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vol.1 23区から高尾の麓へ 自然とふれあう子育て(前編)

 

パパ、ママ、ゆうちゃんの3人で高尾山の麓の街に暮らすファミリー。"子どもに自然を日常的なものとして感じてもらたい"という思いから、この地に引っ越してきてもうすぐ1年が経ちます。そんなパパとママの願い通り、ゆうちゃんは夏になると川遊びを楽しみ、幼児園*の通園路にしている裏高尾の登山道では、落ち葉を踏みしめる感触を楽しんだり、苔に触れてみたり、どんぐりを拾ったりと、日々自然に親しみながら健やかに育っています。 大切なわが子とのかけがえのない時間や、都会暮らしを経て移り住んだからこそわかる高尾エリアでの子育ての魅力について、2回にわたり、お話を伺いました。 *ゆうちゃんが通っている幼児園は、幼稚園の類似施設として東京都から認定を受けた幼児施設

 
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5:40 起床/窓の外には高尾の豊かな自然

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ママの一日は、窓を開けるところから始まります。

朝、窓を開けるとキャンプ場のような山の澄んだ空気と鳥の鳴き声が部屋に入ってきます。目の前には高尾山の緑が広がり、眺めているだけでエネルギーをもらえますね

ここに来る前は、世田谷区で暮らしていたゆうちゃんファミリー。ご夫婦で、いつかは自然豊かな場所に住みたいと思っていたそうです。

都心で働く夫の通勤時間を考えるとなかなか決められずにいたのですが、昨年、高尾に住む友人の家に招かれたんです。そこで川遊びをしていた息子が本当に楽しそうで。さらに、泥だらけになって遊ばせてくれる少人数制の幼児園を見つけたこともきっかけとなり、夫も通勤1時間半なら頑張れるということで、引っ越しを決心しました

8:00 読み聞かせ/幼児園に行く前のお楽しみタイム

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朝早くに出社するパパを見送って朝ごはんを食べたあとは、ゆうちゃんに絵本を読み聞かせする時間を過ごします。幼児園に行く前に読み聞かせを始めたきっかけは、引っ越してしばらくは、幼児園に行く時間になっても緊張のためか家を出たがらず、テレビから離れなかったゆうちゃんの気持ちを和らげたいと思ったからだそうです。

朝、テレビを消してしっかりと向き合って遊ぶ時間を取ると満足するのか、しっかり切り替えができて、すんなりと幼児園に行ける日が多いです。読み聞かせではないときもありますが、家を出る30分~1時間前はしっかり子どもと向き合う時間を取っています

ママにとって読み聞かせは、ゆうちゃんと「おしゃべりする時間」なのだとか。

集中して聞いてくれることもありますが、いつも読んでるお話なので内容は全部覚えていて、セリフを交互に言ったり、クイズにしてみたり、主人公を私たち家族にしたり、内容を息子の発想に任せて変えて話したり。そんなふうにも変えられるんだ!と、子どものユニークな発想力に驚きながら、成長を感じられる時間でもあります

9:00 通園/ 登山道を歩いて幼児園へ

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晴れた日は、裏高尾の登山道を通って幼児園へ向かいます。5歳のゆうちゃんでも歩きやすい道ですが、さまざまな野生植物が群生しています。

ゆうちゃんは「この間はね、カエンタケがあったんだよ!」と、図鑑で見た猛毒のキノコが生えていたことを教えてくれました。

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木の幹に生えた苔を見つけて、駆け寄るゆうちゃん。そっと指で触れて、フカフカの感触を楽しんでいました。

この登山道は季節が巡るごとに違う花が咲いていたり、息子にとってもいつも違う発見があったりして、毎日歩いても飽きません。ここへ引っ越してきて、子どもは川遊びや散歩で十分楽しめるんだということを実感しました

9:40 フリータイム/ ひとり時間を持つ

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ゆうちゃんを幼児園まで送った後、時間があるときは山道をゆっくり散歩することもあるそう。

季節の移ろいを感じながら気の向くままに歩く時間は至福ですね。ほかにも、息子を送り出してからお昼までのフリータイムは家で気になってるところを掃除したり、新聞や読みたい本を読んだりして過ごします。やりたいことができる時間があると、ストレスを感じなくなりますね。園から帰ってきた息子とも、集中して向き合えます

17:00 夕食づくり/ 料理は子どもと一緒に

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ゆうちゃんと過ごす日々のなかでママが大事にしているのが、一緒に料理を楽しむ時間です。

息子は食べることが大好きで、料理をしていると『何作ってるの?』と必ず寄ってくるので、調理する前の野菜を味見させたり、洗う、混ぜるなどのお手伝いしてもらったり、どんな料理にしたいかを一緒に考えたりします

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ゆうちゃんはピーラーを上手に使いながら、にんじんの薄切りに挑戦していました。

管理栄養士の資格を持ち、世田谷にいるときはレシピ開発やフードコーディネーター、子どもの食育コンサルタントの仕事もしていたママ。ゆうちゃんは料理に関わることで、苦手な食材でも食べてみようという気持ちが芽生えるようになったのだとか。

ひとりでやるよりもだいぶ時間はかかりますが、息子と料理をすることは大切にしています

その分、できるだけ野菜や肉の下処理をしておき、食事の準備に時間を取られすぎないようにするなど、ほかの作業で効率を考えているそうです。


ゆうちゃんが幼児園に行っている間に自分の時間を満喫し、ゆうちゃんが自宅にいるときは、ふたりの時間を大切にしながら過ごすママ。読み聞かせや一緒に料理をする時間など、平日もゆうちゃんとの時間をしっかり持つようにしていたのが印象的でした。

後編は、平日は忙しいパパも交えて、家族3人で楽しむ時間についてお聞きします。

撮影/矢部ひとみ 取材・文/羽田朋美(Neem Tree)

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