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"ひとりでお泊まり"デビューはいつから?

 

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親が知っておきたい判断ポイント

「〇〇ちゃんの家に泊まりたい!」
ある日突然、お子さんのそんな言葉に戸惑った経験はありませんか?
"親なしお泊まり"は、子どもにとって大きな成長の一歩。でも、「行かせて大丈夫?」「まだ早いかな?」と迷う保護者も多いはず。
実際、お泊まりデビューの時期は、その子次第で異なります。何より、大切なのは、子どもの「やってみたい」気持ちを大切にすることと、親の見守り方です。
そこで今回は、デビューの目安や判断ポイント、リアルな体験談を交えて、お泊まりデビューのヒントをお届けします。

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初めてのお泊まり、どう判断する?

「何歳からお泊まりしていいの?」と気になりますが、実は年齢だけで判断するのは難しいところ。お泊まりデビューのタイミングは、子どもの性格や経験値、そのときの気持ちによっても大きく変わります。

例えば----

・普段は甘えん坊でも、「泊まりたい!」という気持ちが強い
・逆に年齢は上でも、不安が強く「行きたくない」と感じている

こんなとき、大人の「〇歳だから行けるはず」という思い込みはNG。大切なのは、子ども自身の"準備ができているか"です。

心配になる気持ちは親として当然ですが、「失敗したらどうしよう」「夜泣いたら迎えに行けるかな」といった不安ばかりを子どもに伝えると、チャレンジする気持ちをそいでしまうことも。
だからこそ、親ができるのは

・子どもの「やってみたい」を尊重すること
・困ったときの対応を一緒に考えておくこと
・「大丈夫、応援してるよ」と見守る姿勢を持つこと

お泊まりは、自立への小さな一歩。焦らず、タイミングを見極めながらサポートしていきましょう。

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何歳からひとりでお泊まりに行ける? 〜年齢ごとの目安〜

お泊まりデビューの時期は、子どもの性格や家庭によってさまざま。でも、「みんないつ頃から?」と気になるのが親心ですよね。ここでは、年齢ごとの傾向と注意点をわかりやすくまとめました。

●保育園〜年長:まずは身近な大人とのお泊まりから

・初めてのお泊まりは、気心の知れた祖父母や親戚の家が安心
・子どもにとっても"よく知っている大人"の存在が心のよりどころに
・親にとっても、生活環境や価値観がある程度わかっている相手だと預けやすい

→いきなり宿泊ではなく、日帰りで遊びに行き"その家で過ごすこと"に慣れるのがおすすめです。

●小1〜2:友達の家や短期イベントでのお泊まりに挑戦

・仲の良い友達の家に泊まる経験をする子も出てくる時期
・地域のキャンプや習い事の合宿など、1泊程度のイベントを通じて"親なしの外泊"に挑戦することも
・初めての場所・人との宿泊には不安もあるため、身の回りのことを自分でできるかが大切

→「歯みがき・着替え・トイレ」など、基本的な生活スキルを事前に確認しておきましょう。

●小3〜5:学校行事を通じて"集団での宿泊"を経験

・学校の林間学校や自然体験教室など、宿泊をともなう行事が増えてくる時期
・「みんなと一緒」という安心感が心の支えになり、自信につながることも
・ただし、これまでにお泊まり経験が少ない子は、不安や緊張を感じやすい

→行事の前に、祖父母や友達の家で一泊してみるなど、"親なしで眠る経験"を少しずつ積んでおくのがおすすめです

●小6〜中学生:自分の意思で外泊を選び始める段階へ

・「行ってみたい」「泊まりたい」と、自分の意思で計画しようとする子も多くなる
・家族以外との時間や空間を持つことが、よい刺激や成長のきっかけに
・とはいえ、初めての外泊には不安が残る場合もあり、「年齢的に平気なはず」と決めつけないことが大切

→不安が強いようなら、いきなり宿泊ではなく、数時間の滞在や兄弟と一緒に外泊するなど、ハードルを少し下げた形からスタートするのも◎。本人のペースを尊重しつつ、自立への一歩を応援していきましょう。

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初めてのお泊まり前に親子で確認しておきたいこと

お泊まりデビューを安心して迎えるためには、事前の準備がとても大切。とくに低学年や初めての外泊の場合、ちょっとしたトラブルが子どもにとって大きなストレスになることもあります。出発前に、親子で以下のポイントをしっかり確認しておきましょう。

