もやし・鶏むね肉・厚揚げが大活躍!教えて!みんなの「節約レシピ」
物価高が叫ばれて、早数年。昨今も変わらず物価高騰の波が押し寄せています。
長く続く高騰を経て、食卓にはどのような変化があったのでしょうか。
あれこれ工夫することで、思わぬおいしいレシピが誕生したというご家庭もあるのでは?
そこで今回は、お子さんがいらっしゃるご家族を対象にアンケートを実施。
みなさんの節約レシピを教えていただきました。
みんなの食費は、どのぐらい上がった?
家計を圧迫するお財布事情
東京都では、Mサイズの卵の1キロ当たりの卸売価格は、2022年2月には175円だったのに対し、2024年2月には335円と過去最高の高値を更新。卵の価格は、わずか2年の間に約2倍に跳ね上がりました。
家庭の食費はどのくらい上がっているのでしょうか。
月に10, 000円ほど上がった。高い肉や魚は少量ずつ、安いもやしやキャベツなどを使ったメニューを多用している。お菓子も高くなっているので、なるべく手作りに。以前の予算に収めるにはほど遠い。(小6、小3のママ)
一人当たり、月15,000円から25,000円程上昇した。質よりも安い食材でいかに品数を増やすか試行錯誤の毎日。外食の利用頻度や注文数も減り、以前より満足度が減っているのに、数年前より上回る金額に肩を落としている。(中2、小2のママ)
35,000円から50,000円に上がった。外食は月3回から月1回へ。ペットボトル飲料は購入せず、マイボトルを持参するようになった。値引き品は迷わず買う。食費とは関係ないが、家計のためにお小遣いが1万円減らされて2万円になった。(5歳のパパ)
食卓の救世主「節約食材」とは?みんなのおすすめメニューを紹介!
アンケートからは、食費が値上がりし、食卓の彩りが減っている様子がうかがえます。
でも、食事は家族の元気の要。家族によろこんでもらうために、どんな工夫をしているのでしょうか。
みんなの節約食材とメニューを見ていきましょう!
やっぱり頼りになる! 最強の節約食材「もやし」
数年前は、10円台で手に入ることもあった安価な食材の代表「もやし」。
最近では値上がりも続き、50円近くで販売されていることも。
しかし、もとが安く、100円以下で200gの量を買えるもやしのお財布にやさしいポジションは、変わらないどころか、勢いを増しています。
安いし、子どもが好きなので、1週間で10袋は購入している。汁物や和え物、炒め物など、色々な料理に使えるので、毎回食卓に並ぶ。茹でて作るナムルやおひたしが子どもは大好き。切らなくていいし、レンジで火を通せるのも頻度増える理由になっている。(小3、小2、5歳のママ)
もやし料理に飽きたときにおすすめなのが、チヂミ!もやしからほどよく水分が抜け、よりシャキシャキとした食感を味わえる気がする。(小6、小3のパパ)
鶏肉ともやしの照り焼きをもやしでかさ増しして作っている。もやしは水分がよく出るので、最初のうちに炒めておいてその後に鶏もも肉を入れて味付けする。ご飯が進むので、1品でも満足するメニュー。もやしと水餃子を入れるだけで本格的な中華スープができあがるので、家族が好んで食べる。(小1、5歳のママ)
◆もやしをおいしく食べるコツ
もやしは足の早い食材です。安く買いだめをしていても、気がついたときには水分が出て鮮度が落ちてしまっていたなんてことも。食材を無駄なく使い切ることも、節約への第一歩。
もやしは、買ったらレンジでチンして保存すると長持ちします。もやし200gを600Wの電子レンジで1分40秒から2分加熱するとシャキシャキの仕上がりになり、そのまま、サラダや和え物に。水を切って粗熱を取り、冷蔵庫に保存すれば、3~4日持ちます。
みんなのおすすめレシピを再現!シャキシャキ、もちもち!
