楽しく金銭感覚を養うためにおこづかい帳を使おう!
電車やバスに乗るときは交通系ICカード、自動販売機やコンビニではスマホ、本や服、生活雑貨はパソコンやスマホでポチッ。
そんな風に、電子マネーやクレジットカード決済で買い物をするシーンが増えています。とても便利な世の中になっていく一方で、その環境が当たり前の中で育つお子さんにとっては、パパママ世代よりもお金の価値や有限性がわかりづらいかもしれません。
だからこそ、おこづかいを渡して、おこづかい帳をつけながらお金を管理していく機会を設けてあげることが大切です。
おこづかい帳を楽しむコツ
「お金の収支がわかるし、おこづかい帳を付けるのはよいことだ」とはわかるけれど、続けるのは大変ですよね。
家計簿を付けるのが苦手だと感じている方なら、なおさらハードルが高く感じてしまうかも。
そんなときは、継続することの難しさではなく、おこづかい帳をつけることで得られるメリットに目を向けてみましょう。
どんなメリットがあるのか、ここでは10歳のAくんが初めてのおこづかい帳をつける様子を例にしながら、ご紹介します。
Aくん、おこづかい帳に挑戦!
パパ
じゃあ早速、おこづかい帳をつけてみようか!
今月から月に1,000円のおこづかいを渡すことにしたよね。Aははじめてのおこづかいで、なにを買ったんだっけ?
Aくん
120円のアイスと220円のノート、200円のガチャガチャをやったよ。
ママ
おこづかいの1,000円から使った540円を引いて460円が手元に残っているね。
そういえば、コンビニでAが買った120円のアイス、スーパーでは98円で売っていたよ。
Aくん
同じものなのに、スーパーの方が安く売っているんだね。ガチャガチャは楽しいけど、アイス2個分かぁ。
親子で一緒におこづかい帳を付ける
おこづかい帳を続けるコツは、おこづかい帳のノートと、おさいふの中身を用意して、親子で一緒に数えながら付けるのが◎。
「いつ」「なにに」「どのくらい」使ったのかできるだけ具体的に振り返りましょう。同じモノでも値段が違う場合があることや、同じ金額で別のモノを買った場合についても話してみましょう。
Aくん、2回目のおこづかい日
Aくん
今日は3月のおこづかいをもらったから、1,460円になったよ。ぼく、『○○コミック』を買いたいんだ!
パパ
『○○コミック』は484円だから、買えるね。じゃあ一緒に買いに行こう!
おこづかいの使い道をジャッジしない
「おこづかいが入ったらコレを買いたい」というお子さんの計画に対して、良い、悪いの判断はできるだけしないようにしましょう。
Aくんが自分で考えて、欲しいものを手に入れるために、計画的にお金を使えたことを評価してあげましょう。
もし、ムダ使いだなと思うようなことがあっても、先回りして忠告をするのではなく、失敗や後悔する経験をさせることによって、学びの機会を与えます。
完璧を求めない!できたことに目を向ける
おこづかい帳をつけるメリットや親子で一緒に向き合う楽しさがイメージできたと思います。
とはいっても、常にサポートをしてあげるのは親にとって負担になることも。ときには収支が合わなくなってしまうこともあるでしょう。
そんなときは、正確さを重視しなくてOK! 「使用不明」などの項目で、収支の調整をしてあげます。
Aくん、3回目のおこづかい帳記入日
ママ
今から今週のおこづかい帳をつけよう。ママも自分用を作ったから、一緒にやるね!
Aくん
先週末に『○○コミック』を買ったときのレシートがコレ。484円だから引くと、976円だね。
おさいふの中にあるお金は......、あれ、712円しかない。あ、そういえばこの前、おかしを買ったときにレシートもらうのを忘れてた
パパ
なにかを買ったときは忘れずにレシートを受け取り、さいふに入れておくといいね。
もしくは、すぐにおこづかい帳に書けるといいね。今回は『使用不明』と買いて、不足分を買いておこう。
これで、おこづかい帳とおさいふの中身が一緒になったよ。
おこづかい帳タイムを設け、ミスはやさしくフォロー
おこづかい帳が習慣になるには、ある程度の日数と経験を重ねることが必要です。
しばらくは、ママやパパから声をかけてあげて、週末の夜など、1週間に1回のペースで同じ時間帯におこづかい帳タイムを作るようにしましょう。
収支が合わない、ムダ使いをしているという場合は、考え方のアドバイスをしつつ、フォローしてあげます。
無料でダウンロードできるリスルのおこづかい帳
おこづかい帳を始めて間もない頃や、パパやママも一緒につけてみるときは、無料で使えるダウンロードサイトが便利!
おこづかい帳に慣れてきたら、お子さんが使いやすい形状でお気に入りのものを一緒に選んで買ってあげるといいですね。
まずは、毎月定額のおこづかいの記入からスタートします。
おこづかい帳の記帳に慣れてきて、金銭感覚が養われてきたら、お年玉やお手伝いによる臨時収入なども加えて、少しずつお子さん主導でお金を管理する機会を増やしてあげましょう。
取材・文/今井美由紀(Neem Tree)