vol.17 在宅勤務パパの、かけがえのない子育て時間
パパ、ママ、6歳のりこちゃん、愛犬のクッカちゃんと昭島市に暮らすファミリー。
パパは新型コロナが感染拡大した3年前からフルリモートとなり、自宅の一室で仕事をしています。
在宅勤務となった年に幼稚園に入園したりこちゃんは、この春から小学1年生に。
在宅だからこそじっくり取り組める子育てについて、りこちゃんとの関わりの中で大切にしていることなどをパパに聞きました。
6:20 起床/フリータイム
家族の中で誰よりも早く起床するのがパパです。コーヒーを淹れて、束の間のひとり時間を過ごすのだそう。
1時間ほど、コーヒーを飲みながらニュースやNetflixを見ています。
夜は娘を寝かしつけながら寝落ちしてしまうことも多いので、貴重な時間です。
早く起きる理由は、もう一つあります。
いつ出社勤務に戻ってもいいように、出社勤務だった頃と同じ時間に起きるようにしています。
働き方が変わっても、生活スタイルは変えないー。
これは、仕事の効率のためにも健康のためにも、大切な考え方です。
続きが気になって止められなくなりがちなNetflixのドラマも、"ママとりこちゃんが起きてくるまで"と決めて見れば1話で止めることができるので、朝のひとり時間を持つことはパパにとって一石二鳥です。
7:20 りこちゃん起床/幼稚園の支度
りこちゃんの幼稚園の身支度はパパの役割。幼稚園バスの送迎も、可能な限り行なっているそうです。
女の子なので、いつかは離れていくじゃないですか。だから、今やれることはやろうと思っています。
在宅勤務となったこの3年間は、そうやってりこちゃんと向き合ってきました。
出社勤務のときは、帰宅すると21時頃。娘は寝ているので、じっくり関われるのは土日だけでした。
この3年間、すぐそばで娘の成長を見ることができたことは本当によかったことですね。
少しずつ語彙が増えていって会話ができるようになっていく楽しさは、日々一緒にいられたからこそ、実感できたことだと思います。
りこちゃんにとっても、幼稚園から帰ればいつも大好きなパパとママが迎えてくれる安心感とよろこびは大きいことでしょう。
8:00 始業/自室でオンラインミーティング
パソコンのモニターが並ぶ自室のデスクに座り、8時に勤務をスタートします。
ひっきりなしにミーティングが入っていて忙しそうですが、タイムスケジュール通りに進んでいくので、予定は立てやすいのだとか。
在宅勤務ならではの悩みはあるのでしょうか。
妻や娘に音を立てないように気にさせてしまっているのはちょっと申し訳ないですね。
早く業務を開始し、早く仕事を終えられるように心がけているのですが、理想にはほど遠いです。
作業中のパパの膝の上にそっと座るクッカちゃん。
パパが在宅勤務になって、よろこんでいる存在がここにもありました。
12:00 昼食/ママと愛犬の散歩
クッカちゃんのお散歩は、パパにとって、外に出るきっかけと運動不足の解消になっているそう。
昭島の人気スポット「モリパーク アウトドアヴィレッジ」まで足を運びます。
仕事のスケジュール次第で、妻とランチに出かけることもあります。
散歩やランチのときは、小学校に行ったら娘にどんな習い事をさせようか、今度の休みはどこへ遊びに行こうか、キャンプはいつ行こうかとか、そんな会話をしていますね。
15:00 休憩/りこちゃんと遊ぶ
14時半にりこちゃんが幼稚園から帰宅し、仕事がひと段落したタイミングでりこちゃんと遊ぶ時間を持ちます。
リビングの一角に設けられた小さなおうち、"RICOハウス"は、パパが作ったそう。
妻が設計図を描き、材料を買ってきて自作しました。
毎日りこちゃんと一緒にお風呂に入るのも、寝かしつけ前の絵本の読み聞かせもパパ。
お風呂では、よく歌を歌ってくれますね。
絵本は、図書館で借りてきたものを読んで聞かせています。
