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鍵っ子デビュー、何歳からが正解?

 

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子どもに鍵を持たせるときに考えたい「3つの基準」

「うちの子、そろそろ鍵を持たせたほうがいいのかな......?」

共働きや放課後の過ごし方が多様化する中、鍵っ子デビューに悩む家庭は少なくありません。
子どもにとっては自立の一歩。でも、防犯の心配や「まだ早いかも」という不安もあるものです。

年齢だけで決められないこの問題に、どう向き合えばいいのか。

この記事では、鍵っ子デビューの平均年齢を参考に、判断のヒントとなる「自立・安全・親子のルール」3つの視点や、先輩パパママたちの声をご紹介します。

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みんないつ鍵っ子デビューしている?

鍵っ子デビューのタイミングは、本当に家庭それぞれ。
でも、ほかの家庭の様子を知ることで、「うちはどうしよう?」と考えるヒントにもなりますよね。美和ロック株式会社が2020年に行った調査では、小学生の鍵の持たせ方について、気になるデータが出ています。

子どもに自宅の鍵を持たせているかどうか

「いつも持たせている」と「ときどき持たせている」を合わせると、約6割(58.1%)の小学生が自宅の鍵を持っているという結果に。

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学年別の鍵の保有の割合は?

学年が上がるにつれて、鍵を「いつも持たせている」割合が増加。小学1年生では約3割だったのが、6年生では5割を超える結果に。一方で、「持たせていない」家庭は学年が上がるほど減少しており、子どもの成長とともに鍵っ子デビューを検討する家庭が多いことがわかりました。

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子どもの鍵っ子デビューは?

「初めてお子さんに鍵を持たせたのは何歳のときですか?」という問いに対し、261人の回答を集計した結果、平均年齢は7.5歳という結果になりました。ちょうど小学校に入学するタイミングと重なることから、低学年のうちに鍵っ子デビューする家庭が多いことがうかがえます。

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"鍵を持たせてもOKな子"の条件とは?見極めのポイント整理!

鍵を持たせるかどうかは、年齢だけでは決められません。子どもの性格や生活環境、親子間のルールなど、複数の視点からの判断が大切です。ここでは、「自立」「安全」「親子のルール」という3つの視点から、鍵っ子デビュー前に確認しておきたいポイントをまとめました。

①自立の視点|「ひとりの時間」に対応できるか?

日中、どれくらいの時間をひとりで過ごす?

親の帰宅が早く、ひとりになる時間がほとんどないなら、毎日鍵を持たせる必要はない場合も。
まずは生活スタイルに照らして、「鍵が必要かどうか」から考えましょう。「いつ必要か」を親が見極めることが、無理のない自立の支えになります。

子どもの性格や責任感は、鍵を託せるかどうかの指標に

約束を守れるか、忘れ物が多くないか、慎重な行動ができるか。そんな子どもの性格や行動パターンも、判断の手がかりになります。
鍵は道具であると同時に、「信じて任せる」ことで親子の信頼関係を育てるきっかけにもなります。

②安全の視点|「鍵まわりの環境」にリスクはないか?

住まいの条件に合った注意点を確認

マンションならオートロックの有無、戸建てなら玄関まわりの見通しや照明の明るさなど、住まいの構造や立地によって防犯上の注意点は異なります。それぞれの環境に合わせて、どんな点に気をつけるべきかを考えておくことが大切です。

鍵の扱いに注意できる?

外で鍵を見せない・取り出さない、使い終えたらすぐしまう――そんな基本的な行動ができるかも、防犯面では大切なチェック項目です。周囲の状況に目を配る意識も、少しずつ育てていきたい力です。

③親子のルール|「どう使うか」を共有できているか?

使い方のルールを一緒に確認

「鍵は人前で見せない」「使い終わったらすぐしまう」「他人には預けない」など、使い方のルールはあらかじめしっかり話し合っておきましょう。大切なのは、子どもが"やらされるのではなく、自分で考えて行動できるように伝えることです。

トラブル時の対応を決めておく

鍵をなくしたとき、開かなくなったとき、帰宅時間に親が不在だったときなど、想定できるトラブルへの対応も、子どもと一緒に確認しておくと、いざというときも安心です。

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これで安心!「鍵っ子デビュー」の防犯テク&紛失対策

「落とさないかな...」「ちゃんとしまえるかな...」初めて子どもに鍵を持たせるとき、親の頭をよぎるのはそんな不安ばかり。でも、ちょっとした工夫でグッと安心度が上がります。

防犯テク|「見せない・狙わせない」が基本!

