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進学のための学習塾、費用どれくらいかかるの? vol.44

 
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「お金を貯めたいと思っているのに、なかなかうまくいかない!」「将来のためにも貯めなきゃいけないのはわかっているけれど、ついムダづかいしてしまう」......そんなパパ&ママにお読みいただきたい、お金のことを考えるコミックです。家計のピンチに気づき、節約に目覚め、運用もスタート!たま村家のみんなと一緒に、お金と向き合う暮らし、はじめませんか?

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2025年の首都圏中学入試では、私立・国立中を受験した児童の数が52,300人と推定され、前年比で100人ほど減少したものの、高い水準をキープしました。これは、過去40年で3番目に多い受験者数にあたります。受験率も18.10%と非常に高く、こちらは過去2番目の記録となりました(いずれも首都圏模試センターの推定)。地域差はあるものの、首都圏では約5人に1人の割合で、多摩地域でも約10人に1人が中学受験に挑むといわれています。
一般的に、中学受験を目指す家庭では「小学校3年生の2月(新4年生)」から塾に通い始めるケースが多いです。これは、中学受験専門塾の多くが「小4から3年間」のカリキュラムを組んでいるためです。

中学受験専門塾の種類と費用感は?

中学受験をサポートする塾には、目的や学習スタイルに合わせていくつかのタイプがあり、費用感も異なります。ここでは代表的な4つのタイプを紹介します。

①大手集団塾

特徴
・志望校別・レベル別のカリキュラムが充実
・同じ目標を持つ仲間と切磋琢磨できる
・宿題が多く、家庭でのサポートも必要
・模試や受験情報など、進学実績に裏付けされたノウハウが豊富

費用感
・授業料は月に約3〜6万円程度(学年や科目数により変動)
・年間費用:季節講習や模試・教材費を含めると約80〜130万円

②個別指導塾

特徴
・子どもの理解度や進度に合わせた柔軟な指導
・苦手克服や、集団塾との併用に向く
・講師との相性が成果に大きく影響

費用感
・1対1のマンツーマン指導: 1回あたり約5,000〜10,000円程度
・1対2〜3の個別指導: 1回あたり約3,000〜6,000円程度
・通塾頻度によっては、授業料が月5〜10万円を超えることも
・年間費用:約60〜120万円

③家庭教師

特徴
・完全マンツーマンで個別最適化された指導
・子どものペースや性格に合わせて柔軟に対応
・志望校対策の精度は講師の質に大きく左右される

費用感
・1時間:3,000〜10,000円程度(プロ講師はさらに高額)
・月額:3万〜10万円超(週1〜2回の指導が一般的)
・年間費用:約50〜120万円以上

④オンライン塾・学習サービス

特徴
・自宅で自分のペースで学習できる
・映像授業や添削サービスなど、内容が多彩
・自主性が求められるため、保護者の声かけも重要

費用感
・月額:2,000〜10,000円程度
・年間費用:約2〜12万円(コースや学年によって異なる)

塾の費用に関する、先輩パパママたちのリアルな声

中学受験、やっぱり気になるのはお金のこと。実際にかかった費用とは? 「思ったより高い」「ここは節約できた」など、先輩たちの本音をチェック!

「塾優先」の家計にシフト

小3から大手進学塾へ。学年が上がると、毎月の授業料に加えて季節講習や模試代、教材費が重なり、気づけば年間120万円近くに。習い事を減らしたり、外食の回数をセーブしたりして塾費用を優先。ボーナス時には季節講習分をあらかじめ確保した(中3・小6のママ)

4年間で500万円

義理の姉の子は小3から進学塾へ。夏期・冬期講習に加え、6年生では志望校別特訓や合宿にも参加し、4年間で塾関連費用が500万円近くかかったそう。私立中に進学した今も、『あの出費は覚悟が必要だった』と話している(小5のママ)

個別指導は安心だけどコスパが......

苦手科目のフォローで個別塾を併用した。子どもに合っていて成果は出たが、1コマあたりの単価が高いので、月に8万円近くかかった(高3・中3のママ)

通信と併用でメリハリ節約!

低学年のうちは通信教育+家庭学習にして、4年生から塾へ。全部を塾に任せるより、費用も抑えられて子どものペースも守れた気がする(中2のママ)

祖父母のサポート

正直、共働きでも塾代の負担が大きくて......。祖父母が『教育費は応援するよ』と言ってくれて、季節講習代などは援助してもらった(中1のパパ)

下の子は塾を見直してムダなく受験対策

個別指導塾と家庭教師を併用した上の子のときに費用がかさみすぎて反省。下の子は集団塾にして、要点をしぼった勉強スタイルに。結果、費用も半分以下に抑えられた(中3・中1のママ)


中学受験は、子どもの将来を見据えた大きなチャレンジであると同時に、家庭にとっても長期的な計画と経済的な覚悟が求められるイベントです。
塾の種類や通い始めの時期、かけられる費用は家庭によってさまざま。先輩パパママたちの声からもわかるように、「どれだけお金をかけるか」ではなく、「どんな形で子どもを支えるか」が何より大切です。わが家に合った学習スタイルを見つけ、無理なく続けられる中学受験をめざしていきましょう。

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イラスト/佐々木奈菜 取材・文/羽田朋美(Neem Tree)

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