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管理栄養士さんに聞いてみた!エネルギーを補給して暑い夏を乗り切ろう!

 

子どもが頑張る姿を見て、サポートをしたいと思うパパママも多いはず。特に毎日の食事は、エネルギーの源です。
子どもたちがスポーツを頑張るためのポイントやこれからの暑い夏を元気に活動するためのポイントをご紹介!

今回は、管理栄養士の早川さんに聞いてみました!

運動する体に、夏を乗り切る体に!

成長期の子どもにとって、栄養素をしっかり摂ることはとても大切なことです。
夏は、運動をしなくても汗をかきますが、汗は 99%が水で、残り1%にナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄などのミネラルが含まれています。

他にもビタミンB群(ビタミンB1、B2、B6、B12、ナイアシン、葉酸など)やビタミンCなども含まれています。汗によってこれらの栄養素が不足し欠乏状態が続いてしまうと、倦怠感や頭痛、食欲不振や吐き気などの不調を起こしやすくなるため、意識して摂ることが「元気に夏を乗り切る」には重要です。

栄養を不足させないために気を付けてほしいポイントをあげてみました。

①朝食をとる

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成長に必要な栄養+汗で失われる栄養を摂るには、欠食せずに3食とることが大切です。
夏休みになると生活リズムが乱れて、朝昼兼用の食事になるお子さんもいます。2食では1日に必要な栄養素を摂るのはとても難しいことです。
朝食からのミネラルなどが摂れず不足状態のまま汗をかき水分をとると、血液が薄まってしまい熱中症になりやすくなってしまいます。
また、私たちの身体に備わっている体内時計をきちんと動かすために朝食は大事な働きがあり、それは睡眠にも影響しています。熱中症予防や夏バテ防止には良い睡眠をとることも大事です。朝食で栄養素をしっかり摂り入れましょう。

②主食+おかずをとりましょう

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食欲が低下したり、料理をするのが大変と、そうめんやカップ麺だけで済ませる・・・、アイスやジュースが増える・・・と、夏は糖質の摂取量が多くなりがちです。
糖質の代謝にはビタミンB1が必要で、ビタミンB1は汗でも失われるため、不足してくると代謝がうまくいかず疲労感につながります。

偏った食事は他の栄養素も不足し、欠乏状態が続くと「不調」を感じるようになってしまいます。
不調を感じる前に、たんぱく質のおかず(肉・魚・卵・大豆製品・乳製品)をとるように意識してみましょう。たんぱく質源の食材をとることで、鉄やカルシウムなどのミネラルやビタミン類も増やすことができます。

③色の濃い野菜をとる

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野菜は、緑黄色野菜と淡色野菜(中が白いキュウリやズッキーニは淡色野菜になります)に分けられます。緑黄色野菜には鉄、カルシウム、葉酸、β-カロテン、ビタミンC、ビタミンEなど栄養価が高い野菜が多いのが特徴です。冷凍野菜でも大丈夫ですので、積極的に取り入れましょう。

暑いとどうしても食欲が落ちてしまう、、そんなときの対処法は?

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食欲が落ちて食事量が減ると、栄養不足だけでなく食事からの水分摂取量も減り脱水になりやすくなります。
この状態が続くと疲労感や倦怠感が生じ、食欲低下がさらに進む・・・という悪循環に陥ってしまいます。

対策のポイントをご紹介します。成長期の子どもは体重が減らないように注意していきましょう。

①間食を利用してみる

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食事を無理して多くとろうとはせず、間食で栄養を摂り入れてみましょう。
内容としては、おにぎりやパン、とうもろこし、いも類、乳製品、枝豆、果物などで、魚肉ソーセージも手軽でお勧めです。間食のタイミングは、食事に影響がでないように2時間前までには済ませましょう。

②胃腸を休める

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夏は冷たい飲食物をとることが多いため胃腸の働きが悪くなりがちです。消化能力も低下してくるため、揚げ物や脂の多い肉など消化の悪いものは控えめにし、胃腸を休めてあげましょう。

③ 酸味、香り、香辛料で食欲を刺激してみる

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レモンやトマトや酢の酸味、大葉や生姜やニンニク等の香り、カレー粉やコショウなどの香辛料は、食欲を刺激してくれます。お子さんの好きな味付けを取り入れみましょう。

④盛付は少なめに

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一回り大き目の皿に少なく盛り付ける、彩りをよくするなど、食欲がでるような工夫をしてみましょう。

お家で簡単に!パワー飯レシピ

栄養いっぱいの、夏にお勧めのレシピをご紹介します。お弁当用はおうちごはんにもどうぞ。

【かつおのマリネ】

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かつおは、ビタミンB群、鉄、カリウムなどが多く含まれる栄養価の高い食材です。マリネにすることで臭みを減らし、さっぱりと食べやすくなります。

