繰越済の通帳いつまでとっておく?どう処分する?
使わなくなった紙の通帳をため込みすぎて、どう処分すればよいかわからずに迷われている方も多いのでは?
通帳には、氏名や届出印などの重要な個人情報が記載されていたり、お金の出入りが一目でわかる記録が残っていたりするため、普通のごみとして捨ててしまうことは避けるべきです。
そこで、繰越済の通帳をいつまで残し、どう処分するのか、また取引履歴の新しい管理方法として、近年広がっている「通帳レス口座」についてもご紹介します。
通帳はいつまでとっておく?
通帳はすべての欄が記帳済みで繰越となれば、お金を引き出すなどの取引はできなくなります。その点では、すぐに処分しても大丈夫といえます。しかし、家計の振り返りやローンを組む場合はローン審査にも対応できるよう、2~3年は保管しておくとよいでしょう。
保管期間を考える上で確認したい4つのポイント視点をご紹介します。
◆家計管理のために通帳を見返すことがある場合
「昨年支払った〇〇の金額を知りたい」「昨年の今頃と比べて残高は増えたかな?」などと通帳で振り返ることがあるなら、2~3年ほど残しておくと増減などを比較できます。どのように家計管理をするか考えて、自分に適切な保管期間を考えましょう。
◆ローンを組む予定がある場合
ローンの審査のときに、6ヵ月以上の通帳コピーを求められることがあります。収入の流れを確認されることもあるため、余裕を持って1年以上通帳を保管しておくとよいでしょう。
◆相続の可能性や贈与がある場合
亡くなった人の通帳を処分するときには、遺産相続や税務上の観点から注意が必要です。通帳の残高を確認したら、遺産相続の手続きが終わるまでは、全ての通帳を厳重に保管しましょう。お金の流れなどを把握できれば、遺産相続をスムーズに進めることができます。
また、これから贈与や相続の可能性がある場合は、相続税の申告などに備え、7年間通帳を保管するのがおすすめです。
◆個人事業主やフリーランスの場合
個人事業主やフリーランスは、確定申告のときに必要になった、収入金額や必要経費に関する帳簿や書類を、5~7年保管する必要があります。取引の記録が残された通帳は、申告に不備がある場合にも備え、7年間保管しておくとよいでしょう。
もし通帳を処分した後に明細を知りたくなったら、金融機関で取引明細証明書を有料にて発行してもらうことができます。料金設定は金融機関によりさまざまですが、例えば発行手数料が1ヵ月ごとに550円だった場合、1年分で6,600円かかります。
取引明細証明書を発行するという手段はあるものの、費用や発行時間がかかるので、通帳の処分に踏み切る前に、今後の通帳を利用することがありそうかをしっかり確認しましょう。
通帳の適切な処分方法とは?
通帳を処分するときは、さまざまな情報が載っているという点で注意を払いましょう。お給料の金額や口座の残高など、他人には見られたくない情報であったり、古い通帳であれば、住所や届出印など大切な個人情報が載っていたりすることもあります。可燃ゴミとしてそのまま捨てることもできますが、悪用されないよう次のような方法で処分するのがベストです。
1.黒マジックで塗りつぶす
口座番号や氏名、住所や届出印など、個人情報が載っている部分は黒マジックで塗りつぶしましょう。
2.細かく切り刻む
シュレッダーにかけるか、ハサミで細かく切り刻みましょう。
3.外から見えない袋に入れて、ほかの可燃ゴミに混ぜて捨てる
透明でない袋に入れ、他の可燃ゴミに紛れ込ませて捨てましょう。さらに複数の袋に分けたり、分けた袋を別の回収日に出したりすれば、より安全に処分することができます。
通帳を作らない「通帳レス口座」という選択
通帳の処分に不安やわずらわしさを感じるのであれば、「通帳レス口座」を一つの選択肢として検討してみるのはいかがでしょうか。
「通帳レス口座」とは、その名の通り通帳を発行せず管理する口座のことです。振り込みなどの取引や明細の閲覧はインターネット上ででき、現金の入出金は通帳でなくキャッシュカードで行います。
金融機関によって使い勝手に違いがありますが、次のようなメリットやデメリットがありそうです。「通帳レス口座」を検討しようと思ったら、参考にしてみてください。
<メリット>
・24時間いつでもどこでもスマートフォン等で口座の閲覧や取引ができるので、金融機関の窓口やATMに行く手間が省ける。
・紙資源の消費を減らすので環境にやさしい。
・長い期間、閲覧ができる(たましんの場合は最大10年間)。
・検索やメモなど便利な管理機能がある。 ・紛失や盗難のリスクがなくなる。
・データをエクセルでダウンロードやプリントアウトできる場合があり、家計管理に便利
<デメリット>
・IDやパスワードの管理が必要。
・閲覧は長期間可能だが、さらに長い期間の記録を残したい場合には、事前にデータのダウンロードをするなどの作業が必要になる。
・通帳がないことで、他人に口座があることを認識されにくいため、相続のときに認識してもらえるよう対策が必要。
通帳は、印鑑があればさまざまな取引ができ、また繰越済となっても大切な個人情報が載っているため、管理は厳重にしたいもの。処分には、細心の注意を払いましょう。また、それは通帳レス口座でも同じこと。セキュリティーが高いとはいえ、IDやパスワードの管理はしっかりと行ってくださいね。
通帳も通帳レス口座のアプリなども、記録が残る大きなお財布ということをお忘れなく!
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取材・文/武藤由美子(Neem Tree)