥陀堂
アクセス:東京都八王子市堀之内618
京王線「京王堀之内駅」から京王バス「東京薬科大学」行き、または「東京薬科大学経由平山城址公園駅」行きで、バス停「堀之内二丁目」下車徒歩約15分。
URL:https://www.city.hachioji.tokyo.jp/kankobunka/003/003/005/002/p005228.html
※私有地であり、住宅地に隣接しているため、見学の際はご配慮いただけますようお願いいたします

「歴史的建築物から多くを感じられる場所」

千と千尋の神隠し

アカデミー賞受賞作品であり世界的に愛されている『千と千尋の神隠し』(2001年)。
それぞれの場面を彷彿させる建築物が小金井市にある「江戸東京たてもの園」でまとめて見られるというのだから訪れて損は無さそうです。
「江戸東京たてもの園」は、歴史的に重要な建物を移築保存した広大な野外博物館です。一歩足を踏み入れれば、まるで江戸~昭和の世界にタイムトラベルしたかのような、懐かしい世界が広がっています。

釜爺のボイラー室のモデルとなった「武居三省堂」と、千尋が迷い込んだ街のモデルとなった「下町中通り」を見ることができます。

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▷釜爺のボイラー室とそのモデルになった「武居三省堂」

「下町中通り」には「植村邸」「丸二商店」などの貴重な建築物があり、昔の商家・銭湯・居酒屋など、下町の風情を楽しむことができます。
この「下町中通り」にある「武居三省堂」は明治初期に神田須田町で創業した文具店です。建物は関東大震災後の1927年に建てられた看板建築で、前面がタイル貼り、そして屋根の形にも特徴があります。
この「武居三省堂」をはじめ、復元した建物の中には、当時の暮らしや商売の道具・商品などが展示され、当時の暮らしぶりをダイレクトに感じることができます。

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▷千尋が迷い込んだ街のモデル「下町中通り」

●江戸東京たてもの園
開園時間:
4月~9月:午前9時30分~午後5時30分
10月~3月:午前9時30分~午後4時30分
(入園は閉園時刻の30分前まで)
休園日:毎週月曜日(月曜日が祝日または振替休日の場合は、その翌日)・年末年始

アクセス:東京都小金井市桜町3-7-1(都立小金井公園内)
JR中央線「武蔵小金井駅」北口からバス5分 (西武バス:2、3番のりばより、「小金井公園西口」下車。徒歩5分。)
西武新宿線「花小金井駅」南口からバス5分 (西武バス:「南花小金井」のりば(小金井街道沿い)より、武蔵小金井駅行き「小金井公園西口」下車。徒歩5分。)

入園料:
一般 400円
65歳以上の方 200円
大学生(専修・各種含む) 320円
高校生・中学生(都外) 200円
中学生(都内在学または在住)・小学生・未就学児童  無料
URL:https://www.tatemonoen.jp/

「駅を起点にした作品を巡るロードトリップ」

耳をすませば

ピュアな恋愛を描いた名作『耳をすませば』(1995年公開)。この作品の舞台となったのが、多摩市「聖蹟桜ヶ丘」です。主人公の月島雫が父親が勤める図書館にお弁当を届ける為に使っていた「杉の宮駅」は、「京王線 聖蹟桜ヶ丘駅」がモデルと言われています。

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▷「杉の宮駅」のモデルになった「京王線 聖蹟桜ヶ丘駅」

「聖蹟桜ヶ丘駅」を出て、さくら通りを抜け、霞ヶ関橋を渡ると「いろは坂」の入口があります。「いろは坂」は、東京都多摩市桜ケ丘4丁目付近にある坂道です。この坂を登り切ったところが、映画の中でも印象的なアンティークショップ「地球屋」があったロータリーです。ここに辿り着くと「映画と同じ!」と思わず感動してしまう方も多いそうです。

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▷アンティークショップ「地球屋」があったロータリー

「聖蹟桜ヶ丘駅」にもマップがありますが、事前にこちらを手に入れておくと楽しく観光ができます。
「桜ヶ丘商店会連合会オフィシャルサイト」で、PDFがダウンロード可能です。
https://seiseki-s.com/img/mimisuma2.pdf

●京王線聖蹟桜ヶ丘駅
アクセス:東京都多摩市関戸1丁目
URL:https://www.keio.co.jp/train/station/ko27_seiseki-sakuragaoka/index.html

●桜が丘 いろは坂
東京都多摩市桜ケ丘4丁目43−25 京王線「聖蹟桜ヶ丘駅」から徒歩10分程度

「アリエッティの世界を感じながら小路散策」

借りぐらしのアリエッティ

『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)は、企画・脚本 宮崎駿氏、米林宏昌監督のスタジオジブリ作品です。
海外の文学作品を原作の舞台を日本に置き換えた、ジブリらしい世界観の作品として広く愛されています。病弱な少年・翔が、お母さんの育った古い屋敷で1週間だけ過ごした時、小人の少女・アリエッティに出会います。
物語のエンディングで登場する竹垣が「はけの小路」にあるとされています。やかんの船に乗って出発するシーンの両岸に石が連なる水路の風景が「はけの小路」の水路と重なります。

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▷やかんの船に乗って出発するシーンのモデルになった「はけの小路」

●はけの小路
アクセス:東京都小金井市中町1-5付近 JR中央線「武蔵小金井駅」南口から徒歩約15分

「なじみの駅が特別な場所に」

海がきこえる

『海がきこえる』(1993年)は、氷室冴子氏の同名小説をアニメーション化したものです。高知を舞台に、高校生の青春を描いた爽やかさと甘酸っぱさに溢れた作品です。作品冒頭、及びラストで主役の拓が高校時代に思いを寄せていた里伽子の姿を見かける駅のモデルが「JR 吉祥寺駅」です。
ホームから見える背景の看板などは、上映当時とだいぶ変わっているようですが、後ろに見える南口の建物や京王井の頭線などの名残があります。こんな、いつも使っているような駅が作品の中に登場すると、よりリアリティを感じずにはいられませんね。

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▷拓が思いを寄せていた里伽子の姿を見かけた「吉祥寺駅」

●JR吉祥寺駅
アクセス:東京都武蔵野市吉祥寺南町
URL:https://www.jreast.co.jp/estation/stations/596.html


今回ご紹介した場所は、世界的に愛されているジブリ作品ということもあり、海外からも多くのファンが訪れているそうです。多摩地域在住であれば、これらの場所を訪れるのは比較的アクセスしやすいはず。
ぜひ、秋のおでかけの選択肢にしてみてはいかがですか?

ジブリ作品を見てから行ってもよし、行ってから見てもよし。
芸術の秋ならではの楽しみ方ができるはずです。

取材・文/たまちっぷす編集部

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