食感がくせになる「もやしとシーフードミックスのチヂミ」
切らずに使えるもやしと、ざく切りするだけのニラは、忙しい日の料理にもおすすめ。
片栗粉を多めに使ってつくる生地は、もちもち、とろっとした楽しい食感に。
ぎゅっぎゅっと押し広げながら焼くことで、表面がカリッと香ばしく仕上がります。
冷凍庫に常備しておきたいシーフードミックスは、優秀なたんぱく質源です。
【材料(2枚分)】
・もやし......200g(一袋)
・にら ......50g(半束)
・冷凍シーフードミックス......80g
<A>
・片栗粉......大さじ 4
・小麦粉......大さじ 2
・中華だし......小さじ 2
・砂糖......小さじ 1
・水......大さじ 3
・ごま油......大さじ 2
<タレ>
・しょうゆ......大さじ 1
・砂糖......小さじ 1
・酢......小さじ 1
・ごま油......小さじ 1
・すりごま......小さじ 1
【作り方】
1.ニラを5cm幅にざく切りにする。もやしは、洗って水をよく切っておく。
2.ボウルにAを入れ、菜箸で混ぜる。しっかり混ざり切らなくてOK。
3.1をボウルに入れ、生地がまんべんなく混ざるよう、よくかき混ぜる。
4.フライパンを中火で熱し、温まったら、ごま油を大さじ1入れる。油をのばし、生地を半分入れる。このとき、生地がボウルの底に溜まっていることがあるのでよく混ぜながら入れる。
5.生地を広げ、丸く整えたら、シーフードミックスを乗せる。上から、フライ返しで押さえつけながら、3~4分焼く。焼き色がついたら裏返し、再度フライ返しで押さえつけながら焼く。
6.タレの材料を混ぜ、お好みでつける。
もはや、まとめ買いが当たり前!「鶏むね肉」
育ち盛りの子どもたちが大好きなお肉。
しかし、お肉も例外なく高騰が続き、気軽に買いにくくなっています。
がっつりたくさん食べたいときの救世主は、やっぱり鶏むね肉。安いときにたくさん購入して、冷凍保存する方が増えているようです。
鶏むね肉は安いし、ほぐすとボリュームが出るので重宝している。チーズを挟んでフライにしてもいいし、サラダの具にしてもいい。毎回1キロ買って、チキン南蛮やよだれ鶏などを作り、あまったらサラダの具材にしています。(小4のママ)
唐揚げは、断然鶏むね肉。にんにくやしょうゆを濃い味付けにすれば、満足感もアップ!(30代 パパ)
やはり、お肉は食べたくなる日が多い。鶏むね肉は安く、食べたときの満足度も大きい。味も淡白なので、カレー味、ケチャップ味、オイスターソース味など、どんな味付けもいける。(小5、小3のパパ)
鶏むね肉は、カロリーを気にしないでいいので、特売の日にまとめて購入している。(小6、小3のママ)
鶏むね肉はそのままだと固くなるので、お酒と塩、砂糖にしばらく浸けてから焼いている。ミンチにして豆腐と混ぜて、レンコンやコーンを入れて揚げ焼きにしたナゲットや、鶏むね肉に鶏がらスープの素とマヨネーズ、青のりを入れて揚げ焼きにする悪魔チキンと呼ばれるメニューが子どもたちは大好き!(小3のママ)
鶏むね肉をおいしく食べるコツ
鶏むね肉は、ほかのお肉に比べ脂が少ないので、焼くとパサつきがちです。
保水性の高い砂糖や、水分となるお酒などと漬けて、保水性をアップするとジューシーに。さらに片栗粉や小麦粉でコーティングすれば、肉汁の流出を防ぐことができます。
また、繊維に対して、垂直に切ると、柔らかく仕上げることができます。
子どもも大好き!「青のりチキン」
青のりの磯の風味が食欲をそそる、お子さんがパクパクと食べられるメニューです。
保水性のある砂糖と肉を柔らかくする効果のある酒に漬けることで、パサつきを抑えジューシーに仕上げます。切って漬けるだけなので、とても簡単。お弁当にもおすすめです。
【材料(3人分)】
・鶏むね肉......300g(一枚)
<A>
・酒......大さじ 3
・塩......3g(小さじ 1/2)
・砂糖......3g(小さじ1)
※保水性を保つため、砂糖・塩は、鶏むね肉の重量の1%とする。(例:鶏むね肉300gの場合、塩 3g、砂糖 3g)
・マヨネーズ......大さじ 1
・片栗粉......大さじ 4
・青のり......大さじ 2
・油......大さじ 1
【作り方】
1.鶏むね肉を繊維方向に垂直を意識して、一口大のそぎ切りにする。
2.ポリ袋にAを入れて混ぜ、1の肉を入れ、揉み込んだあと、3~4分置いてなじませる。
3.2のポリ袋にマヨネーズを入れ、再び揉んでなじませる。トレイに片栗粉と青のりを入れ、混ぜ合わせる。
4.3のトレイに鶏肉を入れ、衣をまんべんなく付ける。