1.お友達のお家に泊まるときは信頼関係を大切に

どんなに仲のいいお友達同士でも、お泊まりとなると親も少し緊張するもの。だからこそ、事前に軽くやりとりをしておくと、お互いに安心して送り出し・受け入れができるようになります。

  • 親同士でLINEや電話で「よろしくお願いします」とひと言交わす
  • アレルギーの有無、苦手な食べ物、寝る時間やお風呂の習慣などを簡単に伝えておく
  • 持ち物の確認や、「夜泣きすることがあるかも」といった情報も共有しておくと安心

こうしたやりとりは、トラブルを防ぐだけでなく、「お世話になります」「どうぞご無理なく」という気持ちを伝える場にもなります。丁寧なコミュニケーションが、信頼関係を築く第一歩になります。

2.生活スキルがあるか

お泊まりでは、自分のことを自分でこなす力が求められます。普段はできていることでも、慣れない環境では戸惑うこともあるため、事前の確認が大切です。

  • 歯みがきやトイレがひとりでできるか
  • パジャマへの着替えや寝る準備がスムーズにできるか
  • 翌朝の支度や荷物の整理が自分でできるか

家庭での練習や声かけを通じて、これらのスキルを確認しておくと安心です。「自分でできた!」という成功体験が、子どもの自信につながります。

3.トラブル時の対処を話し合っておく

どんなに楽しみにしていても、夜になって急に不安になったり、思いがけない出来事に戸惑ったりすることはあります。そんなときのために、事前に「困ったらどうする?」を一緒に話しておくと安心です。

  • 「夜、さみしくなったらどうする?」
  • 「イヤなことがあったら、誰に話せばいい?」

「大人に話していいんだよ」「必要なら電話してもいいよ」と、子どもが頼っていい選択肢を持てるように伝えておきましょう。小さな"もしも"に備えておくことで、子どもも落ち着いて過ごしやすくなります。

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みんなはどうだった?
初めてのお泊まりリアルボイス

実際にお泊まりデビューを経験したご家庭のエピソードをご紹介!

小学3年生のとき、友達の家に初めてお泊まりした。夜までは楽しく過ごしていたが、友達が寝てしまうと急に寂しくなってしまったという。そこで、友達のお母さんが本を読んでくれたところ、安心してすぐに眠れたらしい。家でも寝る前に本を読んでもらっていたため、安心できたのだろう。今では笑い話だ。(中3のママ)

小学1年生の夏休み、息子は初めて祖父母の家に一人で泊まった。『小学生になったから、一人で泊まれる!』と意気揚々と出かけていったが、夜中には『やっぱりおうちに帰りたいよ〜』とメソメソ。『このことはお母さんに言わないでね』と頼んでいたようだが、後日、母がこっそり教えてくれた。今年の夏はサッカー合宿に初参加の予定。がんばれ〜!(小3のママ)

小学3年生のときに参加した、2泊3日のアウトドア団体のスキー合宿。滞在中の様子が気になり、SNSに投稿される写真や情報を、夫婦でドキドキしながらチェックしていた。迎えに行くと、子どもは『やり切った!』と言わんばかりのドヤ顔。親も子も、ひと回り成長できたと感じた。(小5のパパ)

年中で祖父母宅に一泊。夜中に『帰りたい......』と泣いて電話がきたけれど、翌朝はケロッと笑顔で帰宅。泣くことも含めて、いい体験になった(小2のママ)

小1で友達の家に初めてお泊まり。親はドキドキ、でも子どもは『たのしかったー!』とあっけらかんと帰宅。成長できたのは、気になって眠れなかった私のほう?(小3・小1のママ)

人一倍繊細で不安が強かった息子にとっては、小5の移動教室は大きなチャレンジ。事前に友だちの家で一泊した経験が少しだけ自信につながったようで、当日も出発前は緊張していたものの現地では自分で寝る準備を整え、最後まで参加することができた。(小6のママ)


お泊まりデビューは、子どもにとって大きな成長のチャンス。でも、そのタイミングは一人ひとり違います。
うまくいった体験も、ちょっとつまずいた経験も、すべてが"自立への一歩"。大切なのは、まわりと比べて焦ることではなく、子どもの「泊まりたい」という気持ちを尊重し、その思いに寄り添うことです。
親子で準備を重ねながら踏み出した一歩は、きっとこれからの自信につながっていきます。
「その子らしいペースで、少しずつ」。そんな思いを大切に、お泊まりデビューを応援していきましょう。

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文/羽田朋美(Neem Tree)

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