


"副業"は家計の救世主?それとも自己実現? 現実と理想のあいだ vol.47


「お金を貯めたいと思っているのに、なかなかうまくいかない!」「将来のためにも貯めなきゃいけないのはわかっているけれど、ついムダづかいしてしまう」......そんなパパ&ママにお読みいただきたい、お金のことを考えるコミックです。家計のピンチに気づき、節約に目覚め、運用もスタート!たま村家のみんなと一緒に、お金と向き合う暮らし、はじめませんか?
副業・兼業を認めている企業全体の約半数
経団連が2022年に行った調査では、社員の副業・兼業をすでに「認めている」企業は全体の約半数にあたる53.1%でした。「今後認める予定」の企業(17.5%)も含めると、7割を超える企業が容認の方向にあることがわかります。
企業規模が大きいほどこの傾向は顕著で、常用労働者5,000人以上の企業では、「認めている」が66.7%、「認める予定」も17.2%あり、合計で83.9%に。対して、従業員が100人未満の企業では、あわせて約4割にとどまっています。
みんなの副業事情
副業に興味を持つ人が、少しずつ増えてきているようです。実際には、どれくらいの人が取り組んでいるのでしょうか。Job総研が実施した「2025年副業・兼業の実態調査」をチェック!
◆副業・兼業「経験あり派」は39.2%
副業・兼業の有無をたずねたところ、「現在している」「過去にしていた」と回答した人をあわせると、39.2%が副業経験ありという結果に。
約4割の人が、何らかのかたちで副業に取り組んだことがあるようです。
◆副業で実際に得た月収は平均5.4万円
〝副業経験あり〟と答えた人に「副業で実際に得た月収」を聞いたところ、平均は5.4万円、中央値は3.0万円という結果に。一方で、「理想とする副業の月収」は平均10.8万円と、実際の収入とはギャップがあることがわかりました。
◆副業への懸念や不安は「収入に見合わない労力になる」が1位に
副業の最大のハードルは「収入に見合わない労力」。次いで「プライベートの犠牲」「本業への悪影響」が上位に並び、時間とエネルギー配分の難しさが浮き彫りに。手続きの煩雑さやスキル不足も2割超と、始める前から不安や面倒さを感じる人も一定数いることがわかります。
◆今後の副業・兼業の意向は?
「これから始めたい」「続けたい」と答えた人は、全体の66.7%に。約7割が〝副業前向き派〟という結果からも、もはや副業は特別なものではなく、「あって当たり前」の選択肢になりつつあるようです。
みんなの副業事情
「ちょっとお小遣い稼ぎに」「スキルを活かしたい」「将来のために」──副業に興味を持つきっかけは人それぞれ。でも、勢いだけで始めてしまうと、思わぬトラブルや負担になることも。はじめる前に、立ち止まって考えておきたいポイントを整理しておきましょう。
1.副業の目的を明確にする
お金がほしいのか、やりがいを感じたいのか、経験を積みたいのか。目的によって選ぶ副業の内容も変わります。「何のために副業をするのか?」を自分に問いかけることから始めましょう。
2.いつ、どのくらいの時間で取り組むか
平日の夜?週末?スキマ時間?副業は本業や生活の合間で行うもの。あらかじめ無理のないスケジュールを組んでおくことで、継続しやすくなります。
3.家族の理解と協力も大切
自宅で作業する副業や、時間を取られるタイプの副業では、家族の理解が必要不可欠。生活リズムが変わることもあるので、事前に話し合っておくと安心です。
副業経験ありのパパママ発!リアルボイス
子育てと仕事の合間に、少しずつチャレンジしている人も多い副業。うまくいったこともあれば、想像以上に大変だったことも......。そんなリアルな声を、実際に副業に取り組んでいるパパママたちに聞いてみました。
■うまくいってる派
子どもが寝たあと、30分だけコンテンツ販売の副業タイム。書くことが好きなので、自分の書いた記事を誰かが手に取ってくれるのが、何よりうれしい!(小3・5歳のママ)
自分の得意を活かせるってうれしい。デザインの作り方をオンラインで教えていて、『こんなに簡単にできるなんて!』って言われると、すごく励みになる(小6のママ)
副業は、自分にとって収入の柱を増やすというより、自己実現のため。看護師として働きながら、40歳までにフリーランスライターになるのが目標で、そのための勉強と思って続けている(小5のママ)
■リアルに大変派
ブログを書いているが、時給換算すると...正直ちょっと切なくなるときも。記事にかけた時間のわりに収益はまだまだ。でも、コツコツ続ければいつか実ってくれると信じている(中2・小5のママ)
SNSでアフィリエイトをやっているが、思ったより成果が出ない。夢は大きく、月30万円の収益をめざしている。地道に続けていきたい(高3・中1・小6のパパ)
■家族との両立派
休日に作業時間をもらう代わりに、平日は子どもとの時間を優先。メリハリがあるぶん、副業も育児も楽しめている(小1・6歳のパパ)
副業は、家計の助けになったり、やりがいにつながったりする一方で、時間や気力の負担を感じることもあります。向いている人もいれば、そうでない人もいる。生活の状況や価値観によって、その答えは変わってくるはずです。
大切なのは、「副業すべきかどうか」ではなく、「わが家にとってどうありたいか」。暮らしのバランスや自分の気持ちに目を向けながら、必要なら立ち止まり、必要なら一歩踏み出してみる。
そんな柔軟な選択が、これからのお金とのつき合い方を、少しやさしくしてくれるのかもしれません。
イラスト/佐々木奈菜 取材・文/羽田朋美(Neem Tree)