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【たまみっけ】本が読みたくなるカフェ×多摩地域【5選】

 
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冬も深まり、冷たい風が頬をかすめる季節。
なんとなく集中力がさえて、静かな時間を過ごしたくなります。
そんなときは、カフェでゆったりと本を開いてみては?

多摩地域には、本を常設していたり、思い思いにくつろげる空間を用意していたりと、読書したくなる魅力的なカフェがいっぱい。

お気に入りの一冊と出会える場所を、ぜひ見つけてみてください。

1.「飲食と読書の時間が自然に調和する」を大切に
BOOK CAFE マルベリーフィールド(昭島市)

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JR中神駅北口から徒歩約1分のアクセスのよい駅前の一角にある「BOOK CAFE マルベリーフィールド」は、おしゃれな佇まいに、思わず足を止めたくなるブックカフェです。

「もともと地域の本屋として長く営業してきましたが、時代の変化とともに"本を売るだけでは伝えきれない価値がある"と感じ、2013年にカフェを併設しました。本を通じて人と人がつながる空間をつくりたい----そんな思いがきっかけでした」。

そうお話してくださったのは、店主の勝澤さんです。

店内には選び抜かれた本が並び、香り高いコーヒーの湯気とともに、静かで穏やかな時間がゆっくりと流れています。

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「飲食と読書の時間が自然に調和すること」を大切に、すべてのメニューは手づくり。季節の野菜や地元の食材をたっぷり使った自家製サンドイッチは、彩りも美しく、栄養バランスも考えられた心温まる味わいです。季節限定のスイーツサンドイッチも人気の一品。

昭島のおいしい水で淹れるコーヒーや紅茶は、やさしい口あたりと深い香りで、本を読むひとときにそっと寄り添ってくれます。
読むこと、味わうこと、そして心を休めること。マルベリーフィールドは、日々の暮らしの中に小さな安らぎを届けてくれるブックカフェです。

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キッズボイス
絵本コーナーもあるよ! 図書館で見たことのない絵本もあって、ワクワクするよ

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ママボイス
子どもを連れてきても安心してくつろげるカフェ。選書が特徴的で、自分では手に取らなかった本と出会える

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【INFORMATION】
BOOK CAFE マルベリーフィールド
https://mulberry-field.com/

市民総合交流拠点施設「イーストテラス・サブスリー」内に、姉妹店となる本の森「ル・リーブル」がオープン。
https://le-livre.mulberry-field.com

2.本と笑顔があふれる みんなの居場所
cafe & books かとぶん(立川市)

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JR立川駅南口を降りて道沿いに右へ、中央線を超えてさらに西へ歩くこと約20分。住宅街の一角にある「cafe & books かとぶん」は、地域の人々に愛されるブックカフェです。

靴を脱いで上がるスタイルの店内は、無垢の木のぬくもりが足元からふんわりと伝わってくる空間。子どもたちが床に座って過ごしても安心です。木の香りに包まれたあたたかな空間には、親子の笑い声がやさしく響きます。

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おすすめは、地場野菜をたっぷり使った「塩むすびのプレートと地場野菜のおみそ汁ランチ」。日替わりの味噌汁とサラダがセットになった体にやさしい一品で、地元食材の新鮮な味わいを楽しめます。

また、子どもたちに人気なのが季節ごとに味が変わる「あいすくりん」。毎期3種類のフレーバーから選べ、訪れるたびに"今日はどれにしよう?"と、ワクワク。

「子どもたちが自分で選びやすいよう、キッズメニューはすべて均一価格に設定しています。お得な回数券もご用意しているので、塾の合間に立ち寄ってティータイムを楽しみながら自習する小学生の常連さんもいらっしゃいます」と話してくださった店主の加藤さん。

店内には300冊以上の絵本が並び、自由に手に取って読むことができます。さらに、色鉛筆やハサミ、折り紙が常備されているので、ちょっとしたお絵描きや工作を楽しめます。月に一度の無料の絵本読み聞かせイベント「おはなし会においでよ!」、大人だけが参加できる「大人の絵本time」など、年齢を問わず楽しめるイベントも多数開催されています。

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キッズボイス
絵本がいっぱいでいつまでもいたくなる。お店の人もやさしくて大好き!

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ママボイス
ショッピングの後に、子どもたちとよく訪れる。疲れていてもほっとくつろげる場所。敷地内にキッチンカーが来ることもあり、イベントも楽しみ

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【INFORMATION】
cafe &books かとぶん
https://www.instagram.com/katobun.tachikawa/

3.奥多摩の自然に包まれる、癒やしのひととき
KIKORI CAFE TOKYO(奥多摩町)

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JR鳩ノ巣駅から歩いて3分。鳩ノ巣渓谷の散策途中に立ち寄れる「KIKORI CAFE TOKYO」は、東京とは思えないほど豊かな自然に囲まれたカフェです。

窓の向こうには、奥多摩の深い緑が一面に広がり、耳を澄ませば近くを流れる"双竜の滝"の水音が静かに届きます。四季折々の自然と寄り添うロケーションは、「きこり」という店名にぴったり。

店内は、木材をたっぷりと使った温もりある空間。古材の風合いとモダンなデザインがほどよく調和し、まるで山小屋の中にあるアートギャラリーのような雰囲気です。店内奥には「おくたま文庫」と名づけられた選書棚があり、山や旅にまつわる本、そして子どもが読める絵本なども多数そろっています。

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おすすめは手作りのケーキ。濃厚でコクのある「限定レアチーズケーキ」や、ほどよい甘さの「チョコタルト」は人気の定番。どちらも数量限定なので、早めの時間帯の訪問がおすすめです。

