【たまみっけ】 焼きいも×多摩地域【5選】
ねっとり、ほくほく、とろ〜り。
ぎゅっと詰まった甘さがたまらない、格別のデザート・焼きいも。
水晶焼き、壺焼き、炭焼き----多摩地域には、それぞれのこだわりが光る焼きいも店が数多くあります。今回は、その中から個性と技が際立つ5店舗をご紹介します。
1.フェラーリで焼きいも⁉ 驚きと甘さに出会える日の出町名物
すーぱーかーやきいも(日の出町)

東京都日の出町の自然の中を、真っ赤なフェラーリが颯爽と走り抜ける......。
そんなインパクト抜群の光景で話題の【すーぱーかーやきいも】。
このフェラーリのかっこよさに目を奪われてしまいがちですが、正体は、なんと焼きいもキッチンカー。水晶で焼いたこだわりの焼きいもを販売しているというから驚きです。

「すーぱーかーやきいも」は、代表の原田さんが自分の大好きな"スーパーカー"と、パートナーの大好きな"焼きいも"を組み合わせて誕生しました。
スーパーカーの後ろに続くトレーラーは、原田さんが一から手づくりしたもの。夢と遊び心が詰まった、まさに唯一無二の存在です。

さつまいもは、ねっとり系で人気の「紅はるか」を使用。石焼きいもの"石"を水晶に変えることで、糖度がぐんと上がるのだとか。一口食べれば、蜜のような甘さとしっとり食感が口いっぱいに広がります。
店舗のとなりには土日限定の手づくりのカフェスペースも併設。水晶やきいもだけでなく、<やきいもジェラート>や<星の干しいも>など、ここでしか味わえないメニューが楽しめます。

キッズボイス
スーパーカーが赤くてカッコイイ! いつもきれいでピカピカ。焼きいもキッチンを自分で手づくりしたなんてすごすぎる

パパボイス
見るだけで元気になれる。子どもの保育園にも来たこともあって、息子がよろこんでいた。焼きいもも、もちろんおいしい。妻もお気に入り
【INFORMATION】
すーぱーかーやきいも
https://supercar-yakiimo.com/
2.町田で見つけた、焼きいもが主役のやさしいカフェ時間
CAFE&DELI IMOKICHIYA(東京都町田市)

さつまいもの看板が目印。グレーの壁に木の扉や椅子が映える【CAFE&DELI IMOKICHIYA】は、JR淵野辺駅からバスに乗って約15分の静かな住宅街にあります。落ち着いた雰囲気の中で、ゆったりとした時間を楽しめるカフェです。
もともとは壺焼きいも専門店として人気を集めていましたが、2024年にリニューアルし、焼きいもに加えて日替わりランチやスイーツも楽しめるカフェへと生まれ変わりました。
契約農家で減農薬栽培された「紅はるか」を中心に仕入れ、一定温度でじっくり熟成。専用の壺で丁寧に焼き上げることで、自然な甘みと濃厚なコクが生まれます。冷めてもおいしく、温めてバニラアイスを添えればスイーツのような贅沢さに。
仕入れたさつまいもの状態を見極めて、さらに追加で熟成保存することもあるのだそう。

そして、なんといってもおすすめなのが、地元野菜の小鉢が付いた「日替わりランチ」。
写真は、冷製焼きいもポタージュに焼きいもの天ぷら、小鉢2品が添えられた〈ローストビーフ定食〉です。
素材の持ち味を生かしたおいしさと野菜たっぷりがうれしい一皿を楽しめます。

デザートには、<いもくりーむ>や<おさつチップ>もおすすめ。
さつまいもを縦に限りなく薄く、大きくスライスしたチップスは、パリポリとした軽やかな食感がやみつきになります。
店内では、看板犬のライムくんがのんびりとお出迎え。
わんこ同伴OKなので、ペット連れでもゆったりとした時間を過ごせます。

キッズボイス
お店でワークショップもやっているよ! ブッダナッツのフラワーアレンジメントが楽しかった。焼きいもも色んな種類があっておいしい!

ママボイス
わんちゃん同伴OKなのがうれしい。看板犬のライム君は賢くて人なつこく、かわいい。日替わりランチも毎週のように変わるので楽しみ
【INFORMATION】
CAFE&DELI IMOKICHIYA
https://www.instagram.com/imokichi_ya/
3.昭和レトロな"おいものひみつ基地"へようこそ
青梅のおいもや ひみつきち(青梅市)

JR河辺駅から徒歩5分。どこか懐かしい雰囲気が漂う【青梅のおいもや ひみつきち】は、2024年8月にオープンした"昭和レトロ"をコンセプトにしたお店です。
花壇の風車がくるくると回る入り口を抜けると、店内には駄菓子コーナーやくじ引き、畳とちゃぶ台を備えた座敷席があり、大人も子どもも自然と笑顔になる空間が広がります。

こだわりは、備長炭でじっくり焼き上げる壺焼きいも。炭の遠赤外線と壺の輻射熱で、いもの中までしっかりと火を通し、甘みを最大限に引き出します。
店主に「これはどんなおいもですか?」と尋ねると、品種や産地ごとの特徴を丁寧に教えてくれます。それぞれの味の違いに驚く人も多いとか。
メニューは焼きいものほか、<芋けんぴ>、<芋チップス>、<みそポテト>など多彩。昭和ポップなグラスに注がれたクリームソーダも人気です。

