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リバーサイドで心地よい風を感じる多摩川散歩 狛江市 vol.29

 
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野草や野鳥が数多く生息し、四季折々の豊かな自然に恵まれる多摩川沿岸に位置する狛江市。
多摩川沿いには、江戸時代にタイムトリップしたかのような気分を味わえる【むいから古民家】や、多摩川から直行できるカフェ【Baron Kawada】など、ふらっと気軽に立ち寄れるおすすめスポットがいっぱい!
さわやかな川風を感じながら、狛江市の散策をお楽しみください。

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9:00~ 狛江市まるごと美術館(狛江市全域)~見る~

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身近なものをモチーフにして絵を描き、相手に伝えたい気持ちを短い言葉にして書く<絵手紙>。
そんな絵手紙の文化は、狛江市から広まったことをご存知でしょうか。

狛江市在住であった絵手紙創始者・小池 邦夫さんは、東京学芸大学書道科在学中から絵手紙を始め、狛江郵便局で日本初の絵手紙講師として、市民に絵手紙の魅力を伝える講座を開催しました。
その後、書籍の出版や絵手紙展の開催などを経て、全国に絵手紙が広まっていきました。現在では愛好者数は百万人を超えるともいわれています。

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絵手紙の発祥の地である狛江市では、絵手紙を身近に感じられる絵手紙の展示や絵手紙教室を行っています。その活動の一つに、狛江市全体を美術館に見立てた【狛江市まるごと美術館】があります。

小池邦夫さんがかく地域密着型の内容の絵手紙は、建物やマンホール、ポストなど狛江市内のさまざまな場所に設置されています。絵手紙の種類は全部で大きく4種類で、小田急小田原線狛江駅前北口ロータリーに設置された<巨大絵手紙>や、マンホールに設置された<絵手紙マンホール>、路上に設置された<絵手紙ロードシート>、ポストに設置された<絵手紙ラッピングポスト>を合わせた、約80箇所。

ぜひ、マップを片手に生き生きとかかれた絵手紙探しをお楽しみください。

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キッズボイス
小学校に絵手紙の先生がかき方を教えに来てくれたことがあったよ!

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ママボイス
小池邦夫さんの素朴な温かみのある手書きの絵が、とても素敵。市内では小池邦夫さんの原画展が開催されていることもあるのでぜひ見てほしい。

【INFORMATION】
狛江市まるごと美術館
https://www.komae-kankou.jp/etegami/marugoto-m.html

10:00~ むいから民家園 ~見る~

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小田急線狛江駅から狛江市立西河原公園方面に歩いて約10分のところに、市内に残された数少ない江戸時代の建造物が移築・復元された【むいから民家園】があります。

もともと農村地帯であった狛江。
かつては茅葺屋根をもつ古民家を目にすることができましたが、その多くは高度経済成長期以降、急速な都市化とともに失われていきました。
小田急線の連続立体交差・複々線化事業により取り壊されることとなった旧荒井家住宅主屋は、市民から保存を求める声が多数寄せられ、市民と行政の協働により、移築・復元されました。その旧荒井家住宅主屋と名主の邸宅に構えられていた旧髙木家長屋門を移築・復元した施設がむいから民家園です。どちらの建造物も市指定文化財となっています。

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園では園の趣に合わせた行事やイベントが不定期で開催されています。古民家のカマドで炊いたご飯をいただく〈かまどでご飯〉や、日本の伝統的な芸能である能楽に触れる機会を提供する〈むいから能楽鑑賞会〉、都立狛江高等学校箏曲部による〈むいからお月見コンサート〉など、伝統文化・生活文化などに触れるイベントが人気です。

園内には、畑や草木があり、のどかな農村風景が広がっています。昔懐かしい、どこかほっとするノスタルジックな空間をお楽しみください。

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キッズボイス
畳の上で寝転がれてとっても気持ちよかった!

