おかね Share

「お金」をとおして、子どもたちの「生きる力」を育ててみませんか?

 

tama-kinyukyoiku-1.jpeg

「金融教育(きんゆうきょういく)」という言葉をみなさんは聞いたことがありますか?
一見するととても難しそうでどんな教育かイメージがつきにくいと思います。

ウィキペディアによると、「金融教育とは、お金や金融の様々なはたらきを理解し、それを通じて自分の暮らしや社会について深く考え、自分の生き方や価値観を磨きながら、より豊かな生活やよりよい社会づくりに向けて、主体的に行動できる態度を養う教育である。」と定義されています。

この説明も難しいですね。
例えば、1,000円のおこづかいを子どもたちがもらったと仮定します。
Aさんは、全額ほしいものを買い、Bさんは半分ほしいものを買い、残りは貯金し、Cさんは全額貯金し、Dさんは1,000円ではほしいものが買えないのでおこづかいの前借りを家族にお願いし、Eさんはもっと増やせるかもしれないと株を買い、Fさんは寄付をしました。どの行動も正解です。
大切なのは、「なぜ、そうしたのか?」「その後はどのような結果が予測されるのか?」をしっかりと自分で考え、納得した上で決めたのかということです。

「お金」はどこからともなく湧いてくるものではありません。ご家族の方が労働の対価として得た大切なものなのです。お金の大切さ、重みを子どもたちに知ってもらうために「お金」についてご家族で話をしてみてはいかがですか?

金融教育の現状

tama-kinyukyoiku-2.png

日本は「お金は不浄なもの」「お金の話は子どもたちの前では話してはいけない」などと考えられていた時代もあり、オープンマインドでお金の話ができる環境が整ってこなかったのが実情です。

一方、アメリカでは子どもたちへの金融教育は当然だと考えられており、特に個人のお金の計画や管理に関しての運用知識とリスクについてゲームなどを通して学べる金融環境が整っています。

イギリスでは、2014年から公立学校のカリキュラムで金融教育が必修科目となっています。3歳から金融と経済について学習し、小学校卒業までにお金に関する社会構造の理解を目指していきます。
特徴的なのは、様々な科目の中で、「おこづかいの使い方」や、「ともだちが貸したお金を返してくれない」、などのテーマについて議論をし、お金に対する考える力を高めるところにあります。

フランスやドイツも金融や経済、銀行について学べる制度があります。

早い時期から金融教育を行っている諸外国に比べて、出遅れてしまった日本ですが、20224月から高校(家庭科)で金融教育が必修科目となりました。この背景として、民法改正により成年の年齢が18歳に引き下げられたことでクレジットカード発行やローンを組めるようになり、金銭トラブルにつながる可能性が大きくなったことが挙げられるでしょう。

昔のような「現金払い」ではなく、「クレジットカード」や「電子マネー」など目に見えないお金の流れが主流となり、「お金」について子どもたちにどのように教えたらよいのか更に難しくなってきましたし、私たちの世代には金融教育の制度が整っていなかったので、どのように教えたらいいか戸惑うご家族の方も多いと思います。

いろいろな金融教育

tama-kinyukyoiku-3.jpeg

「お金」は、私たちの生活で欠かせない存在ですが、正しい知識を身につけることにより、複雑化する金融商品や消費に関するトラブルを未然に防ぐことができます。
そこで、国をはじめ様々な機関が必要な知識を学べる環境整備に取り組んでいます。

例えば、金融庁は「うんこドリル」とコラボし、クイズをとおしてお金や経済の仕組みを学べるサイトを運営しています。民間の金融機関は職場体験やお店開業体験などのイベントやセミナーを行い、お金を楽しく学べる場を提供しています。
税理士も「租税教育」を行い、税金が私たちの暮らしと密接に関わっていることを教えています。火災や事故、事件が起こったときの消防車や救急車、パトカーは税金がなかったらすべて有料になるの?、信号や道路は?など、当たり前だと思っているサービスが実は国民が納める税金から成り立っていることを伝えています。

そこで、金融機関などが主催する、親子向けのイベントに参加して、子どもたちと一緒にクイズやゲームを楽しむのも金融教育を学べるいい機会だと思います。

お金の使い方、蓄え方、増やし方、借り方、リスク、ライフプランなど、お金に関する様々な知識を子どもたちと一緒に楽しみながら「学びなおし」をすることで、ご家族の方はお金に対する知識が増えるだけでなく、親しみと楽しさを感じることができ、子どもたちは、「お金」をとおして、「生きる力」を育むことができるでしょう。