自然の音と木の香りに包まれながら、ゆったりと流れる時間の中で、心までほぐれるようなひとときを過ごせます。白丸湖の散策とあわせて訪れたい、奥多摩の小さな癒やしのカフェです。

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キッズボイス
お店の外の森に、猿の親子が現れたときはびっくり! 背中に乗せた赤ちゃんがとてもかわいかった~!ミニチュアの鳥のエサ置き場もかわいくて大好き

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パパボイス
店内にはカメラやおもちゃが整然と飾られとてもおしゃれでなんだか和む。バイカーたちもたくさん訪れるようで、かっこいいバイクにも出会える。のんびりしたくなるお店

【INFORMATION】
KIKORI CAFE TOKYO
https://www.instagram.com/kikori_cafe_tokyo/

4.緑に囲まれた公園内で、香り高い一杯をゆったりと
balder coffee tama(多摩市)

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多摩中央公園の豊かな緑の中にひっそりと佇む「balder coffee tama(バルダーコーヒー タマ)」は、和歌山に本店を構える「balder coffee」の関東初店舗。2025年春にオープンしたこのお店では、公園の自然に包まれながら、丁寧に淹れたこだわりのコーヒーを楽しむことができます。

すぐそばには多摩市立中央図書館があり、借りた本を片手にカフェタイムを過ごす人の姿も。まさに"本が読みたくなる"ロケーションです。

多摩センター駅西口から徒歩約10分。目の前に池や芝生広場が広がり、散歩の途中に気軽に立ち寄れる立地も魅力。店内では、緑を眺めながらゆったりとくつろげます。

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コーヒーはオリジナルブレンドを使用し、1杯ずつ丁寧に淹れています。相模原の人気ベーカリー「ユトピードゥパン」のパンや、「リブレス」の小西さんが手がける焼き菓子も販売されており、どれも素材の良さが引き立つ優しい味わいです。

店内には季節の草花が並ぶフラワーショップ「buire tama(ビュイール タマ)」も併設されており、コーヒーを片手に小さなブーケを選ぶのも楽しいひととき。手土産に花を添えれば、公園での時間がいっそう特別なものになりそうです。

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キッズボイス
ママたちがゆっくり食べている間、ぼくたちはお外で遊んだよ。帰りにとなりの図書館によるのがお決まりのコース!

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パパボイス
公園の中に、こんなおしゃれでおいしいコーヒー店があると、出かけるのが楽しみになります。パンや焼き菓子もとてもおいしくて、ランチで利用することも多いですね。座席がゆったりしているのも嬉しいです。

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【INFORMATION】
balder coffee tama
https://www.instagram.com/baldercoffee_tama?igsh=b3hudjh1dXdkcm54&utm_source=qr

5.地域の「みんなの居場所」に
本屋とキッチン よりまし堂(日野市)

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京王線南平駅の南口から徒歩1分。駅近の街角に佇む「よりまし堂」は、〈よりましな世界を 街角から〉をコンセプトにした本屋カフェです。香ばしい珈琲と手づくりスイーツ、地場野菜を使ったごはん、そして選び抜かれた本。ここには、日々の暮らしにそっと寄り添うあたたかな時間が流れています。

運営するのは、福祉や出版の現場で働きながら、多摩地域でさまざまな社会活動に携わってきた小川さんと岩下さん。ドキュメンタリー映画の上映会やチャリティフリマなど、さまざまなアイデアを形にできる拠点をつくりたいという思いから、「よりまし堂」は生まれました。

店内には、文芸書・人文書・ノンフィクションを中心に、ふつうの書店ではなかなか出会えない少部数発行の雑誌なども並びます。どの本も、本当にすすめたいものだけを丁寧に選び、届けています。

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ランチタイムには、その日に届く新鮮な野菜に合わせてメニューが変わる<日替わりご飯プレート>を用意。
卵、乳製品、小麦粉、白いお砂糖を使わないお菓子とごはんを提供する〈月と田んぼ〉さんが手がける、発芽玄米を使った<酵素玄米おにぎりプレート>も人気のひとつ。夜はクラフトビールと地場野菜の創作料理を楽しむのもいいですね。

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さらに、本にまつわるイベントも定期的に開催。過去には日野市在住の絵本作家・阿部結さんの原画展&ギャラリートークが催され、ここでしか出会えない企画が行われました。

ここは、誰もが"役割"を一度そっと下ろして、素の自分でいられる場所。

「よりまし堂」は、そんなあたたかく開いた「みんなの居場所」として、今日も静かに灯をともしています。

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キッズボイス
絵本コーナーがあってうれしい! さつまいもの玄米マフィン、とてもおいしかったよ

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ママボイス
読みたい本がたくさんあって、選ぶのが楽しい。学生さん応援チケットがあり、息子も利用している

【INFORMATION】
営業時間:11:00〜19:00(18:30L.O.)
※火曜日は予約制はたおりの日 11:00~17:00(L.O 16:30)
定休日: 水曜日
https://www.instagram.com/yorimashi_minnanoibasyo/


選書棚の本を片手に、香り高いコーヒーをゆっくり味わう。
ページをめくるたびに、隣の席の笑い声や店主の穏やかな声が心地よく響く。
そんな時間の積み重ねが、この街の温かなつながりを育てているのかもしれません。
次の休日は、あなたの"お気に入りのカフェ"を探しに、でかけてみてください。

取材・文/加賀美明子(Neem Tree)

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