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子どもの体調不良にどう備える?冬の乾燥&風邪シーズン、働くパパママのリアルな対処法

 

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気温の低下と乾燥が進む冬は、子どもの風邪や胃腸炎、インフルエンザが一気に増える時期。保育園や小学校では感染症が次々と広がり、保護者は「また呼び出し......」と頭を抱えるシーズンです。特に共働き家庭では、お互いの仕事のスケジュールをどうするかが最大の悩みどころ。

「急に熱が出た」「咳が止まらない」「登校・登園できない」──
そんなとき、誰がどう対応するか。事前のシミュレーションが、明暗を分けます。

そこで今回は、冬の乾燥&風邪シーズンに備える、働くパパママのリアルな対処法を紹介します。

いちばんの悩みどころは日程調整

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まず押さえておきたいのが、パートナーとの連携です。

共働き家庭では、子どもが体調を崩したとき「どちらが迎えに行くか」「翌日はどちらが在宅勤務できるか」をその都度話し合う必要があります。
とはいえ、毎回バタバタと相談するのは大変。忙しい朝や仕事中に突然連絡が入ると、心にも時間にも余裕がなくなってしまいます。

そんなときに役立つのが、あらかじめ"対応しやすい曜日"を決めておくルールづくりです。たとえば「夫が火曜・木曜、妻が月曜・金曜」など、ざっくりとした分担でもOK! 家族カレンダーアプリで共有しておけば、どちらが対応するかを瞬時に判断でき、職場への連絡もスムーズになります。

事前に小さなルールをつくっておくことが、いざというときの焦りを防ぐ最大の備えになるのです。

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祖父母・親戚を頼る

夫婦だけで対応しようとすると、どうしても限界があります。近くに住む祖父母や親戚が頼れる場合は、「平日午前だけお願いできる」「送迎だけお願いする」など、部分的なサポートでも大きな助けになります。

実際、「午前中だけ祖母にお願いして午後は自分が在宅勤務」「送迎だけ叔父に頼む」といった"分担スタイル"で乗り切る家庭も少なくありません。無理にすべてをお願いするより、頼れる範囲を小さく具体的に決めておくほうが、相手にも負担をかけずに協力を得やすくなります。

地域の「ファミリー・サポート・センター」を活用

近くに頼れる祖父母や親戚が少ないという家庭に心強いのが、自治体が運営する「ファミリー・サポート・センター(通称:ファミサポ)」です。
地域のサポーター(「まかせて会員」)が、保育園や学童の送迎、一時預かりなどを有料でサポートしてくれる仕組み。利用登録をすれば、仕事でどうしても対応できないときに頼ることができます。

利用には、

・登録面談(センター職員との顔合わせ)
・利用説明会
・サポーターとの事前マッチング(顔合わせ)


といったステップが必要で、初回利用までに2〜3週間ほどかかるケースもあります。
そのため、「子どもが体調を崩してから登録」では間に合わないことがほとんど。なので、早めの登録が鉄則です。

ただし、病児の預かりには制限があります。
発熱や感染症など、明らかに体調不良のときは預かりNGの自治体が多く、預かる場合でも、医療機関を受診したうえで「在宅での保育が可能」と医師の指示があることが前提です。
また、受診代行(病院への付き添いや診察手続き)は行えません。

こうしたルールを理解したうえで、病後の体調が安定しない時期に短時間だけ見てもらうなど、回復期のサポートとして利用するのがおすすめです。家族以外の頼れる存在を持っておくことで、仕事と家庭の両立がぐっと現実的になります。

病児保育という選択肢も

もし子どもが発熱したり、明らかに体調が悪く保育園・学校に行けない場合には、病児保育を利用できるケースもあります。
医療機関に併設された施設などで、看護師や保育士が常駐し、医師の指示のもとで体調の悪い子どもを一時的に預かってくれる制度です。

対象年齢は自治体によって異なり、多くは生後6か月から未就学児、または小学校低学年までを対象としています。
中には小学校6年生まで利用できる施設もあり、住んでいる地域や登録先によって条件が変わります。

利用には事前登録が必要で、当日朝に医療機関を受診し、「病児保育可能」と医師の判断を受けることが原則。また、定員が少なく先着制のことも多いため、元気なうちに登録・予約方法を確認しておくことが大切です。

共働き家庭のリアル体験! 子どもの体調不良をどう乗り切った?

