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vol.8 ふたご育児の中で見えてきたこと

 
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結婚を機に立川に引っ越してきたというママは、中学2年生のあさひくん、小学6年生のすいちゃんとりんちゃん、パパとともに、パパのご両親と同じ敷地内の別の家に暮らす「敷地内同居」をしています。ママのお母さんとパパのお父さんは、偶然にも小中学校の同級生。3世代で同じ小学校なのだとか。保育士であるママのライフワークは、多胎育児支援。ふたごのすいちゃんとりんちゃんを育ててきた経験が、この活動に生かされています。
3人の子育てで日々感じていること、多胎育児中のママたちとのつながりを通して見えてきたことなどをお聞きしました。

14:00 保育園から帰宅/家事や自分の時間

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5時に起床後、ママは7時前に家を出るまでに身支度、朝食とお弁当作りをこなします。保育園での勤務を終えて14時に帰宅してからは、家事のほか、多胎育児支援活動の事務作業などをして過ごすママ。早朝から慌ただしい時間を過ごす中、効率よくこなすために工夫していることはなんでしょう。

スチームオーブンレンジや食洗機など、時短になる便利家電を少しずつ導入し、フル稼働しています。昨年は念願の乾燥機能付き洗濯機を買いました。雨続きの日はもちろん、息子のサッカーは試合が連日になることもあるので、乾燥まで一気に仕上げてくれるのはとてもありがたいです。また、週末に夫と一緒にスーパーに行き、1週間分の食材をまとめ買いしています。
" 今日はこれを作ろう""平日はこれが食べたい"とリクエストを聞きながら買えるので、メニューを考える手間が省けます。

15:00 事務作業/多胎育児支援活動

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ママは「めまぐるしい日常に、素敵な繋がりを。」をコンセプトに立川市を拠点として活動する多胎育児支援団体「SwingRing(すいりん)〜ふたご応援プロジェクト〜」の創設者であり、現在は理事を務めます。

思いがけずふたごを授かり、授乳は2人合わせて1日15~16回、おむつ替えも頻繁にあり、1歳3ヶ月の長男もまだ歩き始めたばかり。当時は目が回るような忙しさで、トイレにもお風呂にも満足に行けないような生活が続いていました。部屋はぐちゃぐちゃ、足の踏み場もない。外出も困難。夕方になると3人が同時に泣き出し、2本しかない腕では全員を抱っこしてあげることができず、一人が泣かせっぱなしになる。途方に暮れる日々でした。
一方で雑誌やネットの世界では、手作りの離乳食に手厚いケア、知育、子連れでランチや旅行を楽しみ、充実した日々を送っている理想のママの姿ばかり。 自分がなりたかった母親とはかけ離れた生活に、『こんなふうに母親が家事育児をきちんとこなせないことは恥ずかしいこと』と思い込み、私は母親失格と誰にも言えずに落ち込む日々でした。

「SwingRing(すいりん)~ふたごプロジェクト~」を立ち上げたのは、2016年。すいちゃんとりんちゃんがそれぞれ5歳のときでした。

同じふたご育児をする仲間に出会い、みんな同じ気持ちを抱えていることを知りました。外からの情報に惑わされない、完璧な親なんてどこにもいない、そのことを知ってから少しずつ育児が楽しくなりました。
自分のようにふたごの育児をつらいと思うお母さんを増やしたくないという思いが強くなり、ふたごのお母さん同士のつながりをつくろうと活動をスタートしましたが、私自身も、集まってくるお母さんたちに話を聞いてもらうことでとても救われました。

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中高一貫校で多胎育児についての授業を担当。生徒たちからは「ふたごの親の大変さを知りませんでした」「街中に小さい子を持つお母さんがいて困っていたら、助けたいと思いました」という感想が寄せられたことがとても嬉しかったそう。

16:00 室内遊び/思い思いの時間を過ごす

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15時半に子どもたちが下校してからは、宿題や外遊び、室内遊びなど思い思いの時間を過ごします。子どもたちと過ごす時間の中で心掛けていることはなんでしょう。

年子+ふたごの育児があまりにもハードで、イライラしたり怒ったりしていることがとても多い乳幼児期でした。 だからこそ、朝起きた時と寝る前にハグをして『おはよう』『おやすみ』『だいすき』と伝えることだけは毎日欠かさずにしていました。
今はもう息子はさすがにハグはしてくれなくなりましたが、誕生日などの節目には『お母さんのところに生まれてきてくれてありがとう』と伝えるようにしています。 ふたごはまだ時々ハグしてくれるので、イヤだと言われるまでは続けようかなと思っています。

18:00 見送り/長男サッカーへ

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プロサッカー選手を目指すあさひくんは補食を摂った後、サッカーの練習へ。ママは笑顔であさひくんを送り出します。

子どもたちが大きくなるにつれ、それぞれの仕事や学校、習い事などで家族全員が揃う ことが少なくなりました。 息子が練習から帰宅する頃には娘たちは就寝しているので、朝食の時間に皆が揃うことを大切にしています。子どもたちは朝7時に起きれば学校に間に合うのですが、私の出勤時間に合わせて6時半に起きてもらい、家族全員が揃う時間を作っています。
1日のスケジュールを確認したり、他愛もないことを話したりしながら、家族全員の顔を見て、今日も元気で起きてきてくれたことに感謝します。 私が最初に家を出るのですが、今日も無事に帰ってこられますようにと『気を付けてね~!』と声をかけて家を出ます。

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"本物を一緒に体験すること "を大切にしているファミリー。

限られたお金と時間の中でも、本物を一緒に体験することを大切にしています。小さい頃は美術館の子ども向け展示、水族館や動物園を体験したり、SLに乗ったり、飛行機を見に行ったり......。達成感を得るために高さ6メートルのアスレチックにチャレンジしたり、少し前には『本物の海の青と無数の星を見よう !』と島へ行ったりと、心に残る体験を一緒にしています。
本物を体験した時の子どもたちの目は、とてもキラキラしているので、私も嬉しいです。


ふたご育児を経験するママのお話は、大切な気づきがいっぱい。なかでも心に深く刻まれたのが、「子どもたちにも『お母さんもお父さんも完璧な人間ではないから間違うことがある』と伝え、自分自身のネガティブな気持ちも隠さず話すようにしています」という言葉です。
完璧な親になろうとしないママとパパの背中を見て育った3人の子どもたちも、どんな自分も認め、いつだって自然体でいられることでしょう。そしてそれは、自分で選んだ道を進み、自分で人生を切り拓いていく生き方につながっていくはずです。

撮影/矢部ひとみ 取材・文/羽田朋美(Neem Tree)

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