1.鍵・キーケースの存在を外から悟られないようにする

ランドセルの肩ベルトのDカンにキーケースをぶら下げたり、ネックストラップやリール付きの鍵が見えていたり......
こうした〝鍵を持っているのが一目でわかる状態〟は、防犯上とても危険です。鍵の存在を他人に気づかれないよう、ランドセルの内ポケットやファスナー付きの見えない場所に収納するのが基本です。

2.玄関の手前で鍵を準備、"立ち止まらない入室"を習慣に

鍵を玄関前でモタモタ探すのは防犯上NG。家の少し手前でカバンから鍵を出し、立ち止まらずサッと開けて中へ入る練習を、親子でリハーサルしておくと安心です。

<親子でやっておくと安心!>

・登下校のルートで「どのタイミングで出すか」「どこで開けるか」を一緒に練習
・鍵を出す→開ける→しまう、までをワンセットの動作として体に覚えさせる
・モタついたときの「やり直し方」もシミュレーションしておく

3.「誰かに見られているかもしれない」意識を育てる

鍵を使うときは無防備になりがち。周囲に人がいないか、後ろに誰かいないかをサッと確認する習慣づけは、防犯の基本です。子どもに「鍵を出す前に、1回まわりを見てみようね」と伝えるだけでも意識が変わります。

紛失防止テク|「落とさない・忘れない・あわてない」を習慣に

1.ランドセルの内ポケットに伸びるキーチェーン付きキーケースを設置!

ランドセルの内側に固定しておけば、外から見えず防犯面も安心。鍵はチェーンでつながっているので落とす心配がなく、玄関前で手を離してもスルッと伸びて、スムーズに開け閉めできます。

2.鍵は使ったら"すぐしまう"を習慣に!

鍵を開けたあと、そのまま手に持っていたりポケットに入れっぱなしにすると、落としたり置き忘れたりする原因に。玄関を閉めたら、その場でランドセルやキーケースに戻すワンアクションをクセにするのが紛失防止のコツです。「鍵の居場所はここ!」と決めておくと、子どもも安心して行動できます。

3.鍵は1本だけ!スペアキーは持たせない

「もしものために」と複数の鍵を持たせるのは、実は逆効果。失くしたときのリスクも倍になります。子どもに持たせるのは1本だけ。スペアキーは親が別で管理するのが基本です。万が一の紛失時に備えて、親が持っておくのはもちろん、近くに住む祖父母や、信頼できるご近所さんに預けておくのも安心材料に。「鍵をなくしたらここへ行く」というルールも合わせて伝えておくとより安心です。

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持たせた派&まだ派先輩パパママのリアルボイス

気になる鍵っ子デビューのタイミング。
実際に鍵を持たせた家庭、まだ様子を見ている家庭、それぞれのリアルな声を集めました。判断に迷ったときの参考にしてくださいね。

持たせた派の声

時短勤務が終わり、鍵っ子デビューを決断

私の時短勤務が終わって、ひとりで習い事に行く日が増えた小2のときに持たせることにした。最初は不安だったが、学校では出さない・触らない、鍵はランドセルの内ポケットに固定しておくなど、鍵のルールを一緒に決めてからはきちんと守ってくれていて、成長を感じている。(小4・小1のママ)

3年生で"学童卒業"を機に

学童をやめたタイミングで、自然と鍵っ子に。使い方は何度もシミュレーション。また、GPS機能搭載のスマートタグをつけたので安心だった。(中1・小5のママ)

慎重な性格なので思い切って持たせてみた

"絶対なくさない!"という本人の気持ちも強かったので、小4のときに持たせた。親のほうが心配性だったかも...(笑)。(小5のパパ)

まだ派の声

小5だけど、まだ不安が勝っている

うちの子は注意力が散漫なタイプ。忘れ物が多く、カバンの中もぐちゃぐちゃになってるので、もう少し"整理する力"がついてからにしようと思っている。(小5・小1のママ)

祖父母が近くにいるので、もう少し先にする予定

両親の帰りが遅いときは、近くに住む祖父母の家に行って過ごしている。今すぐ鍵を持たせなくても大丈夫かなと感じていて、本人もまだ"自分で鍵を持つのは怖い"と言っている。(小3・5歳のママ)

"たまり場化"の話を聞いて、うちも慎重に

知り合いの家庭では、鍵を持たせたら親のいない家が友だちのたまり場になってしまった......という話も聞いたので、もう少し慎重にタイミングを考えたい。(小3のママ)


鍵を持たせるのって、ちょっとドキドキしますよね。でも、それは子どもがひとつ成長するチャンスでもあります。不安もあるけれど、親子で決めたルールは、ちゃんと子どもの中に根づいていきます。大切なのは、「持たせるかどうか」より、「どう見守っていくか」。それぞれの家庭に合ったタイミングで、少しずつ進めば大丈夫です。

文/羽田朋美(Neem Tree)

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