


おさがりってどう思う? 親と子、それぞれの本音とは
兄弟・姉妹がいる家庭では当たり前の「おさがり」。親としては「まだ使えるし、助かる!」と思う一方で、もらう側の子どもは「これ、お兄ちゃん(お姉ちゃん)が使ってたやつか......」と微妙な気持ちになることも。
洋服や学用品など、おさがりOKなもの・NGなものは家庭によってさまざま。きょうだいがいない場合は、誰かに譲る? フリマで売る? 捨てる?
今回は、そんな〝おさがり事情〟について、親と子のリアルな声を集めました。
おさがり、全部OKじゃない?
子どもが嫌がるモノ・気にしないモノ
子どもにとってのおさがりにも、「これは気にならない」「これはイヤだ」という〝境界線〟があるようです。どんなラインで分かれているのか、子どもたちの声とあわせてチェックしてみましょう!
洋服
おさがりでいちばん気になりやすいのが洋服。小さいうちは気にしなくても、大きくなると「お兄ちゃん(お姉ちゃん)の服はイヤ」「デザインが好きじゃない」「着心地が好きじゃない」と、こだわりが出てくることもあります。
特に、おさがりOKかNGかのラインは「人に見られるか」「自分で選んだかどうか」で分かれることが多いようです。制服やアウター、部屋着は気にしないけれど、普段着は新品がいいという子も少なくありません。
また、上の子との年齢が離れすぎていると、服の流行やサイズ感が今と合わず、「ちょっと古い」「なんかダサい」と感じてしまうことも。年齢が近いきょうだいの場合は、比較的スムーズにおさがりを受け入れやすいようです。
キッズボイス
お兄ちゃんだけじゃなくて、自分にも似合うものなら、もらえるとうれしい。Tシャツはかっこいいのが多いからうれしい。でも、古すぎたり、大きすぎたり、伸びすぎているのは欲しくない。(小5男子)
お母さんの友達の子どもが着ていたキャラクターの服をもらった。でも、もう流行っていないから、あんまり着たくないと思った。(小4女子)
お兄ちゃんの服は、ジーパンとかボーダーのロンTみたいに、女子でも着られるものだけをもらってる。(小6女子)
おもちゃ
おもちゃは、おさがりでもうれしいと感じる子が多いアイテム。特に、きょうだいからのおさがりだけでなく、友だちや知り合いの家からもらったおもちゃは「自分の知らないもの」「家にないもの」という特別感があって、むしろ喜ぶ子も少なくありません。
ただし、おさがりOKかNGかのラインは、「今の自分の年齢や好みに合っているかどうか」で分かれやすいようです。ブロックやパズル、カードゲームなど、長く遊べる定番のものは歓迎されやすい一方で、キャラクターものや流行りのおもちゃは、好みによって受け入れられないこともあるようです。
キッズボイス
いとこの家からもらったおもちゃは、自分のうちにないのが多いから、すごいうれしい。(小3男子)
キャラクターが赤ちゃんっぽいやつはちょっとイヤ。自分が好きなキャラのだったらうれしい!(小2女子)
親戚がもう使わないからってボードゲームをくれたときはうれしかった。今もよく遊んでる。(小4男子)
学用品
学用品のおさがりは、洋服ほど気にしない子が多いようです。特に体操服や水着など、学校指定のものは「みんな同じだから気にならない」という声もよく聞かれます。
おさがりOKかNGかのラインは、「みんなと同じものか」「自分の好みが出るものか」で分かれることが多いようです。筆箱や水筒、文房具など、自分で選びたいアイテムは新品がいいと感じる子も少なくありません。
キッズボイス
体操着は、短パンだったら紺色だから汚れも目立たないし、おさがりでも全然いいと思う。(小4男子)
お兄ちゃんの名前が書いてあったり、ちょっと汚れていたりするから、体操着は新しいのがいい!(小3男子)
文房具は自分の好きな色やデザインがいいから、おさがりは絶対にイヤ!(小4女子)
鍵盤ハーモニカ・リコーダー
学校で使う楽器も、おさがりにするか新品にするか迷うアイテムのひとつ。鍵盤ハーモニカやリコーダーは学校指定のものが多いため、「おさがりでも気にならない」という声がある一方で、「口をつけるものはちょっと......」「誰かが使っていたのは抵抗がある」という声も少なくありません。
