子どもと電子マネー vol.40
「お金を貯めたいと思っているのに、なかなかうまくいかない!」「将来のためにも貯めなきゃいけないのはわかっているけれど、ついムダづかいしてしまう」......そんなパパ&ママにお読みいただきたい、お金のことを考えるコミックです。家計のピンチに気づき、節約に目覚め、運用もスタート!たま村家のみんなと一緒に、お金と向き合う暮らし、はじめませんか?
小学生の4人に1人が電子マネーを使用している?
小学3年生の花ちゃんから、「電子マネーでお小遣いをもらっている子もいる」と聞いて驚いた緑さん。しかし、2023年に小学生から高校生までの子を持つ保護者を対象に行われた調査によると、全体の37.9%が「子どもが電子マネーを使っている」と答えたことがわかりました。
また、年齢別に電子マネーの使用状況を調査した結果、小学生では「使っている」と答えた割合が約25%であるのに対し、中学生では約47%、高校生では約62%と、年齢が上がるにつれて利用率が高くなる傾向が見られました。
出典:ママソレ|【2023年最新】子どもの金銭感覚の悩みや購買行動は?
10代の子どもを持つパパママにアンケート!
https://mama.chintaistyle.jp/article/survey-2023-child-kinsenkankaku/
電子マネーには2つの支払い方式がある
電子マネーは、決済方法の違いによって、大きく2種類に分けられます。
1.プリペイド型電子マネー
あらかじめ設定された金額やチャージした分だけ使える仕組みです。クレジットカードのように後払いではなく、利用時に即座に残高が引き落とされるため、使い過ぎの心配がありません。また、プラスチックカードを発行せず、スマホアプリで支払いが完結する「カードレスタイプ」もあります。
2.ポストペイ型電子マネー
事前チャージが不要で、利用した金額が後からクレジットカードや銀行口座から引き落とされる仕組みです。残高を気にせず使える一方で、使い過ぎのリスクがあるため、子どもに利用させる際は慎重な管理が必要です。
このように、プリペイド型電子マネーは、利用可能な金額があらかじめ制限されているため、無計画な使い過ぎを防ぐことができます。そのため、お子さんに使用させる際には、プリペイド型電子マネーが最適な選択と言えるでしょう。
子どもが使うなら、どのプリペイド型電子マネーを選べばいい?
プリペイド型電子マネーにはさまざまな種類があります。子どもが使うのに適したカードはどれでしょうか?3つのタイプの特徴と、実際に使用している保護者の声をご紹介します。
交通系電子マネー(Suica、PASMOなど)
公共交通機関が発行するICカードで、発行会社によってはモバイル版も利用可能です。電車やバスの運賃の支払いのほか、駅内の売店、自動販売機、一部コンビニエンスストアなどでの買い物にも使えます。通学や通塾、習い事などで交通機関を利用するお子さんには特に便利です。
電車で私立中学に通う娘、塾通いの息子のお小遣いは、半分を交通系ICカードにチャージしている。使用履歴を確認でき、離れた場所から送金できるのでとても便利。ただし、残高が設定金額以下になると自動で設定金額を入金してくれる『オートチャージ機能』は解除しておくのが基本!(中1、小5、小2のパパ)
流通系電子マネー(nanaco、WAON、楽天Edyなど)
流通業者が発行する独自の電子マネーで、発行元のサービスサイトや系列店舗はもちろん、主要コンビニエンスストアや、全国の加盟店で利用可能です。利用金額に応じてポイントが付与される仕組みが多く、貯まったポイントを買い物に利用できるため、家計にもメリットが。家族がよく利用する店舗に合わせて選ぶとよいでしょう。
本人の希望で、1年ほど前からお小遣いは電子マネーで渡している。息子が塾の休憩時間に利用しているコンビニエンスストアで買い物するとポイントがたまるので、お得に買い物をする楽しさを学べる点も気に入っている(小6、小4のママ)
QRコード系電子マネー(PayPay、d払い、楽天ペイなど)
スマートフォンアプリを利用した決済方法で、スマホに表示させたQRコードやバーコードをスキャンするだけで支払いが可能です。スマートフォンが必要となりますが、QRコード決済アプリは個人間送金ができるアプリも多く、スマホ1つで簡単にお小遣いを渡せます。さらに、子ども自身が残高を確認できるため、お金の管理を学ぶ機会にもなります。
私がポイ活で貯めたポイントを電子マネーに交換し、子どもたちに送金してお小遣いとしている。せっせとポイ活をする必要があるが、1ヵ月2,000〜3,000円分のポイントが貯まるので、家計の負担を減らせて助かっている(中1、小5のママ)
お電子マネーはプリペイド型を利用すれば、安全に使え、保護者がお金を管理する際にも便利です。しかし、現金の価値を実感しにくいというデメリットが。お子さんに電子マネーでお小遣いを渡す場合は、現金との併用やお金のルール・管理方法を教えるなど、お金の価値を理解させる工夫が必要です。
また、親子で履歴を確認し、使い道について話し合う時間を設けることで、「お金を使う感覚」を育むのもよいでしょう。
たま村家では、パパの「お金を使う感覚」を育てることも大事ですね。
イラスト/佐々木奈菜 取材・文/羽田朋美(Neem Tree)