お金のやりとりをリアルに学べる! フリーマーケットで子どものマネ育
家庭の中古品や不用品、ハンドメイド品などを持ち寄って売買するフリーマーケット、通称フリマ。近年はコロナ禍の影響で公園や広場のような大きな会場で対面で行うフリマを中止していることも多く、フリマアプリでの取引が主流になっていますが、フリマは実際の売買を通してモノの価値や市場を知ることができ、お金の大切さを実感できる、絶好の場。また、お金のリテラシーだけでなく、リユース意識を育みます。
そこで、今回はフリーマケットやフリマアプリを使って子どもにマネー教育する方法を提案します。
子どもと一緒に出店してみよう!
フリマに出店したりフリマアプリに出品してから商品が売れるまでの過程で、お子さんに伝えたいことや、お子さんと一緒に考えたいことをチェックしていきましょう。「子どもの考えを促す声掛け」をヒントに、お子さん自身が考えることを大切にしてあげてくださいね。
1.商品の値段を考えよう
フリマに出す商品を選んだら、値段をつけるところからスタート。お子さんに「どれくらいの金額なら売れると思う?」と問いかけましょう。最初は高額の値段設定をするお子さんもいるかもしれません。そもそも日常的に買い物をしていないとモノの適正価格はわかりませんし、それが中古となればなおさら。
フリマアプリであれば、同じ商品がどれくらいで売れているのか簡単に相場を調べることができます。対面のフリマであれば、実際に交渉する場面が生まれます。そうやって市場の動向を調べたり、お客さんの希望を聞いたりすることで、適正価格について学ぶことができます。
- 「その商品を欲しいと思う人と、売りたいと思う人のバランスが大切だよ」
- 「価格が高すぎると、本当は欲しいけれど買うのをやめちゃう人もいるかもしれないね」
2.収支の計算を学ぼう
価格設定をする上で大切なのが、収支について考えることです。あらかじめ、実際に売れた金額から必要経費を引いた金額が儲けとなることをお子さんに伝えましょう。フリマアプリであれば、売上金から手数料や送料が引かれます。対面のフリマであれば、多くの場合、出店料がかかります。事前に収支計算の方法を教えることで、「これだけの儲けを出したいから、このくらいの価格設定にしよう」と考えることができます。
- 「フリマアプリやフリマで商品を売るのに、お金がかかるって知ってる?」
- 「高すぎても売れないけれど、安すぎると儲けが出なくて、赤字になっちゃうんだ」
3.お客さんとコミュニケーションを取ろう
価格を設定し、いざフリマアプリに出品したり、フリマ会場で商品を広げたら、いよいよ接客のスタートです。対面のフリマでは、お客さんが商品について質問してきたり、値引き交渉があったりすることもあるでしょう。そこで、お子さんと事前に「こんな質問がきたらどう答えようか?」と話し合い、シミュレーションしておくと安心です。
お客さんとのコミュニケーションで商品が売れるか否かが決まってくることや、お客さんに気持ちよく買い物をしてもらうためにどのような声掛けが必要かを体験を通して学ぶことは、とても貴重。お子さんは、お客さんとの関わり合いを通して、商品を売ってお金を生み出すことのよろこびを実感できるでしょう。
フリマアプリでも、値引き交渉のコメントが入ることがあります。その場合、いくらまでなら値引きできるのか、どんな言葉で回答すればお互いに気持ちよく取引できるのか、お子さん自身に考えさせることが大切です。
- 「もしお客さんが値引きしてほしいと言ったら、どれくらいまでなら値引きできる?」
- 「お客さんに気持ちよく買い物をしてもらうために大切なことって何かな」
子どものおもちゃやサイズアウトした服をフリマアプリに出品しようと写真撮影していたら、小5の長男が興味を持ったようで、『いくらで売るの?』と質問してきた。そこで、おもちゃの値段を一緒に考えることに。似たような商品を探して楽しそうに相場を調べていた。なかなか売れなかったので、価格を下げることに。値引きしても儲けが出るように、慎重に価格設定をしていた長男。出品から2週間後、やっと売れたときには大よろこびだった。売上金の450円は、おこづかいにしてあげた。(小5、小1、5歳のママ)
多摩地域のおすすめフリマ会場が知りたい!
多摩地域には、魅力的なフリマ会場がいっぱい。読者パパ&ママにおすすめのフリマ会場を聞いてみました。
八王子市立富士森公園のフリマは、毎回すごいにぎわい。たくさんのお客さんが訪れるので、初心者も出店しやすそう。(5歳のママ)
調布の駅前広場で開催されるママ・マルシェ。フリマのほかに、ハンドメイド品やフードの販売もあって楽しい! 子育てママ向けの商品の出店に向いている。(小6、小3のママ)
クロスガーデン多摩のキッズフリマは、名前通り子どものおもちゃや衣料品が充実! 売ったお金で買い物するなど、子どもがお金の流れを勉強できる。屋内なので雨天でも安心。(6歳、1歳のママ)
モノの適正価格を知ることから始まり、モノを売って利益を得る難しさや楽しさを知れるフリマやフリマアプリは、お金やモノの大切さを知り、生活力を身につけるための生きた学びの場です。体験を通して得た知識や感じたことは、お子さんにとって大きな財産となるはず。
まずは手軽にできるフリマアプリから、マネ育を始めてみませんか?
取材・文/羽田朋美(Neem Tree)