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【たまみっけ】多摩地域×ミュージアムカフェのある美術館4選

 
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美術館を訪れたあとは、カフェに立ち寄り、「この展示が気に入ったな」「あの絵の発想はおもしろかったよね!」と、楽しくおしゃべり。そんな時間も、美術館巡りの楽しみのひとつです。アートを楽しんだあとは、ランチやスイーツを囲みながら、おいしい時間を楽しんでみませんか?
今回は、多摩地域でカフェを併設するおすすめの美術館を4つご紹介します。

1.公園遊びのあとにふらっと訪れたい!
府中の森公園内にある府中市美術館(府中市)

tama-museum-1.jpg府中市美術館1階内観

東京都府中市にある広大な都立公園「府中の森公園」内に位置する【府中市美術館】。府中市が運営するこの美術館は、小規模ながらも、思わず「どんな展示だろう?」と興味をそそられる、斬新な企画が魅力です。そのユニークな展示内容が評判を集めています。

2024年は、人気の画家<アルフォンス・ミュシャ ふたつの世界>や、怖い絵、変な絵、かわいい絵などさまざまな江戸絵画を集めた<ほとけの国の美術>展から、若手作家の登竜門であるVOCA賞を受賞した<小西真奈>の展覧会まで、幅広い6本の展覧会と3本の公開制作が開催されました。

公開制作とは、常設の公開制作室で作家が作品を制作し、その様子を間近で見られるライブ感あふれる展示です。目の前で美術が生まれる瞬間を体験できる、ユニークな試みとして人気を集めています。

tama-museum-2.jpgコレクション展(常設展示室)展示風景

また「生活と美術=美と結びついた暮らしを見直す美術館」をテーマに開館した府中市美術館は、江戸時代から現代までの美術作品の収集や展示を行ってきました。「府中市及び多摩地域にゆかりのある優れた作家の作品」、「国内外の主に近代以降の優れた美術作品」、「将来性ある若手作家の作品」など、集められた作品は2700点を超えています。これまで「常設展」としてコレクションを紹介してきましたが、2024年からは紹介方法を新たに「コレクション展」として、いろいろな切り口からより作品の魅力が伝わるよう趣向を凝らした展示が行われています。

さらに、毎年夏休み(7月下旬~9月上旬頃)には、子ども向けの所蔵作品展を開催。「アートスタジオ」と呼ばれるワークショップでは、子どもから大人まで楽しめる工作企画などが毎月開催されており、親子で参加できるイベントが充実しています。

tama-museum-3.jpg※「かっこいい油絵 司馬江漢と亜欧堂田善」展示記念プレート

美術館に併設された喫茶室<府中乃森珈琲店>は、気持ちのよいテラス席と、木の温もりに包まれた落ち着いた店内が魅力。フラメンコや、音楽とよみきかせなどのライブや、絵本の原画、布作品の展示など、定期的に開催されるイベントも人気です。
また、カフェでは美術館の企画展示に連動した期間限定メニューも楽しめます。
都立公園ならではの豊かな自然を感じながら、のんびりとアートの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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キッズボイス
ガラス越しに見る作品づくりに大興奮!作っている様子を初めて見たよ。

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ママボイス
展覧会中に、作家さんのお話を直接聞ける『アーティストトーク』があり、作家さんの人となりや制作秘話が聞けてとても興味深い。企画展の観覧料のみで追加料金がかからずに聞けるので、とてもありがたい。

【INFORMATION】
府中市美術館
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/

府中乃森珈琲店
https://fuchunomoricoffee.com/

2.全長8mのビッグなスヌーピーに会える
SNOOPY MUSEUM TOKYO

tama-museum-4.jpg© 2025 Peanuts Worldwide LLC

東急田園都市線南町田グランベリーパーク駅から歩いて約4分のところ<南町田グランベリーパーク>内に、アメリカにあるスヌーピー・ファンの聖地<シュルツ美術館>の世界で唯一の公式サテライト(分館)である【SNOOPY MUSEUM TOKYO】があります。

