


実は今、注目の移住先!?多摩地域が選ばれるワケ
コロナ禍以降、リモートワークの普及や価値観の変化により、「暮らしやすさ」を求めて都心を離れる人が増えています。郊外や自然の多い地域への関心が高まるなかで、静かに注目を集めているのが"多摩地域"。
「仕事は都心、暮らしは緑のある場所で...」。
そんな新しいライフスタイルを叶えられる場所として、多摩地域への移住を選ぶ人がじわじわと増えているのです。
なぜ今、多摩地域なのか? その背景にある理由、実際に移住した人の声をもとに、その魅力を探ります。
データや調査で見る!多摩地域の人気上昇
2023年、NPO法人「ふるさと回帰支援センター」が実施した「移住希望地ランキング」では、東京都が初めて14位にランクイン。中でも注目を集めているのが、多摩地域です。
青梅市やあきる野市など、自然に囲まれたエリアは、都心からのアクセスも良好で「都市と田舎のいいとこ取りができる場所」として、30〜40代の子育て世帯を中心に、人気が高まっています。
東京都が設置した移住相談窓口には、毎月50〜60件もの相談が寄せられており、多摩地域への移住を検討する声が年々増加。「都心に通勤しながら、自然に囲まれた暮らしがしたい」というニーズに、多摩地域はぴったりとマッチしています。
また、リクルート「SUUMO住みたい街(駅)ランキング2025 首都圏版」では、吉祥寺(3位)、立川(15位)といった中央線沿線の多摩地域の駅がランクイン。
とりわけ立川駅は、前回22位から15位へと大きくランクアップ。幅広い世代から支持を集める注目のエリアとなっています。
多摩地域が人気の理由は?
多摩地域が「住みたい場所」として注目されているのは、暮らしの中で大事にしたいものが、ちょうどよくそろっているから。都会すぎず、田舎すぎず。便利さも自然も、子育ても、自分の時間も、全部、あきらめなくていい。ここでは、多摩地域が選ばれる理由を5つの視点からご紹介します。
1. 自然と都市機能の絶妙なバランス
高尾山、多摩川、広々とした公園。多摩地域には、都心では味わえない"自然と共にある暮らし"が広がっています。朝の散歩や子どもとの虫とり、季節の移ろいを感じる週末。そんな時間が、当たり前になる日常です。
とはいえ、買い物や外食、通院に不便さはありません。大型商業施設もそろっていて、「自然は豊か、でも生活に困らない」、そんな暮らしが実現できます。
2.子育て支援や教育環境の充実
自治体によっては、待機児童ゼロを実現している自治体もあり、保育料の補助や各種子育て支援が手厚いのも魅力。さらに、私立・国立大学や専門学校も豊富で、子どもの学びの選択肢も広がります。
3.コスパの良い住まい
同じ価格でも、都心に比べて広い間取りや庭付きの住宅が手に入りやすいのが多摩地域の強み。ファミリー向けの物件も多く、生活空間にゆとりを持てることが、移住の大きな決め手となっています。
4.通勤アクセスの良さ
JR中央線、京王線、西武線などの主要路線が都心までスムーズにつながっており、通勤・通学の利便性が高い。テレワークと出社を組み合わせた働き方にもフィットする、距離感がちょうどいいのです。
5.地域コミュニティが活発
マルシェやワークショップ、地域イベントなどが盛んで、住民同士のつながりを感じやすいのも多摩地域ならでは。移住してきた人でもすぐに地域に馴染みやすく、「人のあたたかさ」に魅力を感じる声も多く聞かれます。
◆ほかにもこんなメリットが
畑が近く新鮮野菜が手に入る
多摩地域は都市近郊にありながら、農地が点在しているのも魅力。直売所やマルシェでは、朝採れの野菜をその日のうちに買えることも珍しくありません。旬の野菜や果物が手頃な価格で並び、「生産者の顔が見える食卓」は、ここではあたりまえの風景です。
暮らしのすぐそばに、四季や文化がある
高尾山の紅葉、玉川上水の桜、地元のお祭りやアートイベント。都心部では遠く感じてしまう"季節や文化"との距離が、多摩地域ではぐっと近くなります。
"郊外=車が必須"という常識が変わる
都心直結の鉄道路線や、きめ細かいバス網が張り巡らされている多摩地域。駅前で生活が完結するエリアも多く、車なしで快適に暮らせるのは大きな特長です。
実際に移住した人のリアルボイス
実際に多摩地域へ移住した方は、どんな理由で、どんな暮らしを手に入れたのでしょうか?
