「台所育児」のコツ・やり方は? 料理で子どもの成長を促そう!
「台所育児」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
台所育児を通じて子どもが料理に触れることで、さまざまな良い効果が得られます。
小さな子どもにお手伝いをさせるのは、少し不安があったり手間を感じたりしてしまうかもしれません。
しかし、台所育児で得られる学びは子どもにとっても親にとっても多いもの。
長い夏休みを利用して、わが子にキッチンデビューの機会をぜひ与えてみてください。
台所育児の内容と目的
台所育児とは、大人と一緒に子どもを台所に立たせて、調理に関わらせる育児方法です。単純に子どもに料理のやり方を身につけさせるだけでなく「調理工程で成功体験を与える」、さらにそこから生まれる「自信や自己肯定感、自立心を育む」、「食への関心を強める」といった目的があります。
また、手指を使わせることで脳への刺激を与えたり、自分の嫌いな食材を調理することで好き嫌いを克服できたり。他にも、「親子のコミュニケーションを育める」といったメリットもあります。
このように台所育児は子どもの可能性を引き出す、さまざまな効果が期待できるものです。
【年齢別】台所育児で子どもにお願いしたいお手伝いポイント
「いざ!台所育児を始めてみよう」と思っても、子どもの年齢によってできることは違うもの。わが子には何から始めさせれば良いのか、迷ってしまいますよね。
大切なのは工程を急がず、子どもにできる範囲でのんびりやらせてあげることです。
子どもの年齢別におすすめの台所育児の内容をまとめたので、ぜひ、台所育児で迷った際は参考にしてください。
まだまだ準備期間 0〜1歳
- 安全な調理器具や野菜に触れる
- スーパーのお買い物に連れて行く
- パパ・ママの料理風景を見せる
何でもすぐに口に入れたがるので、とりあえず切ったきゅうりを持たせています。(8か月・4歳のママ)
ベビーゲートにしがみつきながら、じーっと料理中の私を見つめています。何か学んでくれてるのかな?(10か月のママ)
0〜1歳は台所育児の準備期間。調理に関わらせる、というよりは「料理は身近なもの」と感じてもらいましょう。
本格的な台所育児開始!1歳〜2歳
- 食材をちぎる・割く・皮を剥く
- 野菜のヘタ取り
- こねる・まぜる
サラダ作りをお手伝いしてもらうことがあります。
毎回はちゃめちゃにレタスをちぎられてしまいますが...(笑)
子供が楽しんでいるので、家族で美味しく食べています。(2歳・4歳のママ)
卵ごはん用の卵を小皿で混ぜるとき、娘がやりたがったので試しにやらせてみたら...あちこちに飛ばして大惨事に。大きな器を用意しても良かったかな。(1歳半のパパ)
失敗して散らかったりこぼしたりしても良いように、周りに新聞紙を敷く・こぼしにくい大きな器で調理をさせるといった対策を取っておくと、パパ・ママのストレスも軽減できます。
調理器具も使える!2〜6歳
- ゆで卵のカラを剥く・卵を割る
- 盛り付け
- 野菜を切る
誕生日に子ども用包丁をプレゼントしてから、野菜のカットは5歳の娘のお仕事になりました。(2歳・5歳のママ)
お菓子作りの際にはケーキ屋さんごっこの延長で、デコレーションをさせることがあります。意外にセンスが良くてびっくり!(6歳のママ)
2〜6歳になると手先が器用になってくるため、食材のカット工程にチャレンジさせることもできます。
包丁だけでなくハサミやエッグスライサーもオススメです。
子供用の包丁を用意する場合は、手が届かないところにしまって、パパ・ママの目が行き届かないうちに取り出さないよう、注意をしましょう。
年齢に応じて、お米をとぐ、ご飯をよそう、食器を洗うこともできるように。
できることが増えると、ますますお手伝いを好きになってくれます。
大人と同じことができるように!6〜12歳
- 焼く・煮るの調理工程
- 電子レンジを使える
- ひとりで料理を完結させる
おにぎり作りにチャレンジさせてみました。きれいな三角にはならなかったけど、ノリも巻いて具もたっぷりで、おいしかったです。(1歳・5歳・7歳のパパ)
「ヒカキン」さんが動画で作ってた、電子レンジとアイスと卵でできるプリンに、息子がチャレンジしていました。意外なところから料理を学んでいて驚きです(笑)。(4歳・9歳のママ)
火を使った料理のデビューは目玉焼きだったと思います。失敗が少なく、どうしたってまずくはならないので、子どもの初料理におすすめ。(5歳・12歳のママ)
小学生になると、段取りや工程のある作業ができ、ひとりで料理を完結させられます。高学年になると、煮物料理や焼き料理など、大人顔負けの料理を作れる場合も。
とは言っても、最初のうちは簡単なものから始めたほうがベター。おにぎりや目玉焼き、電子レンジを使うだけの簡単調理などから、チャレンジさせてみましょう。
台所育児のポイント
子どものお手伝いは、いつでも問題なく進むとは限りません。失敗したりイライラしたりするのは当たり前のことですが、それでも、トラブルを起こさずなるべく気持ちよく終わらせたいものです。
そこで台所育児をスムーズに行う上で、気をつけておきたいポイントについてまとめました。
パパ・ママは見守り担当
台所育児の際に、つい子どものやることに口出しをしたくなったり、イライラしてしまったりすることもあるでしょう。
せっかくお手伝いをしているのに、パパ・ママにあれこれ言われてしまっては、子どもの料理への関心も離れてしまうかも。
基本的にパパ・ママは見守りに徹して、子どものやりたいようにやらせてみましょう。うまくできなくても、やりきった際には褒めてあげることが大切です。
心に余裕を持つ
笑顔で台所育児をするのが難しいパパ・ママもいることでしょう。 心の余裕があるときに台所育児を実践して、失敗しても良いように準備をしておくのがおすすめ。
キッチンではなく広々としたダイニングテーブルを使い、あちこち汚さないように密閉ビニール袋でできる調理を取り入れるなど、自分の心のバランスを保てる工夫をしてみましょう。
子どもの集中力が途切れたら、さっと終了させるのも、パパ・ママのストレスをためない上で大事なポイントです。
事故やケガに気をつける
台所育児では、子どもの安全にも気を配る必要があります。キッチンは火や刃物があり、事故やケガに繋がる場所です。危険なものに手を伸ばさないようにするには、親子のコミュニケーションが大切。
「今からママ、火を使うよ。やけどをすると痛くなるから、絶対に手を出さないでね」「パパが包丁を使って野菜を切るよ。どうすればきれいに切れるか、じっと見ててね」など、子どもに予想外の動きをさせないよう、子どもの注意をひきつける声かけをすると良いでしょう。
台所育児は、パパ・ママも子どもも、料理を楽しむことが大切です。一緒に笑顔で作る料理はいつもの何倍もおいしいもの。
ぜひ台所育児を取り入れて、コミュニケーションを取りながら、わが子の自立心や自己肯定感を育んでいきましょう。
取材・文/たまちっぷす編集部 遠藤舞衣