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親子でお金のことを考える機会に!お年玉で金融教育

 

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子どもたちにとって新年のお楽しみは、なんといってもお年玉!大きな額のお金が入ってくるのでウキウキ気分は最高潮に!
そんなわが子の姿を横目に、頂いたお金を無駄遣いしないようにと早々に預かるパパやママも少なくないのでは?でも、工夫次第では、子どもがお金について学び考えるよい機会になります。親子で一緒に考えてみましょう。

お年玉の使い方別・お年玉を通して学べることって?

tama-otoshidama2.jpg教育で大切なことは、子どもが人生を楽しむために、自分で決断して行動できるようお金の使い方を身につけていくことです。お年玉を何に使うか、どんな方法で管理するかによって、さまざまな学びを得ることができます。

【使い方1・欲しいものを買う】

貯めることも大切ですが、使う醍醐味を知って、メリハリのあるお金の使い方を学ぶことも重要です。
とはいえ、お年玉は子どもにとって大金。適切なアドバイスをしてあげましょう。

◆アドバイス例

「このおもちゃは安いけれど、簡単な作り。こっちのおもちゃは高いけれどしっかりした作りだね」などと、商品を選ぶ視点を与えてあげます。
また、「お店で新品で買うと〇〇円で、フリマアプリで中古なら△△円。どっちにする?」というように購入手段や金額を比べるなど、賢い消費者となるために身につけたいスキルをアドバイスするのも◎!
ほかにも、「お父さんなら、本当にそれが欲しいか1週間考えてみるよ」と、衝動買いにならないよう、じっくり考えてから買うことを促すのもおすすめです。

大切なのは、自分で納得して決める経験を積むこと。時には失敗したと思うような体験も、「どんなことに使えば自分は幸せなのか?」という自分なりの尺度を育むことにつながります。
その機会を摘んでしまわないよう、高学年以降はアドバイスはほどほどにしたいものです。

【使い方2・貯金する】

貯金をすることは、将来的に金額の大きなものを買えたり、自分の学びや夢をかなえるために使ったりと、将来の選択肢を増やしてくれます。また、予想外の支出にも備えることができます。ご家庭の考えを伝え、どんな使い方をしたいか親子で考えてみましょう。

とはいえ、貯金は将来の自分のためのお金といってもイメージしにくいもの。「お父さんはこんなことに使ったよ」「これだけあれば、将来こんなふうにも使えるね。」「お友達にテーマパークに誘われるとか、突然の出費にも貯金があると対応できるね」と具体的な例を伝えるとイメージが膨らみます。
また、貯金するときに「〇〇の口座に入れているよ」と通帳を見せるなど、お子さん自身のお金であることを伝えるとよいでしょう。

【使い方3・おこづかいとして使う】

お年玉を1年間のおこづかいとして渡すことで、お金のやりくりを学べます。
大きなお金は管理しにくいので、まずは特別な買い物のためのお金や貯金するお金を取り分け、残りを12ヵ月で割ってひと月の目安を示してあげると管理しやすくなります。
どんなふうにお金を管理するか一緒に話し合い、お子さんが納得して決められるようにすることが大切です。

ここで挙げた3つの使い方を組み合わせる方法もあります。
いずれにしても、お子さん自身が「なぜこれを購入するか?」「なぜ貯金するか?」と考えたり、その選択をするとどうなるかと予想したりできるよう、適度なサポートや見守りをしていきましょう。

お年玉をどう使う?パパやママはどう関わる?
リアルパパママボイスをご紹介

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お年玉の使い方、パパやママの関わり方はご家庭の考えや年齢によって違うもの。
リアルボイスを参考に、ご家庭にあった方法を考えてみましょう。また、お年玉の使い方とパパやママの関わり方はお子さんの年齢にあわせて見直していくことがポイントです。

親子でATMへ行き、子どもの口座に入金する。(小6・小2のママ)

子どもが小さいときは全額子ども名義の口座に貯金をしていた。あるとき、使うことも経験上必要だと聞いて、半分は貯金、半分はおこづかいとして自由に使えるようにした。印鑑は結婚後も変わらないように下の名前で作ってあり、成人するときに通帳とともに渡す予定。(高3、高1、中1のママ)

子どもが小さいうちは子ども名義の口座に入金。子どもが大きくなり、自分で管理したい欲求が出てきたので、子どもと相談して入金する金額と手元に置く金額を決めている。(中1、小4のパパ)

欲しいものを相談して買った残金を子どもの手元で管理している。(小6、小2のママ)

買いたいものがあったら親と相談して買い、残りは子どもの口座に貯金している。口座にほかのお祝いで頂いたお金も入金していたので、上の二人には成人したときにまとまったお金が渡せた。(23才、20才、中3のパパ)

半分は貯金し、もう半分は1年間のおこづかいとして渡し、子どもが管理する。(小5、小2のママ)

お年玉はすべて子どもが管理。それが1年のおこづかいになっている。(高1のママ)

まだある! お年玉でできる金融教育

【頂いたお金の大切さを知る】

お年玉をもらったとき、「ありがとう」を伝えるマナー教育とともに、そのお金はどんなお金なのかにも目を向けたいものです。
お年玉は、お年玉を出してくださった方が働いて得たり、貯金や年金から出したりしたお金です。「頂いたお金はどんなお金かな?」「おばあちゃんはどんな気持ちでお年玉をくれたと思う?」と問いかけて一緒に考えてみるのもおすすめです。たとえお子さんがそのとき答えられなくても、お金の大切さについて考えるきっかけになります。

【金融機関について知る】

お年玉を預けるこの機会は、普段より信用金庫や銀行など、金融機関に関心が向きやすいもの。信用金庫や銀行の仕組みや、家でどんなふうに活用しているか話す絶好の機会です。
例えば、金融機関は預かったお金を借りたい企業やお店、個人に貸していることや、親が働いたお金は金融機関に振り込まれ、そこから生活費として引き出し、使っていることなどを伝えてみてもいいですね。


お年玉を欲しいものに使うにしても、貯金するにしても、自分ごとにすることで、ぐっとお金への関心が高まります。
うれしい経験もあれば、失敗したと感じる経験もあるかもしれませんが、その経験は、お子さんが将来お金を管理するときの力となっていきます。
お年玉という大きなお金を頂くこの機会に、親子でお金の使い方について考えてみましょう。

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取材・文/武藤由美子(Neem Tree)

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