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子どもが急に熱を出したり、体調を崩したり......
そんなとき、みんなはどうしてる?
実際に体調不良の"ピンチ"を乗り越えたパパママたちのリアルな体験談を紹介します。

保育園から"38.5度あります"の電話。ちょうど会議中で出られず、折り返したらお迎え要請。夫も外出中でパニック! 最終的に、近所のママ友に一時的に見てもらって助かった(5歳・3歳のママ)

1週間連続で子どもが熱。前半は私、後半は夫に変わってもらって乗り切った。職場に迷惑をかけて心が折れそうだったけれど、上司が『誰でも通る道だよ』と言ってくれて救われた(小1のママ)

仕事をどうしても休めない日に、初めて病児保育を利用。朝イチで小児科を受診して『利用OK』の診断書をもらい、そのまま預けられて本当に助かった。子どもの体調も安定。お迎え後の引き継ぎも丁寧で安心感があった(小2・5歳のママ)

登録だけしておいた病児保育を、いざというときに使えたのは大きかった。念のため"登録しておくのが大事だと実感"(4歳のママ)

小1の息子がインフルエンザで出席停止に。解熱しても2日間は登校できず、丸1週間お休みになった。私も夫も休めず、結局、電車で1時間ほどのところに住む母にお願いすることに。感染を広げないように"部屋を分ける・マスク着用・手洗い"を徹底。"困ったときは頼っていいのよ"という母の言葉に救われた(小5・小1のママ)

冬の病児保育は毎回激戦。やっと電話がつながっても、すでに埋まっていることも多いので、夫婦で連携をとりつつ、在宅勤務で乗り越えている(小3・4歳のパパ)

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そもそも風邪をひかせない!冬の家庭内対策

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子どもの体調不良を完全に避けるのは難しいものの、日々の生活の中で風邪をひきにくい環境をつくることはできます。
忙しい共働き家庭こそ、ちょっとした工夫で家族全員の健康を守りましょう。

1.手洗い・うがい・タオル共有を避ける

外から帰ったら、まずは手洗い、うがいをセットに。
家族でタオルを共有しないなど、「うつさない」「持ち込まない」意識が大切です。

2.こまめな水分補給で粘膜を守る

冬は喉の乾燥に気づきにくく、脱水にもなりやすい季節。水や白湯を1〜2時間おきに少しずつ飲むことで、口や喉の粘膜を潤し、ウイルスの付着を防ぎます。特に暖房を使う部屋では、ペットボトルや水筒を手元に置いておくのがおすすめ!

3.湿度と温度を整える

加湿器で湿度を50〜60%に保つと、喉や鼻の粘膜が潤い、ウイルスが侵入しにくくなります。加湿器がない場合は、濡れタオルや洗濯物を干して自然加湿するのも効果的。

4.生活リズムで"免疫リズム"を整える

免疫力を支えるのは、睡眠・食事・入浴の3つ。
寝不足や朝食抜きが続くと体調を崩しやすくなるため、規則正しいリズムを意識しましょう。

「風邪をひいてからでは遅い」という意識が大切です。
日々の生活リズムの中で家族の"防御力"を上げておくことが、結果的に親の心の余裕にもつながります。


冬は、子どもの体調不良がどうしても増える季節。
完璧に乗り切ることは難しくても、「備えておく」「頼れる先を持っておく」ことで、心の余裕は変わります。
無理をしすぎず、助け合いながら過ごせる仕組みを整えて、家族みんなで健やかな冬を迎えましょう。

文/羽田朋美(Neem Tree)

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