以前は動画を見せていたんですけれど、全然寝ないので絵本にしたら、よく寝るようになりました。
僕も一緒に寝てしまいますが(笑)。
絵本を読むのは上手ではないですね。一応、感情は入れようとして、声のトーンをちょっと変えたりはしているけれど、聞いているのかな。
元気いっぱいなりこちゃんは、パパとママのことを「パピー」「マミー」と呼びます
ママに「りこちゃんの子育てをパパとふたりでしているという実感はありますか」とお聞きすると、「ものすごくありますね」と答えてくれました。
私が娘と過ごすときは、何かを一緒に作るなど創作系が多いのですが、夫は体を動かすような遊びもしてくれて、分担がうまくできているかもしれません。
子育てについても、そんなに深く話し合ったりはしませんが、こんなふうに育てたいね、というような話はします。
人の気持ちがわかるような子になってほしいです。勉強よりも、そっちを伸ばしたいですね。
パパが子育てに関わることで、ママのひとり時間も増えたのだそう。
夫が寝かしつけしている時間は、テレビを見るなどゆっくりする時間を過ごしています。
最近は小学校入学に向けて調べものをしたり、提出物の準備をしたりしていますね。
りこちゃんが生まれた日や出生体重などが書かれたアートはセミオーダーしたそう。
リビングの目立つ場所に飾られていました。
パパに子育てでモットーにしていることをお聞きすると、「モノより体験」と答えてくれました。
娘には、いろんなことを体験させてあげたいと思っています。
キャンプをしたり、海水浴に行ったり......先日は妻の父、おじいちゃんも一緒に高尾山を登りました。
素敵なインテリアの居心地のいいご自宅に住まわれているので、インドア派と思いきや、アクティブなファミリー。
休日は、泊まりのキャンプ以外にも、福生中央公園や多摩川中央公園でデイキャンプを楽しんでいるそう。
家族だけでなく、同じ日に出産した産院仲間や幼稚園の友達家族とデイキャンプをすることも。
「車で行くので、現地でどちらがお酒を飲めるかは、夫婦でお互いに様子を見ながら決めています」とママ。
キャンプはクッカちゃんも一緒に泊まれるのもいい
川遊びをしたり、どろんこになったり、ダンゴムシを集めたり......。
さまざまな自然体験を楽しむりこちゃん
りこちゃんの新生活のスタートに向けて、少しずつ入学準備を進めているそうです。
「入学式の服は、そうそう着るものでもないので、最初はフリマでいいかなと思ったのですが、いろいろ見ていたら似合いそうな服を見つけて。
まずはネットで見て、実店舗に試着に行って購入を決めました」とママ。
ランドセルは昨年のうちにカタログを取り寄せて、検討を重ねたのだとか。
カタログで見た後、実店舗に3回通いました。
最初は恥ずかしがって、なかなかランドセルを背負ってくれずに見るだけということもありましたが、無事に本人の好きな色を選ぶことができました。
手提げカバンや上履き入れなど布ものは、裁縫が得意なおばさんがいるので、サイズを伝えて生地を送り、お願いしました。
春休みは、お友達と一緒にサンリオピューロランドに行くのを楽しみにしているそうです。
入学準備というと、持ち物や記名などが真っ先に浮かびますが、卒園の思い出づくりにお出かけを企画するのもいいですね。
「1年生になったら、小学校まで毎日送ってもいいよと言ったのですが、恥ずかしいって妻に止められちゃいました」とパパ。
「でも、初めての登校は送りますか」と質問すると、「最初はやっぱり見てみたいですよね」と話す笑顔が印象的でした。
子どもの成長はあっという間。
だからこそ、一瞬一瞬を目に焼き付けたい。日常の関わりを大切にしたい。
パパは、在宅勤務の3年間で、この思いを強くしたのかもしれません。
4月。
カメラが趣味でもあるパパが、桜の木の下で笑うりこちゃんの姿に成長を感じながらシャッターを切る様子がありありと浮かびました。
撮影/矢部ひとみ 取材・文/羽田朋美(Neem Tree)