子どもの自己肯定感を高めるには?
入学シーズン目前です。
子どもたちは「もうすぐ1年生だね!」という言葉を、周囲の大人たちから聞く機会が増える時期ですね。
中には、新しい環境で頑張れるかどうか、自信がなくて不安を抱えているお子さんは多いのかもしれません。
パパやママも、お子さんの小学校生活のスタートを機に、お仕事スタイルや生活状況が変化する場合があります。
子どものことだけでなく、自分自身のことでもさまざまな心配事が尽きない時期ですが、親子で「きっとできる」という気持ちを保ちながら過ごすにはどうしたら良いのでしょうか?
今回は、親子が自信を育むために大切な、自己肯定感の高め方についてご紹介します。
自己肯定感ってそもそも何?
自己肯定感とは、自分をありのままに肯定する気持ちのことを言います。
「自己肯定感が高い」とは、自分自身のいいところも悪いところも含めて、自分が自分であることに充分に満足している状態です。
自己肯定感が高ければ、失敗したり、傷ついたりすることがあっても、「こうすれば解決できるかもしれない」「またがんばろう」と、前向きに考えることができます。
一方で、自己肯定感が低いと、「どうせ何をやってもダメなんだ...」と否定的に考えがちになる傾向があります。
子どもたちの自己肯定感は主に、ひとつ屋根の下で長い時間をともに過ごすパパ・ママとのつながりの中で育まれていきます。
自己肯定感ってそもそも何?
パパ・ママの自己肯定感が高い家庭は、子どもの自己肯定感も高い傾向にあります。
子どもはパパやママの言葉や行動にいつも影響を受けているので、親がポジティブで元気に過ごしている様子を見ていれば、前向きな気持ちで毎日を過ごせるものなのです。
自己肯定感が高いパパ・ママは、例え子どもたちが失敗を経験したとしても、その努力を認め、共感して寄り添うことができます。
逆に、パパ・ママが子どもの失敗に否定的な言葉を言ってしまったり、子どもが不安なときに一緒に不安になってしまったりする場合は、自分自身の自己肯定感について振り返る時間を持つと良いでしょう。
家事や育児に追われて心の余裕がないときや、悩み事が多いときは、大人も前向きな気持ちを持ち続けるのが難しいものです。
子どもの気持ちのサインと、自己肯定感を伸ばす接し方
子どもが「どうせ私なんて...」と、自分を否定する言葉をこぼすようになった時は要注意。
後ろ向きな言葉が出てくるのは、自己肯定感が低くなっているサインです。
他にも、お腹が痛い、眠れない、朝起きられない、食欲が落ちる、など急にお子さんの様子に変化が見られることもあります。
そんな時には、しっかり子どもの気持ちに寄り添い、普段どのような言葉掛けをしていたのかを振り返ってみましょう。
例えば、「〇〇君はもういっぱい漢字が書けるらしいよ」「お兄ちゃんは勉強もスポーツもいつも完璧だったよ」というように、友達やきょうだいとつい比較してしまったり、「早く着替えないと学校に遅れるよ」「早く宿題を終わらせなさい」など子どもをせかしてしまったりしたことはありませんか?
パパ・ママは心配な気持ちを伝えているつもりでも、実はこれらは子どものあるがままの姿を否定している言葉です。
また、「そのままじゃしっかりした1年生になれないよ」「〇〇ができていないと上手くいかないよ」のように、子どもが上手にできないことを親が注意してしまうと、子どもの不安はより大きくなっていきます。
子どもの自己肯定感を高めるためには誰かと比べたりせず、以前よりもできるようになっていることに目を向けて褒めてあげると、お子さんの自信を育むことへつながります。
時間に間に合わせたいときも、子どもをせかすのではなく、「〇時までに食事を終わらせよう」「〇時までにお着替えが終わるとママも助かるよ」など、子どもの自主制を大切にしながら、計画的に動くよう促すと良いでしょう。
また、今できていないことを注意するのではなく、ここまで頑張ってきた過程そのものを褒めてあげると、子どもも自分の努力に自信を持ち、安心して新しいことにもチャレンジできます。
パパ・ママの気持ちを上げるためには
子どもの失敗を否定してしまう、子どもがわがままを言うとイライラしてしまう、子どもが不安がると一緒に不安になってしまう、など、自分の子育てに悩みが尽きないパパ・ママもいるでしょう。
一生懸命になりすぎて気持ちが空回りしてしまう状況が続いているなら、落ち込む前に、自分の気持ちを上げるためにできることを考えてみましょう。
好きなことに夢中になる時間を作る
欲しかった洋服を買う、好きな習い事を始める、友達とカフェに出かけるなど、パパ・ママも自分を最優先にする時間を持ってみましょう。
楽しい時間を持ってたまには自分を甘やかすことで、不安やストレスは解消できるものです。
小さな成功を積み重ねる
「毎朝10分運動する」「子どもの話をしっかり聞いてあげる」「いつもより少し丁寧にお風呂掃除する」というような、小さな目標を毎日達成していきましょう。
例え小さな成功であっても、積み重なっていくと大きな自信につながっていきます。
誰かに頼る
家族や友達に、子育ての悩みや自分の悩みを聞いてもらうのも大切です。
自分の悩みを話すことができれば、いろんな視点でアドバイスを受け取ることもでき、悩みを解消しやすくなります。
ポジティブな言葉で自分を肯定する
「〇〇な私は頑張っている」「〇〇な生き方ができて充実している」というように、自分が上手くいっているイメージを言葉にすることで、そのイメージがだんだん定着し、前向きな気持ちを持てるようになります。
朝起きたとき、夜寝る前、など習慣にしてみましょう。
完璧なパパ・ママを目指さなくても大丈夫!
パパ・ママだって、悩むこともあれば、失敗することもあります。
責任感を持つことも大切ですが、上手くいかないときは、そのままの自分を子どもに見せてあげましょう。
「失敗したってやり直せる!」という穏やかな気持ちでパパ・ママが過ごしていたら、子どもの中にも安心感が広がっていきます。
大好きなパパ・ママの存在は、子どもにとっては安全な居場所そのものです。
親が自分を信じて元気に過ごしていることは、子どもの自己肯定感を高めることにつながっていきます。
親も子も、自分の考えや気持ちを大切にして進んでいくことができれば、これから迎える新生活シーズンも気負うことなく乗り切れるでしょう。
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取材・文/江原香奈(Neem Tree)