たま村家、3人目!?児童手当について vol.35
「お金を貯めたいと思っているのに、なかなかうまくいかない!」「将来のためにも貯めなきゃいけないのはわかっているけれど、ついムダづかいしてしまう」......そんなパパ&ママにお読みいただきたい、お金のことを考えるコミックです。家計のピンチに気づき、節約に目覚め、運用もスタート!たま村家のみんなと一緒に、お金と向き合う暮らし、はじめませんか?
児童手当が拡充! 支給開始は2024年12月から
2024年10月(2024年12月支給分)から児童手当が拡充されます。変更の大きな柱は以下の3つです。
1.手当額の拡充
現状では第3子以降は小学校卒業まで1万5,000円、以後中学卒業まで1万円の支給ですが、拡充後、第3子以降は年齢を問わず月3万円が支給されます。
2.支給年齢の引き上げ
支給期間は「中学校卒業まで」から「高校卒業まで」に延長されます。
3.所得制限の撤廃
これまでは、世帯主年収960万円以上は5,000円に減額、1,200万円以上はなし(夫婦どちらかが働き、子ども2人の世帯の場合)といった所得制限があり、一部の家庭には支給されませんでしたが、拡充後は所得制限を撤廃し、保護者の所得に関係なくすべての子を対象に満額給付されます。
◆支給時期の変更
支給時期は原則として毎年6月、10月、2月に、それぞれの前月分までの手当が支給されていましたが、拡充後は、隔月(偶数月)の年6回の支給となります。
支給月...2月、4月、6月、8月、10月、12月の年6回に変更
※拡充後、最初の支給は2024年12月
◆いくらもらえる?
第1子と第2子の月の支給金額は変わりませんが、支給期間が「中学卒業まで」から「高校卒業まで」延長し、第3子以降は支給期間が同様に延長された上で月の支給額が倍増するため、すべての家庭で支給額が増えます。
第3子以降の加算倍増
現在の制度では、子どもとして数えられるのは18歳となる年度末まで。3人の子どもがいる場合でも、第1子が高校を卒業したあとは、第3子は第2子に繰り上がって加算の対象から外れることが指摘されていました。
拡充後は、子どもとして数える期間が高校生までから「22歳の年度末」までに延長されます。これにより、第1子が高校を卒業しても第3子の加算が受けられるようになります。
また、「第1子」が学生でも働いていても、要件を満たせば「第3子」加算の支給対象です。
3人目3万円も、思わぬ落とし穴が?
「3人目以降は3万円」と聞くと、第3子以降は0歳から高校卒業まで3万円が支給されるとイメージしがちですが、先述の通り、第3子に3万円支給されるのは、第1子が22歳の年度末になるまで。
たとえば、2024年7月現在第1子は13歳(中2)、第2子10歳(小4)、第3子7歳(小2)である筆者の家庭の場合、第3子に月額3万円(年額36万円)支給されるのは、第1子が年度末に22歳となる2032年まで。このとき、第3子は16歳(高1)となり、3万円は高校卒業まで支給されません。
◆扶養控除見直しで、児童手当をもらっても実質マイナスに!?
16歳から18歳の子どもがいる世帯については、扶養控除の縮小により所得税と住民税の負担は増加します。しかし、いかなる年収世帯でも、児童手当によってトータルでプラスとなるよう制度設計されるので、そこは安心してよいといえます。所得によって差し引きで受けられる恩恵は違ってくるため、差し引きで増える金額を確認しておくとよいでしょう。
今回の児童手当の拡充では、第3子以降の支給額を手厚くすることで3人目以降の出産を後押しする狙いがあります。たま村家のように、経済的理由で第3子をあきらめている方にとっては、一定の支援と言えるかもしれません。
また、児童手当拡充後のマネープランも重要です。児童手当の活用について、ご家庭で話し合っておくとよいでしょう。
イラスト/佐々木奈菜 取材・文/羽田朋美(Neem Tree)