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原作コミック「ピーナッツ」の貴重な原画や、全長約8mのスヌーピー像が展示された「スヌーピー・ルーム」、「ピーナッツ・ギャング・ギャラリー」には背の低いお子さまの目線の高さにコミックが掲載されているなど、ダイナミックでキュートなスヌーピーをファミリーみんなで楽しめます。
スヌーピーファンのお目当ては何といっても300点以上のグッズが購入できる<ブラウンズストア>。ぬいぐるみやフィギュア、ステーショナリーなど、ここでしか買えないグッズが大充実で、「どれにしようか?」と選ぶ楽しみで、わくわくすることでしょう。

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ミュージアムに隣接する【PEANUTS Cafe】は、大きな窓から日の光が降り注ぐ明るいカフェで、外には気持ちの良い緑の空間が広がっています。
ピーナッツに登場するキャラクターたちの総称・ピーナッツ・ギャングの<POTLUCKピクニック(持ち寄りピクニック)>をイメージしたメニューや、美術館の企画展と連動した期間限定メニューなど、愛らしい見た目は食べるのがもったいないほどで、心が和みます。

美術館後のティータイムにはもちろん、美術館のチケットなしでも利用できるので、カフェを目的に訪れてもいいですね。

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キッズボイス
スヌーピーがテントの上に寝そべるプレートに盛り付けられたキッズプレートが、とってもかわいかった!スヌーピーの旗が付いていたよ!

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ママボイス
さすがスヌーピーミュージアム! 大人が見ても楽しめる、かわいいだけではないお洒落な展示がいっぱい。グッズもどれもかわいくてわくわくした。

【INFORMATION】
SNOOPY MUSEUM TOKYO
https://snoopymuseum.tokyo/

3.あのネコバスに乗れる!
三鷹の森ジブリ美術館と麦わらぼうし

tama-museum-7.jpg©Museo dʼArte Ghibli

「入った時より、出る時ちょっぴり心がゆたかになってしまう」そんな体験を目指す、おもしろくて、心がやわらかくなる美術館【三鷹の森ジブリ美術館】。JR三鷹駅南口から玉川上水沿いをゆっくり歩いて約15分のところにあります。美術館のチケットは日時指定の予約制。事前にローソンチケットで購入しておきましょう。

<都立井の頭恩賜公園西園>内にあり、館内外ともに豊かな自然に包まれた空間。ほっとくつろげる、心地よいひとときが広がっています。

tama-museum-8.jpg©Museo dʼArte Ghibli

館内には、『となりのトトロ』を見た誰もが憧れる「ネコバスに乗って、触ってみたい!」 という夢が叶う、実物大より少し小さなネコバスがあります。
また、ジブリオリジナルの短編アニメーションが楽しめる小さな映画館も併設。ネコバスルームの脇にある螺旋階段を上ると、緑鮮やかな屋上庭園が広がり、そこには高さ約5メートルのロボット兵が静かに佇んでいます。

どこを切り取っても、あたたかくて懐かしい気持ちに包まれるー
そんなジブリの世界を存分に楽しめる美術館です。

tama-museum-9.jpg©Museo dʼArte Ghibli

館内の中庭にあるカフェ<麦わらぼうし>は、オレンジ色の外壁と赤い窓が印象的な開放感あふれるお店です。
メニューには、野菜がたっぷり入った<マンマボスが大好きなスープ>や、トトロの旗が立った<くいしんぼうのカツサンド>など、ジブリならではの遊び心あふれる料理が並びます。

美術館の一部であるため、カフェのみの利用はできませんが、美術館を訪れた際は、ぜひ<麦わらぼうし>でひと息つきながら、ジブリの世界をゆっくり楽しんでみてください。

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キッズボイス
ホットドッグに麦わらぼうしの焼き印がついていてとてもかわいかった! パンもふわふわでおいしかったよ!

