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寄り添うことが大切!子どもの「5月病」

 

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新年度がスタートしてやっと新しい生活に慣れてきた頃、ゴールデンウィークが明けたとたんに急に憂鬱な気持ちになり、やる気が出なくなってしまうことがあります。かつては大人がなるイメージが強かったこの「5月病」の症状。最近では、就学前のお子さんや小学生にも見られることがあると言います。
「もしかして5月病?」と思ったとき、パパ・ママができることは何でしょう。

体の不調に現れることも!
子どもの5月病のサイン

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新学期を迎え、新しい環境に馴染もうと一生懸命に頑張ってきた子どもたち。
はじめて出会うお友達や先生たちと関わりながら、勉強や習い事にもたくさんのエネルギーを注いで毎日を過ごしてきたことでしょう。

そんなタイミングでゴールデンウィークを迎え、楽しい時間を満喫するうちに、それまで張り詰めていた気持ちがすっかりゆるみます。すると、休みが終わる頃には徐々に疲れが出てしまうようです。

もしお子さんに以下のような様子が見られたら、「5月病」のサインかもしれません。

✓いつもの元気がなく、表情が乏しい。
✓幼稚園や学校に行きたくない、と言う。
✓甘えん坊になったり、急にイライラしたり、情緒が不安定。
✓夜、眠れない、または朝起きられない様子がある。
✓食欲が湧かず、ご飯を食べたがらない。
✓いつもより口数が少なくなっている。
✓好きだったものに関心を示さない。
✓発熱、お腹が痛い、頭が痛い、などの体調不良が続く。

大人であれば、やる気が出なくても対処法を考えることができますが、幼い子どもたちは言葉にすることさえ難しい場合も。
いつもと違う様子が見られたら、パパ・ママができるだけ早めにそのサインに気づき、お子さんの心と体のケアを最優先してあげましょう。

「5月病」への対処法は?
おうちでできる子どものケア

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最近では、5月・6月に運動会を開催する学校も多く、運動会の練習の時間が増えることで疲労が積み重なっている場合があるようです。また、真面目な性格のお子さんほど、新しい環境になじもうと頑張りすぎた結果ストレスが溜まっていた、ということもあるでしょう。

お子さんが元気をなくしているとパパ・ママも慌ててしまうかもしれませんが、まずは落ち着いて子どもの気持ちに寄り添うことからはじめてみましょう。

「5月病」は正式な病名ではなく、5月のゴールデンウィーク明けから見られるやる気の減退や、疲労感などを指してそう呼ばれ、いわゆる病気未満の「未病」の状態です。早めに気づいて心と体のケアをしていけば、すぐに回復していくこともあります。

ここではおうちでもできる対処法を5つご紹介します。

1. 前向きな言葉をかけて寄り添う

「早く〇〇しなさい」や「もっとやる気を出して!」などの追い立てる言葉はかけず、
「大丈夫だよ」「無理をしないでね」などお子さんの気持ちに寄り添ってあげましょう。

2. 触れ合いの時間をたくさん取る

ふだんより一緒に遊ぶ時間を長くしたり、ぎゅっと抱きしめてあげるなど、触れ合いの時間を増やしましょう。
パパ・ママとのスキンシップが増えると、お子さんも安心感を感じ、リラックスできます。

3.体をいっしょに動かしてみる

お子さんといっしょに軽い運動をしてみましょう。体を動かすことで、落ち込んだ気分とさよならできることもあります。一緒に近所を散歩をしたり、楽しくダンスをするなどもおすすめ。
あまりハードな運動をすると疲れてしまうので、いっしょに楽しめる程度の軽い運動が良いでしょう。

4.子どもの言葉に耳を傾け、じっくり話をしてみる

お子さんたちも毎日の忙しさに疲れ、話したいことがたくさん溜まっているかもしれません。
何か悩み事がないか、困っていることがあるならどうすべきか、など、お話ししながらいっしょに考えてみましょう。
聞いてもらえるだけで元気になっていくこともあります。

5.のんびり過ごす時間を持つ

疲れているとなかなかやる気は出ないもの。
お子さんが元気を取り戻すまで、思い切って数日間お休みしてみるのもいいでしょう。
おうちでのんびり過ごすことで、心や体が休まり、どんどん元気が湧いてくるはず。

お子さんの「5月病」を経験した
パパ・ママのリアルボイス

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実際にお子さんに寄り添ったパパ・ママのリアルボイスも参考にしてみましょう。

息子はゴールデンウィーク明け、毎年必ず5月病のような状態に。新しい環境に慣れるまでに時間がかかるタイプなのでクラス替えがあった年は特に疲れが出る様子。でも2~3日休んでいるとだんだん暇になってきて学校に行きたくなる、というのが毎年のパターン。無理をかけず本人に寄り添うようにしている(小5のママ)

小1のゴールデンウィーク明けから娘が「学校に行きたくない」と話すようになった。当時、コロナ禍の影響で学校がほとんど休みだったことも影響したと思う。担任の先生にすぐ相談して毎日放課後に自宅に寄ってもらった。娘がだんだん先生を待つようになり、時間がかかったが、2学期から学校に行けるようになった。相談相手がいるのは大事だと思った(小4のパパ)

もともと行き渋りがあり、ゴールデンウィーク明けに「学校に行きたくない」と言われ「やっぱり」という気持ちに。学校まで送って、それでも入れないときは自宅に戻って休ませた。休んだ日はタブレットやゲームで遊ばない、というルールを設けていた。地域のバトミントンサークルに入会したらだんだん自信がつき、学校へ行けるようになった(小6・小3のママ)

長男はゴールデンウィーク最終日の夜から「ママとずっといっしょにいたい」とシクシク泣いて、困った。登園バスが来ると泣いて逃げていたが、幼稚園ではどうにか楽しく過ごして帰ってくるので、必ず「頑張ってえらいね」と声をかけるようにした。小学生になっても具合が悪いとよく言い出し、そういうときも無理をさせず、お休みさせた。休めばたいていは次の日から元気に登校できていた(高1、小3のママ)

我が家の次女は5月まるごと幼稚園に行けないまま過ごしたことがある。長女のときにも似たような経験があったので、落ち着いて対処できた。いっしょにプリキュアのショーを見に行ったり、釣り堀に魚釣りに行ったり、娘が楽しめることだけをいっしょにやって過ごした。次第に元気になった(小5のママ)

パパ・ママが慌てずお子さんに寄り添い、声がけをすることはもちろん、家族だけで抱え込まず、学校の先生に悩みを相談したり、地域のスポーツクラブなどへの入会が5月病克服のよいきっかけになっている様子もあります。


心や体が疲れたときはふっと息抜きをする時間が欲しいのは大人も子どもも同じ。
5月病のような様子が見られたときは、まずはゆったりした時間を過ごし、お子さんのやる気が回復するのを待ちましょう。
それでも難しい時は、学校や医療機関とも相談して、早めのサポートを考えていきましょう。

取材・文/江原香奈(Neem Tree)

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