くらし Share

節分の由来や鬼退治のあれこれ!豆知識を知って楽しもう!

 

tama-setsubun-mame-1.jpg

毎年、節分には無病息災を願って豆をまいたり、恵方巻を食べたりして過ごすご家庭は多いのではないでしょうか。
なじみのある行事ですが、伝統が長いだけに、その由来やどうして鬼をやっつけるのかなど、知らないこともたくさん!

そこで今回は、節分の豆知識についてご紹介します。

実は「節分」は年に4回ある?節分の由来を知ろう!

tama-setsubun-mame-2.jpg

「節分」といえば、2月3日。
ですが、本来節分とは、季節の分かれ目を意味し、冬と春との分かれ目となる「立春」、同じく「立夏」、「立秋」、「立冬」の前日を指します。つまり、厳密にいうと節分は年に4回あるのです。

昔は春が1年の始まりと考えられたことや「立春」は旧暦でのお正月に近いということもあり、「立春」の前日である節分が大晦日のように大切にされ、行事として伝えられてきました。

◆鬼退治をするようになったのはなぜ?

そのルーツは古くから中国で行われきた「大儺(たいな)」という儀式だと言われています。
この儀式は、人に災いをもたらす邪神や疫病を追い払い、福を招くために行います。この「大儺」が日本に伝わり、宮中行事として「追儺(ついな)(「鬼やらい」ともいう)」が行われるようになりました。
豆をまくようになったのは室町時代のことで、江戸時代には、豆まきの風習が庶民にも広まりました。

地域に伝わるさまざまな鬼退治や節分の風習

tama-setsubun-mame-3.jpg

古くから日本各地では、鬼が来ないようにとさまざまな鬼払い、魔除けの行事が行われてきました。

1.節分の定番「豆まき」

鬼退治に豆をまくのは、穀物に宿る霊力が悪霊をしりぞけるとされており、粒が大きい大豆は邪気を払う力も大きいと考えられていたことや、「魔(ま)を滅(め)する」に通じることによるのだそう。
さらに豆を炒るのは「魔目(まめ)を射る」ことに通じるためと言われています。

一般的には夜に「鬼は外、福は内」と声をかけながら豆をまき、邪気を追い払って福を呼び込みます。残った豆は満年齢や数え年の数だけ食べると、1年を無病息災で過ごせるとされています。

なお、硬い豆は子どもにとって窒息や誤嚥のリスクがあるため、福豆を口に入れているときは走ったり、笑ったりしない、5歳以下の子どもにはボーロやラムネにするなど、十分に注意しながら楽しみましょう。

2.節分飾りの1つ「やいかがし(焼嗅)・ひいらぎいわし(柊鰯)」

やいかがし・ひいらぎいわしは、焼いた鰯の頭を柊の枝にさしたもので、鬼を寄せ付けない魔除けとして玄関口などにつるします。
魔除けとなるのは、鬼が苦手なものだから。鬼は鰯を焼いたにおいや煙を嫌うとされています。
また、鬼が柊の葉のトゲに目を突かれて逃げていったという伝説があります。柊はその伝説から別名「オニノメツキ(鬼の眼突き)」とも呼ばれるようですよ。

3.高幡不動尊「豆煎り式」

多摩地域での節分おすすめスポットの一つ、高幡不動尊金剛寺では、毎年1月31日に節分で撒く豆を煎る「豆煎り式」が行われています。
普段は線香を供える香炉である1メートル程の特大鉄鍋で約30キロもの豆を煎ります。「豆煎り式」には参拝客も参加できます。
僧侶の御護摩の後、近隣の幼稚園の子どもたちや参拝客が大きなしゃもじを使って豆を煎り、四方から大きなうちわで扇ぎます。豆煎り式で煎られた福豆は購入もできます。
「豆煎り式」を終えて、2月3日の節分に備えます。

鬼の色には意味がある?心の鬼を退治しよう!

tama-setsubun-mame-4.jpg

鬼というと、何色の鬼を思い浮かべますか?
赤鬼や青鬼を思い浮かべる方も多いかもしれませんが、実は黄鬼、緑鬼、黒鬼を加えた5種類の鬼がいると言い伝えられています。
仏教において、鬼は心の中にひそむ自分の弱さを表すシンボルであり、鬼の色は仏教の五蓋(ごがい)、つまり代表的な5種類の煩悩を表します。断ちたい煩悩を表す鬼に豆をぶつけることで、煩悩に打ち勝てるのだそうです。
「心の中にいるどの色の鬼を退治したい?」と親子で話したり、退治したい色の鬼を工作し豆をぶつけてみたりしてはいかがでしょうか。

鬼の色の意味

◆赤鬼

五蓋の「貪欲(とんよく)」。欲望、必要以上に求める心を指します。もっといいもの、もっとたくさんといった物欲や、もっと認められたいといった承認欲求などの行き過ぎた欲求を取り除きたければ、赤鬼に豆をぶつけましょう。

◆青鬼

五蓋の「瞋恚(しんに)」。怒りや恨み、憎しみなどの心を指します。自分の中の、怒りや憎しみを取り除き、清々しく過ごしたいなら、青鬼に豆をぶつけましょう。

◆黄鬼(白鬼)

五蓋の「掉挙悪作(じょうこおさ)」。「掉挙」は浮つく心、高ぶって落ち着きのない心を、「悪作」は後悔する心を指します。浮つく心や後悔を取り除き、穏やかな気持ちで過ごしたいなら、黄鬼に豆をぶつけましょう。

◆緑鬼

五蓋の「惛沈睡眠(こんじんずいめん)」。「惛沈」は気持ちが沈むことを、「睡眠」は眠気のこと、ひいては不健康・不摂生を指します。やる気を起こしたい、健康的に過ごしたいなら、緑鬼に豆をぶつけましょう。

◆黒鬼

五蓋の「疑(ぎ)」。疑う心を指します。他の人に疑いや不平不満を感じる心や、自分の気持ちに矛盾した言葉や行いを取り除きたいなら、黒鬼に豆をぶつけましょう。


現代において毎年の恒例行事となっている節分ですが、角度を変えると違った楽しみ方ができます。お子さんに節分の豆知識をシェアしたり、心の鬼について話し合ったりしてもいいですね。日本の伝統である節分を親子で楽しみましょう!

【関連記事】
▼子どもと一緒に盛り上がろう!おうちで楽しむひなまつり
https://tama-tips.jp/living/blog/6.html
▼願いを込めて巻いてみよう!子どもと楽しむ恵方巻作り
https://tama-tips.jp/living/blog/4.html

取材・文/武藤由美子(Neem Tree)

Recommend おすすめ