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パパボイス
デッキの売店で購入できる<風の谷のビール(レッドエール)>は、ぜひ購入してみてほしい。味もおいしいが、ラベルもとても素敵。瓶の持ち帰りもできるので思い出になる。

【INFORMATION】
三鷹の森ジブリ美術館
※チケットは事前予約制です。
https://www.ghibli-museum.jp/

4.子どもから大人まで誰もが楽しめる美術館
PLAY! MUSEUMとPLAY!CAFE(立川市)

tama-museum-10.jpgPLAY! MUSEUM 「堀内誠一展 FASHION ・ FANTASY ・ FUTURE 」
会場写真(撮影:植本一子)©Seiichi Horiuchi
※現在会期終了

JR立川駅北口にある<GREEN SPRINGS>内には、美術館、カフェ、子どもの遊び場が融合した複合文化施設【PLAY!】があります。

PLAY! MUSEUMは、「絵とことば」をテーマにした子どもから大人まで誰もが自由に楽しめる美術館。絵本やマンガ、アートなどの展覧会を行っています。

特に、遊び心あふれる体験型の企画展は、お子さんの美術館デビューにぴったり。過去に開催された、おばけをテーマにした「オバケ?」展(2024年)では、実際に入って遊べるおばけ銭湯<オバケ湯>や、落語家の春風亭一之輔さんが朗読する『ねないこだれだ』など、見て・聞いて楽しめるオリジナル企画が多数登場。不可思議な展示の世界に、多くの子どもたちが夢中になりました。

tama-museum-11.jpegPLAY! 提供

なかでも、子どもたちに人気なのが併設するPLAY! CAFEで食べられるPLAY!MUSEUMの展覧会に関連したオリジナルのフードやスイーツ、ドリンクメニューです。「どうぶつ展」の開催中は エリック・カールのブックカフェとして営業します。

tama-museum-12.jpgPLAY! PARK(提供:PLAY!)

時間が許せば、3階にある子どものための屋内遊び場<PLAY! PARK>にも足を運んでみてください! 別途入場料が必要ですが、子どもたちが夢中になって体を動かせること間違いなし。
シンプルながらも遊びごごろたっぷり、ダイナミックな大型遊具は、PLAY! PARKのために特別に作られたオリジナル遊具。新聞紙や布、平テープなど身近な素材で作られているからこそ、遊び方は無限大! 子どもの創造力を引き出す仕掛けが満載で、思いっきり楽しめます。

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キッズボイス
自分の大好きな絵本やマンガの展示が多くて楽しい!「オバケ?」展では、おばけの絵本が500冊もあったのにはびっくり!

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パパボイス
グッズもクオリティが高くて、どれも欲しくなって困ってしまう......!展示にCAFEに、グッズにと、こだわりが詰まっていて楽しい!

【INFORMATION】
PLAY! MUSEUM
https://play2020.jp/

PLAY! MUSEUMは、「どうぶつ展 わたしたちはだれ? どこへむかうの? ~WHOARE WE? WHERE ARE WE GOING?」(2025年4月16日~7月6日)を開催中です。掲載されている堀内誠一展は終了しております。

【おまけ】たましん美術館(立川市)

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<PLAY! MUSEUM>がある<GREEN SPRINGS>内には、もう一つ美術館があります。それが、多摩信用金庫 本店 1Fにある<たましん美術館>です。
多摩地域ゆかりの倉田三郎や松村健三郎、小貫政之助などの作品や、日本近代美術の絵画などたましんが所蔵する<たましんコレクション>や、期間限定の特別展など、今の多摩地域にぴったりの展示を紹介しています。入場料は通常500円と、とてもリーズナブル。エントランスのハチの巣は要チェックです。GREEN SPRINGSを訪れたついでにふらっと気軽にアートを楽しんでみませんか。

【INFORMATION】
https://www.tamashinmuseum.org/


美術館に併設されたカフェには、展示に連動したメニューや、アーティスティックなイベントなど、美術館ならでは企画が楽しめます。そんな魅力的なカフェを利用して、子どもたちと一緒に、もっと気軽にアートの世界を楽しんでみてはいかがでしょうか。

取材・文/加賀美明子(NeemTree)

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