vol.8 悩みの尽きない、子育てにかかるお金の話
「お金を貯めたいと思っているのに、なかなかうまくいかない!」「将来のためにも貯めなきゃいけないのはわかっているけれど、ついムダづかいしてしまう」......そんなパパ&ママにお読みいただきたい、お金のことを考えるコミックです。
家計のピンチに気づき、節約生活をスタートしたばかりのたま村家のみんなと一緒に、お金と向き合う暮らし、はじめませんか?
確実にお金が貯まる先取り貯蓄
貯蓄分と生活費を同じ口座で管理したり、毎月の収入から残ったお金を貯蓄したりしていると、「いつの間にか使いすぎてしまい貯蓄できなかった!」「なかなかお金が貯まらない!」ということは少なくありません。
そこでおすすめなのが、先取り貯蓄です。
先取り貯蓄とは、毎月の給与をもらったら一定額を別口座に移すなどして先に貯蓄し、残った金額でやりくりする方法。その最大のメリットは、使い込みを防ぐことができるので確実に貯蓄できることです。
また、先に取り分けたお金は定期預金に預けるなど簡単に使うことができないようにすれば、より貯まりやすくなります。ほかにも、毎月の給与から貯蓄する分を先に取り分けて貯蓄してしまうので、残りの給与は自由に使うことができ、ストレスが溜まらないという利点が。
簡単でありながら確実にお金を貯められるので、貯蓄の基本は先取り貯蓄ともいわれています。
先取り貯蓄で大切なことは?
先取り貯蓄がいくら簡単で確実に貯蓄できるからとはいえ、成功するためには大切なことがあります。
1.明確なゴールを持つ
どんなことにもいえますが、目標設定し、明確なゴールを持つことは成果を大きく左右します。
たとえば「5年後に家を建てる」「2年後に家族で海外旅行する」など、貯蓄のゴールがあれば、家族一丸となって、モチベーションを維持しながら前向きにお金を貯めていけます。
2.目標達成のための毎月の積立額を決定する
先取り貯蓄を続けるためには無理のない金額設定も大事ですが、目標を達成するためであれば、少し頑張って金額設定することもできるでしょう。必要に応じて家計の見直しも。お金が貯まるうえに無駄遣いを減らせて、一石二鳥です。
3.目的に応じて方法を決める
先取り貯蓄の方法は、大きく分けて以下の6つがあります。
◆自動積立定期預金
毎月自分で決めた一定金額を自動で積立していく。最も簡単に始められ、預金期間は金融機関により異なりますが、6ヵ月から5年など1ヵ月単位で幅広い中から選択できるので、貯蓄のゴールに向けて設定できる。
煩雑な手続きをせずに今すぐ始めたい人におすすめ。
◆財形貯蓄
会社が毎月の給与から天引きで一定金額を金融機関に自動で積み立てる仕組み。「一般財形貯蓄」「住宅財形貯蓄」「年金財形貯蓄」があり、「住宅財形貯蓄」と「年金財形貯蓄」はあわせて預金550万円までの利息が非課税。
マイホーム取得や老後資金の目的がある人におすすめ。
◆社内預金
金融機関に預けるのではなく、給与天引きで勤務先の会社に預金する仕組み。社内預金の利息は、労働基準法により金利の下限が設けられているため、一般金融機関の利息より高い。
勤務先に社内預金があるかどうか調べてみるのはひとつ。
◆つみたてNISA
長期の積立・分散投資を通じた資産形成を推進するための税制優遇制度。毎月少額から始められ、年間40万円まで投資することが可能。最長20年間、投資から得た利益が非課税に。
資産形成を目的としている人におすすめ。非課税期間ならいつ売っても利益が非課税になり、ある程度の利益が出た時点など、自分の判断でいつでも売ることができる。
◆iDeCo
将来に備えるために、自分自身で掛金を積み立てて、運用しながら増やしていく個人型確定拠出年金。運用益が非課税になり、掛金が全額所得控除となり、受け取るときも税制優遇措置があるため、節税しながら効率的にお金を貯めることができる。
原則60歳まで、途中の引き出しはできませんが、老後資金を確実に貯めていきたい人におすすめ。
◆貯蓄型保険
病気や死亡といった万一のときに保険金を受け取れるだけでなく、保険期間満了時に保険金を、解約時に解約返戻金としてお金が受け取れる保険のこと。保険料払込期間後の解約返戻金は、返戻率によっては支払った保険料よりも受け取る保険金の方が多くなる場合も。
もしもの備えをしながら貯めたい人におすすめ。
一般的な貯蓄から資産形成のための方法までさまざま。目的に応じた方法で貯蓄方法を決定しましょう。
確実にお金を貯める方法として、先取り貯蓄が効果的であることがわかりました。また、ゴールを明確にすると、目的に応じた方法で貯蓄していくことができます。
まずは、ご家庭で「何のために・いつまでに」貯めるのか話し合い、よい良い方法で先取り貯蓄していけるといいですね。
先取り貯蓄をスタートしようと張り切っていた緑さん。
ごねる陽さんを前に、何か手段はあるのでしょうか。次回をお楽しみに!
イラスト/佐々木奈菜 取材・文/羽田朋美(Neem Tree)