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パパボイス
さくら祭りでは、お花見をしながら、桜団子やみたらし団子を食べた。おいしかった。のんびりとした空気が広がっていて、癒された。

【INFORMATION】
むいから民家園
https://www.komae.ed.jp/index.cfm/12,1004,60,html 

12:00~ Baron Kawada ~食べる~

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むいから民家園から多摩川下流(世田谷方面)へ歩いて約20分の多摩川沿いに、ペット同伴OKのリバーサイドテラスカフェ【Baron Kawada】があります。
土手沿いから直ぐの場所にあり、目の前には川が広がる開放的なカフェで、土手を走るランナーやサイクリスト、ファミリーや散歩するおじいさんなど、市民の憩いの場となっています。休日には100匹を超えるわんちゃんが訪れることもあるのだそう。
メニューには自家製のはちみつレモンやジンジャーエール、ネパールのスパイスを使用したチャイなど、ほっと安らぐおいしいドリンクがずらり。店内で作るキーマカレーや、揚げパンも人気です。

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多摩川沿いには一休みできる飲食店が少なく、地域住民からカフェを作って欲しいとお願いされたのが、約70年の歴史を持つ川田旅館を経営する楠瀬さん。

「カフェにはさまざまな方が訪れます。この景観のよさから、海外の方もいらっしゃるほどです。また、カフェのメニューは地域の方々の協力を得て成り立っています。例えばサンドイッチのパンは、稲城市の<牛乳食パン専門店みるく>のもの、クラフトビールは、<地酒専門店・籠屋>のものを使っています。コーヒーは、<自家焙煎珈琲店・K.Base>でカワダ特製のブレンドコーヒーを作っていただきました。また、人気メニューのショコラショは、近所に住むフランス人のパティシエから教えていたいたレシピで作っています。カフェを通して地域の魅力を知っていただければと思います」とお話してくださいました。

狛江市に農場兼別荘地を誘致し、男爵いもを広めた"男爵いもの父"でもある川田龍吉男爵は楠瀬さんの曾祖父です。曾祖父の爵位・男爵(バロン)を取って名づけられたのがBaron Kawada。

狛江市の歴史や発展にも詳しい気さくなオーナーとの会話もぜひお楽しみください。

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キッズボイス
やさしい風が吹いていて、とても気持ちがよかった!揚げパンがおいしかった。

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ママボイス
散歩の途中で立ち寄るお気に入りスポット。わんちゃん用の手づくりのおやつも販売されていて、わんちゃんもとても気に入っている。

【INFORMATION】
Baron Kawada
https://www.instagram.com/baronkawada/

14:00~ 多摩川五本松 ~見る~ 

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Baron Kawadaから多摩川上流(調布方面)へ川沿いを歩くこと、約30分のところに大変立派な松の木【多摩川五本松】があります。
五本松は、狛江を代表する景観のひとつで、多摩川50景や新東京百景の一つに選ばれ、時代劇のロケ地にも使われるほど見事です。
この多摩川五本松から、二ヶ領宿河原堰手前までの約1.4㎞の多摩川では、毎年夏になると多摩川の夏の風物詩「狛江古代カップ多摩川いかだレース」が開催されます。関東各地から80を超えるチームから応募があるほどの大人気イベントで、多くの観光客が訪れます。

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3~5人からなるチームが手づくりのいかだに乗って、速さやアイデア、デザインを競うレースです。
いかだは木製のものから、タイヤチューブ・発泡スチロールなどさまざまな浮力のある材料を使うことができ、大きさも自由です。スピードだけではなく、狛江市を象徴する古民家や多摩川で採れる鮎が乗ったいかだや、ユニークな衣装を着た選手が乗るいかだ等、趣向をこらしたアイデアやデザインも審査の1つで、見物客を楽しませてくれています。

ゴール地点では、来場者が楽しめるさまざまなイベントが開催されています。地ビールや多摩の地酒をはじめ、から揚げ、焼きそばなどの販売や、かき氷店の出店も。
ミュージシャンのコンサートや、レース優勝タイム予想当てクイズなどのイベントもあり、一日中楽しめます。

★狛江古代カップ第32回多摩川いかだレース
場所:多摩川五本松~二ヶ領宿河原堰手前までの約1.4㎞
https://komae-ikadarace.ever.jp/index.html 

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キッズボイス
かき氷がとってもおいしかった!警察官のチームもあって、一生懸命に漕いでる姿がかっこよかった!

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パパボイス
スピードを競ういかだはとても速く、10分ほどでゴールしてしまう。スピード感があって、オールの漕ぐ速さが揃う姿は圧巻!見ていてとても楽しい。

【INFORMATION】
多摩川五本松
https://www.komae-kankou.jp/sightseeing/gohonmatsu.html 


休日ともなると、多摩川はピクニックシートを広げた親子連れ、愛犬と散歩をする人、ランナーなど多くの人々で賑わいます。狛江市の中心には多摩川があり、河川敷に貸しボートやアクティビティ、イベントなども多数行われ、新たな発見のある場所でもあります。多摩川沿いから始まる狛江市散策をぜひお楽しみください。

取材・文/加賀美明子(Neem Tree)

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