入学準備 どうする? 〜親と子どもの心の準備〜
「入学準備の進めかた」ではランドセルや勉強机の準備などを中心に紹介しました。
今回は「心の準備編」として、小学校入学前にパパやママが知っておくと良い心構えと、パパやママがお子さんのために事前にしてあげられることについて、先輩パパ・ママの声を中心に紹介します。
わが子がもうすぐ小学生!パパとママが心がけたいこと
小学校入学の節目を迎えるにあたり、わが子の成長に喜びを感じる一方で、「友達はできるかな?」「楽しく通えるの?」と、心配するパパやママも少なくないでしょう。
しかし、1番緊張しているのはお子さん本人なのです。
そんなお子さんの緊張をやわらげてあげることが、パパとママが最も心がけたいこと。また、自由に過ごせる時間が多かった幼稚園や保育園と違い、時間割がある小学校生活に戸惑うお子さんもいます。
新しく出会ったお友達とうまく関われずストレスを溜めてしまうことも。
入学前後のお子さんの「困った!」にすぐ向き合えるように、パパとママも心の準備をしておきましょう。
保育園の卒園式が近づいてきた頃からお腹を痛がったり、保育園で元気がないことが増えた長男。
保育園の先生が小学校入学に向けて緊張しているのではないかと教えてくれた。
そこで土日には入学先の小学校まで散歩したり、近所の小学生に声をかけて顔見知りになったりと、緊張を和らげるようにした。
子どもの不安解消に向けて準備することができてよかった。(小6、小2、6歳のママ)
いつもワンテンポ遅れて動くタイプの長女。
小学校に馴染める?と心配で、家庭でも○時までにはこれをやる、とスケジュール管理して練習。
でもそれが逆効果でストレスを抱えるように。夫とも相談して2月〜3月は親子でのお出かけを増やしたり、友達家族と一緒に遊ぶ時間を増やしたりした。
3年生になった今は、小学校生活にしっかり馴染んでいる。
焦らずに、夫や友達と相談して、リラックスできるよう心がけると良いと思う。(小3、小1のママ)
次女は、学校へ入学すると、「どうして勉強をするの?」「なぜ遊ぶ時間が少ないの?」と不思議がり、その度にひとつずつ説明した。
親とは違う視点で、気になるポイントがたくさんあるんだと思った。
事前に学校のイメージをもっと話しておけばよかった。(小6、小3のママ)
入学後、息子は同じクラスの女の子とよくケンカしてトラブル続き。
コロナでリモートワークが増えてからは家でたくさん息子の話を聞くようになり、友達とうまく話せない、学校の勉強が苦手、という悩みを初めて聞いた。
親子で話し合う時間が必要だと痛感。(小4のパパ)
入学前後のお子さんの不安は、親が想像しているよりずっと大きいことがあります。
幼稚園や保育園の先生からもお子さんの様子を聞いておいたり、家族で協力してお子さんの不安を解消できる環境を整えておくことも大切ですね。
他に、こんなお話もあります。
小学校の年間行事のスケジュールを早めに把握。
PTAの活動も気になって、入学説明会で親が学校に関わる頻度などを確認。
仕事の休みをもらいやすいように計画を立てました。(小1のママ)
子どもは特別支援学級へ籍を置くことに。近所の先輩パパからあらかじめ、特別支援の様子を詳しく聞くことができました。
先生たちが子どもそれぞれの成長に合わせて細やかに対応してくれるとわかり安心した。
親同士が知り合いになって情報共有できるのは大切。(小4のパパ)
入学後、子どもを学童に預けたが嫌がって行かなくなり、途中から夫婦交替で仕事を早退して対応。
いまは民間の預かりサポートへ預けているけれど、早い時期にいろんな預け先をリサーチして、子どもに合う場所をしっかり見つけておけばよかった。(小3のパパ)
入学前の不安や疑問は、パパ・ママの仕事の状況やお子さんの特性によってさまざまです。
いざというときに困らないためにも、気になることは早めに相談したり、情報収集をしておくことが不安の解消につながります。
同じ学校にお子さんを通わせている先輩パパ・ママと知り合えるなら、学校の様子を詳しく聞いておくと見通しも立ちます。
パパ・ママが子どものために事前にしてあげられること
1人での登下校、給食当番、学校での新しい学びの時間。
初めて経験することが増える小学校生活で、お子さんが少しでも安心してスタートを切れるように、パパ・ママのサポートがあれば心強いですね。
ここでは先輩パパ・ママがしてあげていたお子さんへのサポートを紹介します。
生活習慣へのサポート
自宅から学校まで少し遠いので、息子も登校に不安があり、一緒に通学路を歩く練習をした。
交通事故が多い場所、事件の情報が聞かれた場所も教えておいた。
防犯の意識をつけるため、逃げ込める町内会のお家なども教えた。(小3のパパ)
給食当番があることを想定して、家でも食事の準備を手伝ってもらったり、ご飯のよそい方を教えた。
上手にできた時には「やったね!」「上手だね!」とたくさん褒めて、学校へ行く前の自信になるように気を配った。(小1のママ)
学習面のサポート
本人が自信を持って学校生活が送れることが必要だと思ったので、名前が書ける、時計が読める、は普通にできる状態にしておいた。
勉強も運動も"みんなよりちょっとできる"を目標にした。(小5、6歳のママ)
小学校の体育を不安がらないように、楽しみながら慣れていけたらと思い、公園で家族みんなで鉄棒などを遊びながら練習した。(小6、小3のママ)
学校でのお勉強をイメージできるように、公文や英会話に通わせました。
勉強する習慣をつけたことで、学校生活のスタートも安心できたのかなと思う。(小1のママ)
気持ちのサポート
4月から仕事をすることが決まっていたので、学童の先生の様子や、小学校の様子を丁寧に伝えるようにした。
子どもがいろいろと不安がったので、困ったことがあれば先生や友達にもしっかり伝えようね、と周りを頼っていいことを話した。(小5のママ)
子どもが通学路を1人で行き来することを怖がったので、ママ友のお子さんで6年生の女の子に一緒に登校してもらうようお願いした。(小6のママ)
あらかじめ準備をして生活習慣や学習スタイルに慣れておくことが、お子さんの不安解消になったという声が多く聞かれました。
お子さんが何を心配しているのかに早めに気がつき、気持ちのサポートをしてあげることが大切です。
安心して入学準備を進めるために
先輩パパ・ママの声を参考に、入学準備を安心して進めるコツをまとめました。
パパ・ママが自分自身で準備をしておくと良いこと
①入学前のお子さんが、不安や心配事を抱えていないか早めに気づき、対応する
②親子で話したり、出かけたりする時間を作るなど、リラックスできる環境を整える
③わからないことや困っていることは、早めに小学校や先輩パパ・ママにも相談する
④PTA活動や年間スケジュールなど、親が参加する学校行事の情報収集をする
パパ・ママが子どものために事前にしてあげられること
①学校で初めて経験することは、おうちでパパ・ママとも練習して自信をつけておく
②基本的な学習や運動に触れさせてあげると、学校生活をイメージしやすくなり安心
③お子さんの不安には、小さなことでもひとつひとつ向き合って解決しておく
小学校生活のスタートは、親も子どもも初めての連続。
不安な要素には早めの対応を心がけて、安心して新生活をスタートできるよう、心の準備をしておきましょう。
取材・文/江原香奈(Neem Tree)