楽しく通えて成長につながるのはどれ? 子どもの習い事選び
新年を迎え、新しいことに挑戦したくなる季節です。お子さんの習い事を検討しているご家庭も多いのではないでしょうか。学年が変わる 4 月はバタバタするので、この時期から調べて体験し、春休み前にはスタートできるといいですよね。
子どもの習い事といえば、生後 4 ヵ月から通えるベビースイミングから始まり、人気の高い体操や英会話、ピアノ、最近はプログラミングなど、さまざまなものがあります。子どもが楽しく通えて、自信や成長につながる習い事を選びたいものですが、親子で意見が合わなかったり、魅力的なものがいくつもあったりすると、悩んでしまいます。そこで今回は、習い事ランキングと期待できる効果をご紹介します。わが子にはどんな習い事がよいのか、さまざまな角度から検証してみましょう。
圧倒的人気は水泳!全身運動で心身の成長に効果的
学研教育総合研究所の調べによると、2020 年の小学 1〜6 年生全体での習い事トップ 10 は、以下の結果になりました。
1 位 水泳(26.7%)
2 位 学習塾(18.1%)
3 位 英語塾・英会話教室(16.9%)
4 位 通信教育(16.7%)
5 位 音楽教室(15.3%)
6 位 サッカー・フットサル(7.1%)
7 位 体操教室(6.5%)
8 位 書道(6.2%)
9 位 習字(6.0%)
10位 そろばん(5.8%)
2 位の学習塾に関しては高学年以降の増加が上位へのランクインに影響していますが、水泳に関しては、小学 1〜4 年生の間で 1 位という結果になっています。
水泳を選ぶ理由には、全身運動で体力がつき、水への抵抗がなくなることで海や川遊びでも役立つこと、水泳の授業に自信を持って参加できることなどがあります。適度なスポーツをする習慣は心身を健やかに保てるだけではなく、学習能力を向上させる効果も。文部科学省による小中学生の全国都道府県学力テストの結果と体力・運動能力の調査結果を重ねると、運動能力の高い子はテスト結果も良いという傾向が出ています。
書道と習字の両方がランクインしていますが、書道は筆と紙を使って自己表現するのに対し、習字は字を習うものという違いがあります。習字では筆だけではなく、鉛筆やペンなどの筆記具も使い、書き順や美しい文字を書く練習を行います。
◆学年別上位トップ 5
<小学 1 年生>
1 位 水泳(26.5%)
2 位 通信教育(14.5%)
3 位 音楽教室(14.5%)
4 位 英語塾・英会話教室(14.0%)
5 位 体操教室(7.5%)
<小学 2 年生>
1 位 水泳(36.5%)
2 位 英語塾・英会話教室(17.5%)
3 位 通信教育(16.0%)
4 位 音楽教室(15.5%)
5 位 学習塾(12.5%)
<小学 3 年生>
1 位 水泳(32.0%)
2 位 英語塾・英会話教室(22.5%)
3 位 音楽教室(19.0%)
4 位 学習塾(17.5%)
5 位 通信教育(16.5%)
<小学 4 年生>
1 位 水泳(31.5%)
2 位 英語塾・英会話教室(22.0%)
3 位 学習塾(19.5%)
4 位 通信教育(19.5%)
5 位 音楽教室(16.0%)
<小学 5 年生>
1 位 学習塾(26.0%)
2 位 水泳(20.0%)
3 位 通信教育(17.5%)
4 位 音楽教室(14.5%)
5 位 英語塾・英会話教室(13.0%)
<小学 6 年生>
1 位 学習塾(27.0%)
2 位 通信教育(16.0%)
3 位 水泳(13.5%)
4 位 英語塾・英会話教室(12.5%)
5 位 音楽教室(12.0%)
出典:2020 年「小学生白書 Web 版 習い事調査」学研教育総合研究所(Gakken)調べ
どんなメリットを感じる?習い事から得られるもの
スポーツ系、運動系、いずれの習い事もお金と時間がかかります。それにより得られた効果として、パパ&ママはどんなことを感じているのでしょうか。
<リアルパパママボイス>
「目標を持って取り組み、それらを達成できたときはうれしいですね。その経験は自信になるし、成功体験を積み重ねられるところが魅力です」(8 歳の女の子と 5 歳の男の子のママ)
「週に 3 日、サッカーを習って、学習面は通信講座をやらせています。友だちと遊ぶ時間を確保しながらも、スポーツと学習の両立ができるのがいいですね」(10 歳の男の子のママ)
「英会話スクールで外国人の先生と英語で会話をするのが楽しいようです。学校の英語の授業も楽しいようで、積極的に学ぶ姿勢が見られます」(9歳の女の子のママ)
「ピアノを習ったことで音感やリズム感が身につきました。発表会の経験をしたことで、大勢の前でも堂々とできるようになりました」(7 歳の女の子のママ)
ゲーム感覚でスキマ時間に楽しく学べるタブレット学習も人気あり
近頃の子どもたちは幼児期からタブレットやスマホ、ゲーム機に親しんでいます。コロナ禍になってからは特に、自宅時間が増えたことで、それらの時間は長くなっている傾向にあります。オンライン授業を導入する習い事もあり、遊びの延長で学べるタブレット学習型の通信教育にも人気が集まっています。
通信教育のメリットは好きな時間に学べるというのも大きく、水泳などのスポーツ系の習い事や音楽教室など、通いが必須の習い事と掛け持ちでも続けやすいというところも支持されています。2020 年から小学生のプログラミング学習が必修になったこともあり、プログラミングやロボット教室などの人気が高まっています。
ほかにも、ダンスや絵画、料理教室やボルダリングなど、多彩な体験を求め、専門性の高い習いごとも充実しています。まずは、近隣の通える範囲にどんな習い事の教室があるのかを探してみるとよいでしょう。
習い事を選ぶ際に大切にしたいポイント
習い事を決める際には、子どもがやる気を持って取り組める内容かどうかが最も大切です。ほかにも、通いやすい距離にあるか、曜日や時間はどうか、月謝、先生との相性などもしっかりと確認しておきましょう。子どものやる気を引き出し、親身になってくれる先生と出会えると、スキルや知識の習得以上の成果が得られることになります。スポーツ系の場合はチームメイトとの交流も大切になってきます。指導者として尊敬ができる人が、子どもの健やかな成長をサポートしているかどうか、事前説明会や体験会などを通じて、先生としっかりと話をして判断しましょう。
◆習い事選びで大切にしたいポイント
1. 子どもがやる気を持って取り組める内容や環境かどうか
2. 通いやすい距離、曜日、時間、月謝かどうか
3. 信頼できる先生かどうか
子どもが楽しく通えて、親もわが子の成長が感じられ、先生やお友達との信頼関係を育める習い事を選べば、生活にメリハリが生まれ、親子ともに充実感や達成感を得られます。人気ランキングを参考にしつつ、お子さんにぴったりの習い事を探してみましょう。
取材・文/今井美由紀(Neem Tree)