ここでは、4組のご家族のリアルな声をご紹介します。
23区から国分寺市へ移住した 新米パパさんの場合
Q. どこからどこへ移住してきましたか?
東京23区から、国分寺市へ引っ越しました。
Q. 多摩地域に移住した理由は?
第一子が生まれたことで、それまで住んでいた家が手狭に感じられるようになり、家族でのびのび暮らせる場所を探し始めました。
自然が豊かで子育てしやすい環境を求めていたこと、そして自分自身が多摩地域出身だったこともあり、暮らしのイメージがしやすく、自然と国分寺という選択肢にたどり着きました。
Q. 実際に暮らしてみてどうですか?
なにより、都会の雑踏から解放された感覚が大きいです。街の雰囲気も落ち着いていて、子どもと一緒に過ごす時間がより豊かになりました。日常の中で緑を感じられることが、思った以上に心地よく、今の暮らしにとても満足しています。
出産を機に地元・多摩市に戻ってきた T.Nさんの場合
Q. どこからどこへ移住してきましたか?
神奈川県横浜市の賃貸マンションから、生まれ育った多摩市へUターンしました。
Q. 多摩地域に移住した理由は?
第一子の出産をきっかけに「子育てするなら、もっと自然があって落ち着いた場所がいい」と感じるようになりました。
自分自身が多摩市で育ったこともあり、土地勘や安心感があったことも後押しに。
実家も近く、いざというときに頼れる環境があるのも大きな決め手でした。
Q. 実際に暮らしてみてどうですか?
子育て支援が充実していて、公園も多く、毎日の生活に余裕ができました。
子どもと一緒に自然の中を散歩したり、地域の子育てイベントに参加したりと、"人とのつながり"も感じられるように。
「ただ帰ってきた」というより、"今の自分たちの暮らしにぴったりな場所に戻ってきた"という感覚があります。
23区から狛江市へ移住した S.Sさんの場合
Q. どこからどこへ移住してきましたか?
東京23区の賃貸マンションから、狛江市に戸建てを購入して移住しました。
Q. 多摩地域に移住した理由は?
子どもが4人になり、今の家ではスペースが限界に。 部屋数や収納、庭付きの家などの希望を叶えようとすると、都心ではどうしても予算オーバーでした。その点、狛江市なら広さと価格のバランスがとれていて、学校や公園も多く、子育て環境としても安心。通勤にも無理がなかったので、思い切って家を購入しました。
Q. 実際に暮らしてみてどうですか?
子どもたちはそれぞれに自分の部屋が持てて、家の中でもケンカが減りました(笑)。近くの公園や図書館、児童館などが充実していて、日々の子育てにもゆとりができたと感じています。周りにも子育て中の家庭が多く、ちょっとした情報交換や助け合いも自然に生まれています。家族みんなが伸び伸び暮らせる場所に出会えて、本当に良かったと思っています。
就職を機に国分寺市へ移住した ふみふみさんの場合
Q. どこからどこへ移住してきましたか?
埼玉県から国分寺市へ移住しました。その後、東村山市へ転居して今に至ります。
Q. 多摩地域に移住した理由は?
就職を機に一人暮らしするにあたって、通勤しやすい国分寺を選びました。
その後結婚して自宅を購入する際には、やはり多摩地域が良いと思い、東村山市に自宅を購入しました。
Q. 実際に暮らしてみてどうですか?
思っていたよりも自然が多いことに驚きました。また、同じ多摩地域とはいっても、国分寺と東村山では、それぞれに特徴があります。街ごとに文化・表情があるので、新たな発見もあり、住んでいて楽しいです。
働き方や暮らし方が多様になるいま、「職場の近くに住む」ことだけが正解ではなくなってきました。自然に癒されながら、子どもをのびのび育て、生活の利便性も手放さない。そんなバランスのとれた暮らしを、無理なく実現できるのが、多摩地域です。
広さ、安心、地域のあたたかさ。日常にゆとりを生む"ちょうどいい暮らし"を求めて、いま、多摩地域を選ぶ人たちが増えています。
「何を大切にしたいか」を考えたとき、その答えのひとつとして、"多摩地域"という選択肢を、心に留めてみてはいかがでしょうか。
【関連記事】
▼「子育てがしやすい街」はどこ?子育てに関わる4項目で多摩地域をランキング!
https://tama-tips.jp/living/blog/16.html
▼住んでいる人ならわかる!多摩地域あるある
https://tama-tips.jp/area/blog/7.html
文/羽田朋美(Neem Tree)