<材料>(3人分)
・かつおのたたき(またはかつお)200g
・玉ねぎ 中1個
・ミニトマト 6個
・青ジソ 10枚
・グリーンレタス 3枚程度
・ポン酢 大さじ 3
・エクストラオリーブオイル 大さじ 2

<作り方>
①玉ねぎは薄くスライスにし、水に10分程さらして辛味を抜く。
②青ジソは縦半分に切り細切りにする。グリーンレタスは細かくちぎる。ミニトマトは4つに切る。
③ボウルにポン酢とオリーブオイルを入れて混ぜ、①とかつおを加えて和え、冷蔵庫で30分程なじませる。
④③に青ジソ、ミニトマトを加えて混ぜる。
⑤皿にグリーンレタスを敷き④を汁ごと盛り付ける。

●お弁当レシピ

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【七分つき米を使った枝豆とチーズのおにぎり】

✓精米過程でビタミンB1などの栄養素は除かれてしまうため、玄米、胚芽米、七分つき米に変えるだけでも増やすことができます。
✓畑の肉である大豆製品には、ビタミンB群やカルシウムや鉄も多くお勧めです。

<材料>(3人分)
・炊いたご飯 450g
・枝豆 50g(豆の重量)
・プロセスチーズ 3 個

<作り方>
①枝豆は茹でさやから取る。チーズは5㎜角に切る。
②ボウルにご飯を入れ、粗熱が取れたら①を加えて混ぜておにぎりを作る。
※小さいお子さんには枝豆は誤嚥の危険があるため、潰して食べさせてください。

【玉ねぎとマイタケの肉巻きカレー風味】

✓豚肉はビタミンB1を多く含む代表選手。玉ねぎやねぎ、ニンニクなどに含まれるアリシンと組み合わせると吸収率がアップします。
✓カレー風味で食欲を刺激してあげましょう。

<材料>(3人分)
・豚ローススライス 9枚(200g程度)
・玉ねぎ 中 1/2 個
・マイタケ 1 パック
・カレー粉 小さじ 1/2
・塩 適量
・サラダ油 適量

<作り方>
①玉ねぎは5㎜厚さにスライス、マイタケは9等分にほぐす(大きい場合は小さめにする)。
②豚肉を広げて塩をふり、①を端にのせ、肉をやや引っ張りながらしっかり巻き、カレー粉を表面につける。
③フライパンに油を熱し、②の巻き終わりを下にして入れ中火で焼く。
④肉の巻き終わりが焼けたら、蓋をして時々反転させながら全体を焼く。

【オクラとカニカマのごまマヨ和え】

✓オクラのネバネバはペクチンという食物繊維です。ペクチンは整腸作用がありお腹の調子を整えてくれます。また、ビタミンB1、B2、葉酸、カリウム、β-カロテンが多く、栄養価の高い夏野菜です。

<材料>(3人分)
・オクラ 6~8本
・カニカマボコ 6本
・すりごま 大さじ 1
・マヨネーズ 大さじ 2

<作り方>
①オクラは茹でて、1本を3~4つの乱切りにする。カニカマボコはほぐす。
②ボウルにすりごまとマヨネーズを入れて混ぜ、①を加えて和える。

学校給食がなくなる夏休みは要チェック!

学校給食がなくなる夏休みは、子ども達の栄養状態が悪くなるという調査結果があります。
成長期の子ども達にとって、栄養は身体の全ての機能をつくる材料です。例えば骨の成長に必要なカルシウムや、不足すると貧血の原因となる鉄は、12~14歳が最も多く必要で成人の約 1.3倍もの量になります。
保育園や学校給食のような食事を家庭で実践するのはとても難しいことですから、栄養のバランスは1日単位で考えず、3日間(無理なら1週間でも)で調整していくつもりで栄養を摂り入れていきましょう。


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教えてくれた人

管理栄養士 早川洋子さん

合同会社 TONTON 代表
クリニックや企業での栄養指導経験から、予防の大切さを伝える活動に重きを置いている。
胎児から大学生、高齢者まで、食事だけでなく、睡眠、運動など多角的視点で健康の大切さを伝えている。
また、キユーピー㈱研究所で食品開発の経験を活かし、オリジナル調味料等の製造販売も行っている。

・東京薬科大学非常勤講師
・西東京糖尿病療養指導士
・食品保健指導士
・日本生活協同組合連合会 「きらきらステップ」商品監修
・コープデリ生活協同組合「きらきら Baby&Kids」監修
・土屋産婦人科、のま小児科、八王子市子育て広場などにて栄養相談
・更年期、認知症予防、乳幼児食、プレママ等の健康講座の開催や講師担

■ホームページ 合同会社 TONTON
https://tontonllc.jimdofree.com
■Instagram アカウント tonton_llc

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