多摩信用金庫 金融教育の取り組み
~たましんすまいるプラザによる親子向けイベント~

<img alt=

 

①「親子で挑戦!お金のクイズ」

tama-kinyukyoiku-4.JPG

お金の豆知識からお金の貯め方について、また注目の新NISA制度などが親子で学べる「親子で挑戦!お金のクイズ」を開催しました。
すまいるプラザ武蔵村山が店舗を構えるイオンモールむさし村山イベントスペースの会場には、ショッピングに来ていたお子さまをお連れのお客さまが多く参加されました。
オリジナルキャラクターRISURUも登場し、一緒に参加しました。

②「やってみよう!たましんのお仕事体験」

tama-kinyukyoiku-5.JPG

「たましんってどんな仕事をしているの?」「1億円ってどのくらいの重さ?」「お札を数えるコツは?」窓口業務のワークショップを通じてたましんのお仕事体験ができるお子さま向けイベントを開催しました。
お仕事体験をまとめたワークシートは夏休みの自由研究にも活用いただきました。自宅でもおうちのかたとお金について学べるようにと、ご参加いただいたお子さまにはおこづかい帳をプレゼントしました。職員が仕事中につけているネクタイやリボンタイを身につけて、お札を数えたり通帳を預かったりする姿がとても可愛らしく、親御さまにも大変喜んでいただきました。

 

③「親子で学ぶお金の教室」

tama-kinyukyoiku-6.jpeg

夏休み特別イベントとして、お金の歴史や流れ、使い方などを親子で学ぶ金融教育セミナーを、すまいるプラザ8拠点で開催しました。
もらったおこづかいを何に使うか、余ったお金でどのくらい貯金できるか、などワークショップを通じて学びました。主に小学生のお子さまを対象に、自由研究のひとつとしても楽しく学んでいただきました。

その他、地域イベント等でも、お子さまの金融教育を行っています。
お子さまがお金の大切さを知り、暮らしや心が豊かに育ってくれるように...
多摩信用金庫はこれからも金融教育に取り組んでいきます。

 

 

 

<img alt=

教えてくれた人

志岐亜希子(しき あきこ)さん

明治大学専門職大学院グローバル・ビジネス研究科グローバル・ビジネス専攻、修士課程修了
MBA(経営管理修士)
税理士

西南女学院大学短期大学部英語科卒業後、航空会社入社。客室乗務員並びに客室乗務員訓練教官として新人・一般教育訓練に携わる。
退職後一念発起して税理士を目指す。20232月税理士登録。

東京税理士会立川支部、租税教育委員会所属。

税務申告、税務相談、開業支援コンサルティング、経営コンサルティング、補助金申請サポート、企業向け教育を業務としている事務所です。
税や会計をわかりやすく伝え、生活の知恵として取り入れてもらえるアドバイスを行っています。
ヒト・モノ・カネをうまく繋いだ伴走型の開業支援を得意とし、税務・財務・マネジメント・マーケティング等の総合コンサルティングを行っています。

また、中小企業経営者に対しては適切な事業性評価に基づいた経営支援を行っています。
企業向け教育も行っており、新人研修、一般社員向け研修、管理職研修等ご要望に応じてカリキュラムを組みますので、お気軽にお問合せください。

志岐亜希子税理士事務所
190-0012
東京都立川市曙町2-8-28 me:rise立川2F
TEL:070-2365-0888
e-mail:shiki@espconsul.com
事務所HP:https://www.espconsul.com/

【関連記事】

▼お金について学べる本を多摩地域の小学校に寄贈!「たましんRISURU文庫」
https://tama-tips.jp/area/blog/43-tama-risuru-bunko.html
▼学校での金融教育・家庭で親が教えるべきことは?
https://tama-tips.jp/money/blog/24-okane-kyouiku.html
▼お金のやりとりをリアルに学べる! フリーマーケットで子どものマネ育
https://tama-tips.jp/money/blog/10.html
▼楽しく金銭感覚を養うためにおこづかい帳を使おう!
https://tama-tips.jp/money/blog/7.html

取材・文/たまちっぷす編集部

Recommend おすすめ