知的好奇心が育つスポットが集まる武蔵野周辺へ vol.18
多摩地域の中でも最も都心寄りの武蔵野周辺には、学びにつながるスポットが多数集まっています。
なかでも武蔵野プレイスは、地域住民の第三の居場所として、全国の自治体が視察に訪れるほど、注目されています。これまでの枠にとらわれず、新たな試みが行われているチャレンジングな街、武蔵野周辺を楽しみましょう。
10:00~ 三鷹こ線人道橋 ~見る~
JR三鷹駅から立川方面に線路沿いを歩くこと約10分。
さまざまな車両を収容する三鷹車両センターの上にかかる、陸橋「三鷹こ線人道橋」が見えてきます。
全長約90メートルと長く、橋の下にはいくつものレールが通っていて、橋の下を走り抜けていく列車の姿は、迫力満点!
列車が通ると橋も振動し、舞い上がる風を実感できるのも楽しいポイントです。
陸橋はフェンスで覆われているので、お子さんも安心して見学できます。
停車する車両は、中央(快速)線、中央・総武(各駅停車)線、東西線から、特急列車のあずさ、かいじまで、種類はさまざま。
一度にたくさんの車両を写真におさめられるので、鉄道ファンの「撮り鉄」スポットとしても大人気です。
なかでも人気なのは、「特急列車あずさ・かいじ」。
普段はあっという間に通り過ぎてしまいますが、車両センターでは、停車しているレアな姿をじっくり観察できます。
列車の顔となる先頭部分は漆黒、紫のラインと白いボディ、そのスマートな見た目が近未来のロボットみたいで格好いいと評判です。
線路にはそれぞれ役割があり、基地線では線路を保全するための保線車両が停車され、洗浄線では車両を手作業で丁寧に清掃している姿、修繕線では天井クレーン、リフティングジャッキを備え、機器の吊り替えや修理等を行う様子など、普段見ることができない列車の姿も確認できます。
三鷹こ線人道橋が設置されたのは、昭和4(1929)年。
かつて三鷹市に住んでいた太宰治のお気に入りの場所でもあったのだとか。残念ながら老朽化が進み、橋は今後撤去される見込みです。
今しか見られない、期間限定のスポットをぜひ訪れてみてください。
キッズボイス
「走る列車に手を振ったら、"ファーン!"と警笛を鳴らしてくれたよ。」
パパボイス
「ここから見る夕日がとてもきれい。見晴らしも良く、晴れた日には富士山も見ることができる。」
【INFORMATION】
三鷹こ線人道橋
https://www.city.mitaka.lg.jp/c_service/093/093254.html
13:00~ 武蔵野クリーンセンター ~見る~
三鷹こ線人道橋から西武新宿線方面へ自転車を走らせること約15分の場所にある「武蔵野クリーンセンター」は、これまでのごみ処理場のイメージを変える新しい焼却炉です。
武蔵野クリーンセンターは、全体がテラコッタ色のルーバーに覆われ、周りの景観になじみ、およそごみ処理場とは思えない外観です。
排ガス規制も全国トップレベルで、環境にも配慮されています。
開館時間内であれば、無料で自由に見学できるオープンなごみ処理場としても注目されています。
予約は不要で、いつでもふらっと立ち寄ることができます。
ごみ処理の流れを見学できるのは、2階フロア。
燃やすごみが収集された後は、ごみピットに集められ、均一に燃やせるよう攪拌されます。その後、焼却施設に投入され、850度以上の熱で燃やされます。
ごみ処理の過程で出される排ガスは、特殊なフィルターで濾過され、きれいな空気として排出。
フロアをぐるりと一周するだけで、一連の流れをガラス越しで見学できます。
実際の現場を見ることができるので、お子さんの記憶にもしっかり刻まれることでしょう。
ごみは、灰になるまで燃やされ重さが約10分の1になります。この灰は灰選別装置で細かく砕かれたあと、金属などが取り除かれ、エコセメントの原料となり、道路側溝や歩道ブロック製品に生まれかわります。
焼却により生み出される大きなエネルギーは、発電に利用されます。
同じ敷地内にある、「むさしのエコreゾート」では、環境問題や環境の大切さについて学べます。
ものづくり工房があり、「地球にやさしいってなんだろう?」ということを考えながら工作に取り組むことができます。
ごみ処理の見学を通して、分別や、ごみを出さない大切さなどを学び、実際の生活にどう反映していくか。
そんなヒントを教えてくれます。
キッズボイス
「リボンやプチプチ、茶色い紙などいろんな材料があった。大きな画用紙に絵をかくのが楽しかった。」
ママボイス
