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どうやって答えればいい? 子どもに聞かれて困る金融用語

 

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ニュースや日常会話の中にも出てくる、「税金」「金利」などのお金にまつわる用語。お子さんが興味をもって質問をしてきたときは、金融リテラシー教育のチャンス!でも、改めて聞かれると親自身もよく理解できていなかったり、子どもにわかりやすい伝え方がわからなかったりして、せっかくのチャンスを逃していませんか? そこで、お金のプロであるファイナンシャルプランナーの鈴木さや子さんに、子どもに金融用語をわかりやすく伝える方法について、答え方の例とポイントをお聞きしました。

金融リテラシー教育って? 
なぜ小さいうちから学んだ方がいいの?

「金融リテラシー」とは、生きていくうえで必要な日々の家計管理・資産形成・金利やローンの知識など、人生を通じてお金とうまく付き合うための知識やスキルのこと。おとなになってから学べばいいのでは...と思いきや、実は7歳までにお金に関する習慣の多くが身につくといわれています。日本の金融リテラシー教育は世界から遅れをとっている現状があり、家庭の中で子どもとお金のことを話し合える環境をつくりたいところです。

1.「税金」を子どもにわかりやすく伝えるには?

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<こう答えよう!>
「みんなが生きていくために、必要なものや便利なものがあるよね。例えば道路、救急車、警察、水道、図書館、教科書。道路を作るのにも、修理をするにもお金がかかるんだ。救急車や警察では、そこで働く人にお給料を支払うよね。小学校で配られる教科書も、みんなはタダでもらうけれど、作るのにはお金がかかるよ。こうしたことにかかるお金を、国民みんなで分担して払っているのが『税金』。国のサービスを受けるための会費みたいなものなんだ」

わかりやすく伝えるポイント
  • 小学生の生活の中にある事柄を例に出す。
  • タダで受けられるサービスにもお金がかかること、国民みんなで分担するものだということを伝える。

2.「金利」を子どもにわかりやすく伝えるには?

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<こう答えよう!>
「お父さんやお母さんが、金融機関で機械からお金を引き出しているのを見たことがあるよね。家にお金があると、火事になったり、どろぼうに盗られたりしてお金がなくなってしまう恐れがあるから、お金を安全に保管するために、金融機関に預けているんだよ。金融機関は、たくさんの人から預かったお金をただ持っているだけでなく、お金を必要としている人や会社に貸し出しして助けているんだ。お金を借りた人や会社は、お金を貸してくれたお礼として、金融機関に『利息』というお礼代を払う。この利息がどのくらいつくかを表した数字が『金利』というものだよ」

「それから、お父さんやお母さんが金融機関にお金を預けている間、そのお金は使えないよね。そこで金融機関は、お金を預けてくれた人に、『利子』というお礼代を払っているんだよ。この利子がどのくらいつくか表した数字も『金利』と呼ぶんだ。金融機関は、払う利子の金利よりも、もらう利息の金利を多く設定することで、その差額が『もうけ』となっているんだね」

わかりやすく伝えるポイント
  • 金融機関の役割である「お金の保管・貸出」を説明し、お金を預ける人や会社、借りる人や会社がいて、お金がグルグルまわっているイメージを伝える。

3.「資産運用」を子どもにわかりやすく伝えるには?

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<こう答えよう!>
「資産運用とは、自分のお金を将来の目的に向けて、貯めたり増やしたりすること。やりたいことを実現するためには、お金が必要なことが多いよね。お金を貯めるためには、今からお金を使い過ぎず残さないといけない。そのために、『将来の目的に向かって必要なことかな?ムダづかいじゃないかな?』と考えながら、お金は使おうね。そして、お金を金融機関に預けるなどさまざまな手段を活用して、将来使うお金をつくることを、資産運用と言うんだよ」

わかりやすく伝えるポイント
  • 資産運用というと、株式投資などリスクのある金融商品を指すと思う人が多いが、基本はお金を大切に使い、捻出したお金を将来の目的に向けて貯めていくことなので、難しく考えずに「将来のお金をつくること」と伝える。
  • 預貯金も株式投資も資産運用。小学生のうちは、増やす大切さより、お金を大事に使い計画的につくっていく大切さを伝える。

鈴木さんによると、「むやみに金融用語を伝える必要はありませんが、お金は働いて人の役にたって得られるものであり、使ったらなくなるから計画的に使うことが大切だというお金の基本を伝えるのが大事。
ただし、親子で世の中のできごとについて日常的に話し合い、その中で『税金ってなに?』と訊いてきたときには、子どもの興味のある事柄を例に用いながら説明できるとお金の仕組みの理解が深まります」とのこと。
ぜひ伝え方のポイントを参考に、親子で楽しみながら金融用語を学ぶことで、実際に生きていくうえで使える知識を子どもに身につけさせたいですね。

取材・文/池田好(Neem Tree)

(株)ライフヴェーラ代表取締役 みらい女性倶楽部 代表 鈴木さや子さん

教えてくれた人

(株)ライフヴェーラ

代表取締役
みらい女性倶楽部 代表 鈴木さや子さん

ファイナンシャルプランナー(CFP)・1級FP技能士・DCプランナー1級・キャリアコンサルタント(国家資格)・All About学費・教育費ガイド。 生活に役立つお金やキャリアの情報を、セミナーや執筆にて発信。金融商品などを一切販売しないFPとして活動。運営するみらい女性倶楽部では「今もみらいもワクワクに」を合言葉に、お金・ヒト・スキル・キャリア・笑顔、5つの資産を育てるための情報を発信中。HP:https://miraijosei.com/

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