「ひみつきち」の名の通り、夏には子どもたちが思いっきり楽しめる夏祭りが開催されたり、募金で支えられた子どもたちがちょっと使える"ひみつきち通貨"、発電式くじなど、みんなが楽しめるアイデアがいっぱい。
訪れるたびに小さな発見とワクワクがある場所です。

キッズボイス
駄菓子コーナーもあって、焼きいも目的じゃなくても友だちと行く。ひみつきちのキャラクター、おかっぱの女の子の"おみつちゃん"がかわいい

ママボイス
2階の座敷スペースの押し入れに、ちょっとした階段が取り付けてある。ちゃぶ台が置かれた小さなスペースなど、まさに子どもがよろこぶひみつ基地。焼きいもの種類も多くておいしい
【INFORMATION】
青梅のおいもや ひみつきち(青梅市)
https://www.instagram.com/ome_himitsu_kichi/
4.甘じょっぱさが新しい、日本一の「塩やきいも」
おいもや 農家の台所 -羽村製造直売所-(羽村市)

全国やきいもグランプリ2022でグランプリを受賞した、話題の【おいもや 農家の台所】。
その名のとおり、全国の個性豊かな農家さんの農産物を知り尽くした〈国立ファーム〉が手がけるブランドです。
羽村市にあるこの店舗は、テイクアウト専門の焼きいも店として、連日多くのファンが訪れています。

看板メニューの「塩やきいも」は、焼きいもの概念を変える新しいおいしさで評判。
使用するのは、茨城県産の「紅はるか」。収穫後3ヶ月以上じっくりと熟成させることで、デンプン質が糖化し、濃厚な甘みが生まれます。職人が1本1本、最高級の桜島溶岩石で丁寧に手焼き。溶岩石の遠赤外線によって芯まで均一に火が通り、皮は香ばしく、中はしっとりとろけるような食感に仕上がります。
さらに焼き上げたいもを、厳選したフランス産岩塩に浸して二度焼きに。塩のミネラルが甘みを引き立て、口に入れた瞬間、ほどよい塩気と蜜のような甘さが広がります。
40種類以上の塩を試して選び抜いたこの岩塩が、「最後のひと口まで飽きずに食べられる」秘密。まさに、甘さと塩味の絶妙なバランスを楽しめる"新感覚の焼きいも"です。
1本から気軽に購入でき、日によっては3キロ単位での販売も。遠方から買いに訪れるリピーターも多く、"日本一"の名にふさわしい味わいは、一度食べたら忘れられません。

キッズボイス
やみつきになる味。お兄ちゃんもたくさん食べていたよ!

パパボイス
家族が多いので、たくさん買えるのもうれしい! 皮までうまい!

【INFORMATION】
おいもや 農家の台所 -羽村製造直売所-(羽村市)
https://www.kf831.com/yakiimo?fbclid=PAZXh0bgNhZW0CMTEAAacARPxDzG5espm9ezmtbDpYrvp9kkG5CTvShtlZo0_bOHy4K9pwf8jyFTspWQ_aem_5hrc8druJDPo0Q7-C49-dg
5.深大寺で味わう、昔ながらのつぼ焼き芋
甘熟つぼ焼きいも パタータドルチェ(調布市)

東京都調布市の古刹・深大寺の斜め前、街道沿いにある【パタータドルチェ】は、参道での食べ歩きにもぴったりな焼きいもスポット。店名はイタリア語で「パタータ=いも」「ドルチェ=甘い」を意味し、その名の通り、甘さにこだわった焼きいもを提供しています。
焼き方は昔ながらのつぼ焼き。使用するさつまいもは茨城産の「紅はるか」で、収穫後すぐよりも"ねかせる"ことで甘みが増し、1月頃には最もねっとりとした甘さが引き出されるのだそう。現在はとれたての新さつまいもを使用しており、ほくほくとした素朴な甘さが楽しめます。新さつまいもは皮が薄いため、焼き上げ時には黒いフィルムを巻いてじっくり火を通しています。皮まで柔らかく、丸ごと食べられるのも魅力です。
夏には冷凍した焼きいもが人気。まるでアイスのようなひんやり甘い味わいが楽しめます。

価格は1本500円(税込)と、コスパも抜群です。
野菜ソムリエでもあるご主人の星野さんは、とても気さく。さつまいもについて熱く語ってくれるのも楽しみのひとつです。焼きいもへの愛情が伝わってきます。
営業は主に日曜日の不定期営業なので、「蜃気楼焼き芋店」と名乗っているとのこと。訪れる際はXで最新情報をチェックするのがおすすめです。

キッズボイス
柔らかくて皮まで全部食べちゃった。今度は冷やし焼きいもを食べてみたい!

ママボイス
1本500円は嬉しい。深大寺散策しながら食べられるのがいいね

【INFORMATION】
甘熟つぼ焼きいも パタータドルチェ (調布市)
https://www.instagram.com/patata_dolce_ce/
焼きいもそのもののおいしさはもちろん、焼きいもを中心に地域と密接に関わり、楽しみを広げているお店も多い多摩地域。
焼きいものように、やさしくあたたかな店づくりが愛される理由のひとつです。ぜひ、お気に入りの一軒を見つけみてください。
取材・文/加賀美明子(Neem Tree)