「屋上には生ごみの堆肥を使ってつくるベジタブルガーデンがあるそう。エコマルシェで、その野菜の試食をしたけど、おいしかった。定期的にイベントも行われているのでチェックしている。」
【INFORMATION】
武蔵野クリーンセンター
https://mues-ebara.com/
15:00~ 武蔵野プレイス ~見る~
市民が気軽に訪れたくなるサードプレイス(第三の居場所)として全国から注目を集めている複合施設、それが「武蔵野プレイス」です。
武蔵境駅から徒歩1分と便利な場所にあるこちらは、白壁と楕円形のガラス窓が埋め込まれ、まるで美術館のような装い。
図書館を軸に、生涯学習支援や市民活動支援、青少年活動支援と4つの機能を備えた複合施設で、建物のなかには、メインとなる図書エリアのほかに、児童図書、ティーンズライブラリー、青少年が自由に過ごすことのできるエリアなど、子ども向けの機能が充実しています。
なかでもめずらしいのが、地下2階フロアのほとんどが青少年のために使われていること。
満19歳以下の青少年だけが青少年活動エリアに入ることを許されています。
エリアの1つであるスタジオラウンジでは、おしゃべりをしたり、飲食をしたり、思い思いに過ごすことができます。
オープンスタジオでは卓球やボルダリング、サウンドスタジオでは、バンドや楽器、歌唱練習を、お菓子作りなどのものづくりができるクラフトスタジオまで、子どもたちの「やってみたい!」を実現できる環境が揃っています。
2階の「こどもライブラリー」に乳幼児から小学校高学年までを対象にした約4万冊の蔵書があり、同じ空間で、パパやママも読書を楽しめるように、料理や住まいなど、暮らしに関連する書籍が近くに設置されています。
お子さんに人気のスペース「おはなしのへや」では、子どもたちが靴を脱いで、くつろいだ姿で自由に本を読めます。
1階のエントランスから入ってすぐ目の前には、カフェとマガジンラウンジがあります。壁一面に約600タイトルの雑誌と約30紙の新聞をそろえてあり、本をカフェに持ち込み、ゆっくりとコーヒーを飲みながらくつろぎの読書時間を過ごすことができます。
キッズボイス
「イベントで、トランプを使った手品を教えてもらったよ!」
ママボイス
「カフェのメニューにはキッズメニューやデザートもあって、親子で利用できる。
ピスタチオアイスクリームや自家製プリンもおいしい!」
【INFORMATION】
武蔵野プレイス
https://www.musashino.or.jp/place/index.html
18:00~ QuOLaの庭〜空と大地の恵みとBBQ〜 ~食べる~
帰りは、武蔵野プレイスから線路反対側の武蔵境駅北口から歩いて1分のビルにある「QuOLaの庭〜空と大地の恵みとBBQ〜」で、気軽にBBQを楽しみましょう。
屋上にあるBBQスペースは開放的で、日の沈む時間に訪れれば、夕日を眺めながらゆったりと食事を楽しむことができます。
3つのBBQプランから好きなメニューを選んで、テントを貸し切り、用意されたBBQセットでBBQを楽しむスタイル。間接照明が、非日常気分をぐっと盛り上げてくれます。
椅子ではなく、カーペットに直接座って食事を楽しむスタイルなので、子どもも制限されることなく自由に過ごせます。
パパやママも食事中の注意が減り、リラックスして食事を楽しむことができるでしょう。
気軽なBBQからキャンプ道具を使った本格的なBBQまで、それぞれの趣向にあったBBQプランを選ぶことができます。
おすすめは、アウトドア機材込みの「アウトドア体験プラン」。
ホットサンドメーカーを使用し、ピザサンドを作ったり、メスティンでご飯を炊いたり、燻製チップ&スモーカーを使って、燻製豚バラブロックをつくったりするなど、「キャンプ道具がないとできない、でも一度はやってみたかった!」のキャンプ料理を体験できます。
レシピつきだから安心。ドリンクバーがついているのもうれしいポイントです。
ワイワイ家族で、BBQをたのしみましょう!
キッズボイス
「ポップコーンと大きなマシュマロ串があってうれしかった。」
ママボイス
「食材が用意されていて、レシピどおりにやるだけなのに、おいしくできて大満足!」
【INFORMATION】
QuOLaの庭〜空と大地の恵みとBBQ〜
https://quola-bbq.com/
住みよさランキングでは常に上位にランクインする武蔵野市。
武蔵野市が積極的に街づくりを行っているので、周辺には家族そろって楽しめる場所がいっぱい!
ぜひ、お子さんと一緒に施設を訪れ、見て、触れて、話しあう、楽しい学びの時間を作ってみてください。
取材・文/加賀美明子(Neem Tree)