5.フライパンを中火で熱し、温まったら油を引き、4の鶏肉を並べる。3~4分ほど焼いて焼き色が付き、鶏肉の表面に肉汁がにじんだら裏返し、焼き色がつくまで同様に焼く。
豚こま切れと相性バツグン!肉の代わりに最適「厚揚げ」
家族の人数が多かったり、成長期の子がいるので、たんぱく質をしっかり摂りたいご家庭に便利な節約食材が、厚揚げ。
衣がついているので煮崩れしにくく、揚げてあるため、うまみもたっぷり。主菜のボリュームアップを簡単に叶えます。
かなり利用しているのが、厚揚げ。多様な味付けをすることができるので飽きにくい。多少金額も高くなったが、ボリューム、満足感を感じることができるのでよい材料。濃い味付け、ヘルシーな味付け、その日の気分に合わせて作れる」(中1、小4のパパ)
厚揚げに片栗粉をまぶしてフライパンで焼くだけだが、そのときの気分によって照り焼きソースやねぎ塩などの味付けにできる。豆腐の中でも厚揚げは満足感がある」(小6のパパ)
「豆腐に片栗粉をまぶして、カリカリになるまでごま油で焼く。味付けは砂糖、みりん、ごま油。トロトロするまで煮詰めたら、ごはんの上にかけ、ゴマ、ねぎ、生卵の黄身を乗せて、どんぶりにするのが我が家の定番」(小6、小3のママ)
厚揚げをおいしく食べるコツ
厚揚げは揚げてあるので、時間が経つと油が酸化し、風味が悪くなります。
すぐに使わない場合には冷凍保存しておくと安心です。油くささを取り、味の染みこみをよくするためにも、使用する前に沸騰したお湯をかけて、油抜きするとよいでしょう。
まだある! 忙しいパパママが注目する"ストック節約食材"
急な予定変更で、買い物に行けないときなど、家にあると助かるストック食材。
食材をストックしておけば、お惣菜を購入したり、外食に行ったりするなどの予定外の出費も減り、節約にもつながることでしょう。みんなのおすすめを聞いてみました。
「ネットスーパーや業務用スーパーなどで購入した大容量の冷凍野菜をストックしている。なかでもお気に入りは、ホールの冷凍オクラ。柔らかくクセがないので、子どもも好き。胡麻やおかか和え、汁ものなど、何でも使えるので重宝している」(小2、3歳のママ)
「意外と値段が上がっていないと感じるシーフードミックスを、カレーや焼きそばに入れる。肉の代わりに使うことが増えた。あさりが苦手なので、いかとえびのみのシーフードミックスを使用している」(小5、小3のパパ)
「ストック食材というほどではないが、豆苗を育てている。食べた後も 2 回ぐらいは育つので、色味が足りないときに、サラダや汁物に入れている。栄養価も高いそうで、節約、節約と貧相にならないのもよい」(小4のママ)
「きのこは、3個まとめて買うと300円など、大容量で安く売っているときを狙って、冷凍している。また、ほかの食材と比べて、そこまで価格の影響も受けていない気がする。子どものお気に入りは、えのきのバターしょうゆ。大きめに割いて、フライパンで焼くだけ。焼くとえのきの甘味も強くなる」(中2、小1のママ)
ストック食材"冷凍オクラ"と、節約食材"厚揚げ"を使った焼きびたし
オクラを最初にしっかりと焼くので、冷凍特有の臭みも消えます。長時間煮ると柔らかくなりすぎるので、一旦取りだしてから調理するとよいでしょう。
オクラは、緑黄色野菜で栄養も豊富。厚揚げは、大きめの三角形に切ることで、食べ応えもしっかり。食材を切る手間が少ない時短料理でもあります。
【材料(2人分)】
・厚揚げ......150g(一枚)
・豚こま肉......100g
・冷凍オクラ(ホール)......8本
・しいたけ......4枚
<A>
・だし......200ml(1 カップ)
・しょうゆ......大さじ 1
・砂糖......大さじ 1
・塩......小さじ1/4
・ごま油......大さじ 1
【作り方】
1.厚揚げに熱湯をかけて、油抜きをし、長めの三角形に4分割する。しいたけの石づきを取り、軸とかさに分ける。軸が太ければ、半分に切る。
2.フライパンを熱し、ごま油を入れたら、冷凍オクラ、豚肉、しいたけを入れて焼く。冷凍オクラは、焼き色がついたら一旦取り出しておく。
3.2の鍋に、Aを入れて厚揚げを入れ、沸騰したらアクをとり、オクラを戻して中弱火にして5分ほど煮る。
価格が高騰するなかでも、今回お話を伺ったみなさんの食卓には、おいしくいただくための工夫がたくさん詰まっていました。
節約食材を使った家族が好きなメニューを何品か持っておけば、困ったときのお助け料理にもなります。紹介した節約レシピの中から、気になる料理をつくってみてくださいね。
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取材・文/加賀美明子(Neem Tree)