おさがりOKかNGかのラインは、「口に直接ふれる部分があるかどうか」が分かれ目になりやすいところ。楽器本体は気にしないけれど、マウスピース(息を吹きこむところ)やリード(音を出すパーツ)というのは、親子ともに気にするポイントかもしれません。兄弟間でおさがりにする場合は、マウスピースやリード部分だけ新品に交換したり、しっかり洗浄したりする工夫をしている家庭も多いようです。
キッズボイス
口をつけるから、知らない人のはイヤ。でも、きょうだいのだったらいい。(小4女子)
お兄ちゃんのリコーダーをもらったけど、お父さんがきれいにしてくれたから、新品みたいだった。(小5男子)
鍵盤ハーモニカを弟にあげたけど、高学年でも使うことがあって、そのたびに弟の教室まで取りに行くのがめんどうだった。(中3男子)
裁縫箱・習字セット
裁縫箱や習字セットは、学校で必要になるタイミングで購入することが多いアイテム。最近はデザインやキャラクターの種類が豊富で、「自分で選びたい!」という子どもも多いようです。
おさがりOKかNGかのラインは、「自分の好みが出せるものかどうか」で分かれやすいところ。学校指定とはいえ、ケースのデザインや中身を選べることが多いため、新品がいいと思う子も少なくありません。
ただ、実用的なアイテムなので「家にあるもので十分」「必要なものだけ買い足す」で対応する家庭もあります。
キッズボイス
本当はドラゴンのデザインを注文したかったけど、お兄ちゃんの無地のやつをもらって使っている。(小4男子)
裁縫箱は、将来も使うからって、お姉ちゃんと違うものを買ってくれた。(小5女子)
ママパパ発!おさがり、わが家の場合
おさがりへの考え方は、家庭によってさまざま。「まだ使えるからどんどん回す派」もいれば、「子どもの気持ちを優先して新品派」という声も。ママパパたちに聞いたおさがりエピソードを紹介します。
おさがり前提で大切に使う
わが家は3きょうだい。赤ちゃんの頃から、使えるものはすべておさがりにまわしてきた。子どもたちもそのことがわかっているので、新品を買ってもらったときは、下の子に回ることを考えて、ていねいに使うようになった。末っ子は、フリマアプリで売ることを考えて、やはりていねいに使っている。(小6、小3、小1のママ)
スポーツ用品はおさがりがありがたい
スポーツ用品ってすぐサイズアウトするから、おさがりは助かる。野球のグローブやスパイクは上の子のお下がりをそのまま使わせている。慣れてきたら本人専用を買えばいいかなと。(中1・小4のパパ)
壊れないものは何年でも使ってほしい
上の子が小さいときに買った頑丈な学習机を、今は下の子が使っている。壊れてないものは何年でも使ってくれた方がうれしいし、物を大事にする感覚は持ってほしい。(高3・小5のパパ)
子どもが選んだものは長く使う
普段使いのリュックや習い事のバッグは、おさがりより自分で選んだものの方が大事にしている感じ。気に入ったものだとボロボロになるまで使いたがる。(小4のママ)
サイズが合えば何でもOK
うちは男女のきょうだいだけど、サイズが合えば色やデザインはあまり気にしないタイプ。パジャマや部屋着は特におさがりで十分っていう感じ。(小5・小2のママ)
消耗品はおさがりにしない
筆箱や上履き、肌着みたいに毎日ガンガン使うものはおさがりにしない方針。新品を使うとうれしそうだし、気分よく学校に行ってほしいから。(小4・小2のママ)
着倒すが前提
おさがりに回せそうなものは残すけれど、基本は着倒すのがわが家のスタイル。普段着やパジャマは遠慮なくたくさん着て、たくさん洗って、くたびれてきたら『よく頑張ったね』と処分。おさがりに回せるのは、きれいめな服やサイズアウトが早かったものくらい。(小3・5歳のママ)
きょうだいがいないのでフリマアプリや寄付
アウトドアブランドの服はよく売れるのでフリマアプリに出品。それ以外の服は、寄付すると途上国の子どもたちのワクチン代になる仕組みがあるので、そちらに寄付している。(小3のママ)
おさがりの考え方や使い方は、人それぞれ、家それぞれ。大事なのは、親も子どもも納得できること。新品でもおさがりでも、選んだものや受け継いだものを大切にする気持ちが育っていけば、それがいちばんうれしいことかもしれません。
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文/羽田朋美(Neem Tree)